【3行要約】
・メールが丁寧で仕事で信頼される人とそうでない人の決定的な違いはどこにあるのでしょうか。
・伊庭正康氏は「返信のスピードは誠意」とした上で、メールの配慮不足で「確実にチャンスを減らしている」と指摘します。
・相手の負担を減らし評価を高めるために、件名の工夫や返信速度、AIの活用など今日から実践できる5つの鉄則を解説します。
メールの文章でわかる「仕事ができる人」の特徴伊庭正康氏:今回のテーマは「メールの文章を見るだけで、この人は仕事ができるかできないか、一瞬にしてわかる」っていうお話です。5つの特徴を紹介しますので、自分自身で気をつけましょう。そして周りの後輩にも、アドバイスをしてあげてください。
メールの文章を見るだけで、本当にその人が、仕事ができるかどうかわかるのかっていう研究があるんですよ。マサチューセッツ工科大学の研究で、実はその人が優秀かどうかは簡単にわかるそうです。返信の速度を見ればわかる。コミュニケーションのシンプルさを見ればわかる。メールの頻度を見ればわかる。
ちょっと待てと。何を見ればわかるのかって話ですよね。わかりやすく5つのポイントを紹介していきます。マサチューセッツ工科大学の話だけではなく、他の研究も寄せ集めて、いいところを抜粋して紹介しますので、ぜひ楽しみにしてください。

(スライドを示して)メニューはこちらです。仕事ができる人は件名をちゃんと書く人。冒頭に一言添える人。読みやすい構成にする人。返信が早い人。CCの使い方がうまい人。この5つの観点でポイントを紹介していきます。
できる人の「件名」の書き方
1つ目、件名をちゃんと書く人かどうかです。件名をちゃんと書く人は、相手のことを考えているかどうかがわかるんです。特に相手の時間を大切にしているってことです。明確な件名を書くことは、相手の業務処理、メールの処理を40パーセント、効率をアップさせると言われています。あなたのメールの件名はどちらでしょうか。

「確認お願いします」と書くだけか、それとも「【依頼・5/10迄】企画書の確認お願いします」というふうに件名を見るだけでわかるかどうか。以前、受信トレイを見るだけで要件がわかるかどうかが大きなポイントですっていうことをよく言っていました。
ぜひ、ここを押さえてください。受信トレイを見るだけで、この人のメールがわかりやすいかどうか。ここを配慮できているかです。管理職の方を想像してください。1日何通メールが来ているんでしょうかね。あなたの上司は1日何通メールを読んでいるか。そこを想像してメールを送っているかどうかってことなんですよね。
上司に限ったことじゃないですよ。それは部下もそうですし、取引先もそうです。どちらが相手を考え、相手の負担を減らしているか、一目瞭然ですよね。これだけで仕事ができるかどうかはわかります。
返信やYESをもらいやすくする「冒頭の一言」

2つ目、冒頭に丁寧な一言を添える人かどうか。これは親近感を大事にしているかどうかのバロメーターなんですよね。ウォームアップ効果と言われていまして、関係性のウォームアップ。それによって何がいいかというと、メールの返信率とか受容度、YESと言ってもらう率、これが高くなると言われています。
仕事ができる人は相手との関係性を大事にして、返信率やYESと言ってもらう率を高めているという話なんです。ここで、よく議論になります。「いや、冒頭に何も書かなくていいでしょう」と。もちろん、書かなくていい場合もありますが、書かないといけない場合もあるんですよね。その線引きがちゃんとできた上で「そんなこといらないでしょ」って言っているかどうかがポイントです。
「そんなこといらないでしょ」というのは、業務連絡とかは別にいらないですよ。あったほうがいいかもしれませんけど、なくても大丈夫ですよ。ただ、返信を求めるとか何かお願いをするとか、YESの受諾率は変わるわけですよね。じゃあ、やったほうがいいんですよ。さらに言うと、ふだんからやっておいたほうがいいかなとは思います。労力はかかりませんので。
あなたはどちらでしょうか。AとB決めてください。A「先般、ありがとうございました。添付ファイルをご確認ください。」B「お世話になっております。○○です。先日はお忙しい貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。添付ファイルをご確認いただいてもよろしいでしょうか」。
大きな差はありませんが、Bの方が丁寧ですよね。「そんなんいちいち書くのかよ」と思われたかもしれませんが、いちいち入力するか、しないかだけの話じゃないんですよ。丁寧な言葉はAIに書いてもらったらいいんですよ。今、メーラーにAIとリンクさせているものが多いですよね。
私もそうですよ。GmailもOutlookも文章はAIが書いてくれます。なので、おのずとBになりますということなんですよね。
もう1つは、署名の欄に丁寧な言葉、文章も含めた署名を書いておけばいいんですよ。すると、新規メールを立ち上げただけで丁寧なメールが出ます。ということを考えた場合に、丁寧なメールを打つことは、面倒だよねという議論は消えちゃうんですよ。
なので、丁寧な冒頭の部分はAIや署名のところで担保すればいいんです。もしくはメール文書を登録する機能がOutlookにもGmailにもありますので、それを使うかどうかです。
一番お伝えしたいのは、めんどくさければもうAIに書いてもらってくださいということです。
「改行位置」と「箇条書き」の鉄則

