【3行要約】
・「本性を隠した悪い人」を警戒するあまり、人間関係に疲れていませんか。実は、世の中に絶対的な「悪人」など存在せず、ただ「価値観が異なる人」がいるだけかもしれません。
・一代で上場企業を築いた木下勝寿氏は「すべての人は本性を出しっぱなしで生きている」と語り、相手の言葉を自分の常識で勝手に解釈しないことの重要性を説きます。
・裏切りや衝突を「価値観の相違」と捉え直す視点は、リーダーの孤独や対人ストレスをどう変えるのか。周囲を味方につけ、成功を引き寄せるための本質的な思考法を探ります。
世の中には基本的に「悪い人」はそれほどいない
ーー木下社長は資本金1万円で起業して、年商100億円超えの上場企業を作った方じゃないですか。ここまで来る途中って、すごくいい人もやばい人も相当見てきたと思うんですよね。実際、若い頃に詐欺にあって全財産を失ったこともあるって聞いているんですけど、木下社長って、人のどこを見て人付き合いをするかどうかを決めてるんですか?
木下勝寿氏(以下、木下):やばい人、そんなに会ってないんじゃないかぁ(笑)。
ーーそうなんですね。
木下:詐欺師はやばいと思うんですけど。世の中に悪い人がいて、悪い人が悪い部分を隠して生きているから、その本性を見抜かないといけないっていうような世界観で生きてはるんかなと思った、今。
ーーそうかもしれないです。羊の群れに狼が混ざっているから、その狼をどうやって炙り出せばいいんだろうという感覚でした。
木下:僕が見ている世界観はまったく違っていて。まず世の中には基本的に悪い人はそんなにはいない。稀にいるけども、日常生活している中でいくと基本いない話で。まず自分を悪い人と思っている人はたぶんいないでしょ。良い悪いじゃなくて価値観が違う、そして合わないっていうだけの話なんだよね。

木下:もう1つは隠してる・隠してないではなく、嘘を言っているわけでもなくて。その言葉の定義が違うからその人が言っていることがその人にとってはぜんぜん嘘ではないんですよ。嘘ではないんだけども、こっちがその言葉から想像しているものがぜんぜん違うものになった時に、そこが露呈した時に「騙された」みたいな気がするんだけど。騙してはないやろ、別にっていう世界観で生きているんですよね。
……となってきた時に、人と接してる時どう思ってるかっていうと、相手の言っていることで勝手に自分が想像してしまわないっていうのは、すごく気をつけています。
面接とかでよくあるんだけど、ハロー効果っていうのがあるんですよね。例えばよくあるのが、面接をしている人が過去の職歴をぱっと聞いた時に「これをやっていました」って言った時に「僕がやってたあれと一緒だ」って思うと「じゃあ、これできるよね」って思い込んじゃうんですよ。
もっと言うと、相手の人の会社が、前に僕がいた会社だというときに「これ、全部わかってるよね」って話になりがちです。でも現実問題として同じ会社にいてもできる人・できない人がいっぱいいます。でも自分の持ってる情報をもとに勝手に想像してしまう。
それで思ったのと違った時に「嘘つかれた」とか「本性が出てきた」みたいになっちゃうんだけども、すべての人は本性出しっぱなしで生きてます。なので、大事なことって、まず自分で勝手に想像してしまわないっていうところ。あと僕の場合だったら、あらゆるパターンの人を知ってるわけですよ。
「管理職になりたい」という人には2パターンある
木下:例えば、別の動画でも言いましたけども「管理職になりたいです」って言ってる人って大きく分けると2パターンあります。「管理職になるために努力して、足りてないとこも身につけていけるようになりたいです」って言ってる人と「今の僕・私を管理職にしてくれたらうれしいなぁ」って思ってる人がいます。両方言葉にすると「管理職になりたいです」なんですね。
これをわかっていない人は「管理職になりたいです」って部下が言った時に、じゃあ「やる気あるな!」って言ってバーっと厳しく鍛えると、辞めていったりするわけですよ。「あいつ、管理職になりたいって言ったのに口だけやった」となるんだけど、この人は嘘はついてないですよ。
この人にとっての「管理職になりたい」っていうのは「努力するつもりはぜんぜんないですけど、今の僕を管理職にしてください」って言ってるだけ。こういうふうに僕自身もいろんな人に会いながら「この人が言っていること、こうだろうな」と思いながら接していて、違っていた。でもよくよく考えると一切この人は嘘ついてないんだっていうことを、いっぱい経験してきました。だから人が言ってる言葉を自分で勝手に想像しないことが大事です。
なので、この人が言ってることが、この人の意味で理解できるようにめっちゃ聞く感じですね。
権力を持った途端に偉そうになる人
ーーよくあるのが、権力を持った途端にすごく偉くなって「本性現れたな」みたいな感じのことです。そういう人を事前に見極めるためにどういうことをすればいいんだろうって思ってました。
木下:基本的にはもう権力を持つと偉そうになるのが人間の本能であって。うちの会社とかは出世する時に、それをめちゃくちゃ言うんですよ。本能として偉くなると、細かいことやらなくなるのが本能なので。「そうなると速攻で降格させるからな」っていう。
(一同笑)
だから、そうなった時にも「本性を現したな」というよりは人間の本性がそれって感じ。
ーー……となると、世界の見方もぜんぜん変わってきますよね。
木下:ぜんぜん変わってくる。
ーーあと木下社長って、上場企業の社長でお金もいっぱい持ってらっしゃるのかなぁと思っています。お金を持つと人が変わるようになるみたいな話とかもあるから。周りの方で「あいつ成功した途端金遣い荒くなったなぁ」とか「本性現れたな」みたいなことってないんですか。
木下:金遣い荒い人は最初から荒い。荒くない人は、お金を持っても荒くならないんじゃないかな。友だちが言ってたんだけど、もともと真面目な人でお金を持った時からキャバクラとかにバーッて行きだしたんだけど。やっぱりその人は、もともとそういうことに興味がないんだよね。

ーーお金持ってるか持ってないかではなく、もともと興味があったかないか。
木下:その人はもともとは別に興味がない人なんだけども、お金持ってそういうとこばっかり行ってる人たちと会った時に「お金持ったんだから行かなくちゃ」と思って行ったんだけど、やっぱりおもしろくないんだよね。だから止めてて。要はお金持って行ってる人はお金がなくてもたぶん行ってる人。