3つ目、読みやすい構成にしているかどうかです。これが難しいんですよね。相手視点で考えている人はシンプルに書きます。具体的には改行の位置と箇条書き。いったんこれでけっこうです。
だいたい、一般的に20文字ぐらいで改行を入れないとわかりにくくなると言われています。そして、箇条書きを入れないとわかりにくくなると言われています。
例えば、こちらの図をご覧ください。読みやすい構成は「確認いただきたい事項は以下の3点です。①納期、②数量、③送付先」というものが書いてあります。そして、右側の読みにくい一文はこちらに書いてあるとおり「ご確認いただきたい事項は、納期が5月10日で数量は100個で送付先は東京本社になりますので、よろしくお願いします」。わかりにくいですよね。
これ、改行を早めに入れているのでまだマシなんですけど、これがずらーっと長くなったら小説を読んでいるようになります。これ、教えてもらわないから本人気づかないんですよね。私も30通に1~2通あります。長~っていうやつね。
最近はAIに読み込ませて「ポイントを整理して」とか、言ったりします。自分でも読むけど、抜け漏れがでる可能性があるからですよね。抜け漏れはやっぱり具合悪いじゃないですか。自分でも読むけど、念のためにAIにも確認を取ろうということがあったりします。それだけで手間がかかりますよね。なので、このあたりは注意が必要です。
じゃあどうすればいいか。箇条書きと早めの改行、そしてAIにお願いしたらすべて解決します。
仕事ができる・できないの一番のバロメーターは「返信の早さ」

4つ目、返信が早い人、これは絶対ですね。返信が遅い人と早い人がいます。これが、僕は仕事ができる・できないの一番のバロメーターじゃないかなと思っています。共感力・気配りがまずこれでわかります。返信の遅い人は、相手にストレスを溜めているという感覚がないんですよね。相手のペースを考えていないから。
相手はどういう状況か待っているんですよね。読まれたかどうか、不安なんですよね。どれぐらい待てるんでしょう? けっこう人によって違うんですよね。それ、今答えられるかどうかです。人は何時間後までに返ってこなければ不安を感じるか、人によって違いますよね。これが感受性なんですよ。
これ、多くの方から聞く話ね。私、時間管理研修をやっていますので、いただく内容、短い方で90分。「90分以内には欲しいね」という方、早いですよね。
多くの方はできれば数時間、まぁ1日以内であればいいかな。待ったとしても24時間。実際に24時間ルールというものもあります。24時間を超えると、ちょっと待たせているよねというルールも実際メールではあります。今からAとB、示しますが、どちらに近いですか。
A、3日ほど経ってから「遅くなりました。大変申し訳ございません」というメールが1週間のうち1、2通ある。B、いったんメールを受信して返事をしないといけない。でも(確認が)明日か明後日までかかるなぁという時に、受信後1~2時間、もしくは数時間以内に「メール拝見いたしました。詳細確認の上、返信させてくださいませ。いついつまででもよろしいでしょうか」というように、いったん受領の旨をお伝えする。
毎回は、できない場合もあります。ずっと会議ずくめの場合とかはね。でも、できる範囲でやろうとしているかどうかですよね。当然ですが、Bが正解です。
返信のスピードは「誠意」そのもの
実は思うことがあって。私はメールの返信が早いほうです。たまに、別のトレイに入っている時があるんですよ。なぜか、はっきり言います。その会社さんの他の方が、たぶんダイレクトメールを打っていらっしゃるんだと思います。
すると、ドメインがその方の近いアドレスになるのでね。迷惑メールに入っちゃっています! プロモーションメールに入っています。
その会社がDMを送りすぎです! その方、特定の会社ですね。Gmailでは「違う!」って言って普通のトレイに入るんですけど、普通のトレイでも「迷惑メールの可能性ありますか? 開きますか?」ってきます。メール打ちすぎです! なので、あんまりそのドメインで、迷惑メールを打っちゃダメです。
ということで、話を戻しますね。返信が返ってこない人もいるんですよね。1回やったらその受信トレイが、違うとこに入っているのかなぁと思うけど、3日~4日経っても帰ってこない。1週間経っても帰ってこない。たまにあるのはお願いされたことで、答えたものに対して返信がない。
「あれ、調べてくれ」ってお願いされたんですよ。送っても返信がない。1週間経ってもない。「届いたのかな」って不安になる。(相手が)確認した。「拝見させていただきます」。ちょっとお尻出せ、お尻叩くぞぐらいな気分です。
これが1回、2回やったらいいけど、だいたい1回、2回やる人は4回、5回やっているんですよ。……ってなったら次何をするかっていうと、世の中の人はその人のためにどこまで本気で動くのかなって思います。だって、送っても感謝されないわけですからね。レスポンスもないわけですからね。
……というようなことを考えた時に、やはりこの返信というのは大事なんだろうなぁと思います。もう1度言います。返信のスピードは誠意です。
組織や周囲への配慮が試される「CC」のスマートな使い方

5つ目、大事な問題、CCですね。CCの使い方が丁寧な人は仕事ができる。組織、周囲への配慮があるとみられます。過剰なCCって、メール疲れの原因になっているから、今問題になっているんですよね。
だいたい私の時間管理研修でも、管理職の方を対象にした時に、必ず質問があるのは「CC疲れを起こしています」と。この質問は必ず起こります。「どうしたらいいですか」と。
なので「このメールはCCちょうだい」とか、「『このメールはいいよ』っていうふうにしといて」っていうのか、それとも「フォルダを作って、自動的にCCのものはフォルダのほうに格納されるように設定すればいいですよ」って話をしていますが、どうでしょうね。送る側のスタンスもありますよね。
必要な人だけにCCを送るのは正解です。不要な人を巻き込まないというスタンスも必要。AとBで比較をしましょう。A、とりあえず関わっている人、部署全員にCCを入れておこう。チーム全員にCCを入れておこう。確かに安心ですよね。でも受け取ったほうは見ていないですね。B、直接関係する方だけをCCに入れる。この時にCCを入れておく必要があるかどうか、確認を取っておくこともおすすめです。
「別にいらないよ~。なんか緊急事態あったら教えて」という方も普通にいらっしゃいます。あと「やり取りはもうお願いしとくよ、いちいち見てないからね」ということもあったりします。そのあたりも参考にしていただければうれしいです。最初に確認を取っておくといいですよ。
メールが下手な人は「チャンスが確実に減っている」
今日の内容はお役に立ちましたか。メールだけで、その人が相手のことを考えてやっているか、それとも考えていないか。これが基本的に仕事できる・できないになっていると思ってください。
なので、僕はメールを見て思うのは「この人損しているな」と思うこともあるし、「この人得しているな」と思うこともあります。結果、そうなんですよ。営業さんなんかは、わかりやすいんですけど、メールが上手くない人もいるんですよね。確実にチャンスが減っています。
ところが、メールが丁寧なだけで仕事が増えています。なぜなんでしょうね。それは一事が万事で、メールだけじゃなく相手とのコミュニケーションにも表れているからなんですよ。メールはあくまで1つ。相手のことを考えて言動を選択しているからなんですよね。
ですから、メールというものを使いながらも、相手のことを考えるというトレーニングに使っていただくのもおもしろいんじゃないかなと思います。