アジェンダ不在や資料の読み上げが招く形骸化
まず1つ目の、「事前にゴール・優先順位・時間配分を設定しておく」こと。参加いただいた企業さまは、「あまりできていないかも」ということだったんですけど、印象深かったのは「経営者の顔色をうかがって、アジェンダが変わるようなことがあるかもしれないなぁ」とありました。

あとは3番目、「決める人を決めておく」ですが。「やはり、誰かが決定してくれるだろうという意識が参加者にある」といったご意見もありました。
続いて4つ目。「冒頭で全員に参加目的を話してもらう」ということで、これは「あんまりやっていないなぁ」という会社さんが多かったですけども。「実態として、参加すること自体が目的になっている」という、そんな振り返りもありました。
5つ目。「資料を配布しない」ですが、これをやっていらっしゃる会社もありました。そんな中で、「資料を読み上げながら会議を行っている。時間がもったいないかも」といった振り返りの声もありました。
7つ目、「会議の進め方自体を定期的に議論する」です。「進め方自体を議論しています」という会社はそんなに見受けなかったんですけれど、ただ「形骸化を防ぎ緊張感を保つために、意図的に会議時間を短くしている」といった取り組みもありました。このあたりは、すごく大事な取り組みだなと思います。
というふうに、みなさまの会議もぜひ、こういった観点で振り返ってもらうと、できることが見つかるんじゃないかと思います。
実際にご案内した7ヶ条がありますけれど、これらばかりではなくて、他にもいろんな有効策があると思います。この有効策を見つけるためにポイントとなる考え方がありますので、そこを紹介していきます。会議を効率化するための考え方として、ここで問題解決のステップということで紹介しています。
会議は「組織としての問題解決」
今日のテーマは会議についてなんですが、なぜここで問題解決が出てくるのか。そもそも会議というのは、ある問題を解決するための行動、アクションを決めることが目的ですよね。なので、会議とは組織立った問題解決そのものです。なので、会議をどういうふうにやっていけばいいのかは、問題解決のステップに当てはめていくと、望ましい進め方が見えてきます。
(スライドを示して)このステップで言うと、目的を確認する。目的は何なのか。ちなみに、論点の絞り込み。どこが重要なのかということ。なぜそうなっているのかを考えるための、仮説の検証。どこが問題かということですね。
じゃあどうすればいいのかということで、示唆出しをして、意思決定していく流れです。その下に「What」「Where」「Why」「How」とありますけれど、これは問題解決のフレームワークですね。
何が問題かのWhat、どこが問題点になっているのかを絞り込むためのWhereですね。なぜそうなっているかの仮説を立てるWhy。それを踏まえてどうしていくかのHowということです。

フレームワークだけを言っても少しわかりにくいと思いますので、実際に例を出して説明していきます。
例えば私たちが飲食店の事業をやっているとして、あるお店の売上がちょっと赤字になってしまっているとします。なので、目的は赤字を解消する。
これの具体策を考えていくわけですけれども、闇雲に手を打っていくことはしないので、そもそもどこが問題で赤字になっているのかを絞り込みにいきます。これがWhereですね。例えばスタッフの接遇が悪いとか、お店がボロボロだとか。あとはお料理がおいしくないとか、考えられるポイントはあると思います。
会議室の外でできることは会議に持ち込まない
例えば、お料理がおいしくないというところに論点が絞られたとします。じゃあ次に「なぜ、おいしくないんだろうか」を見ていきますよね。Whyの部分です。
例えば、調理されたお料理がおいしくない。もしくは、お料理される前の材料の段階でもうおいしくない、みたいなこともあるかもしれません。というふうに、なんでだろう? ということを絞り込んでいくわけですけど。
じゃあ今回は、材料の時点でおいしくないとします。そうすると、それを解決するためにどうしていくのか。Howの部分です。(例えば)これまでは業者さんに任せていた材料の仕入れを、自社で生産地に見極めに行って、品質を担保するという手も打てると思います。ということで、このあたりで解決策が見えてくるということですね。
これは、一連の問題解決のステップがあるとして、今回(扱うテーマ)の会議は、まさに組織としての問題解決ということです。この「What」「Where」「Why」「How」のすべてを会議でやろうと思うと、もう時間がかかって仕方がないですよね。
なので、会議の場じゃないと進められない部分を切り出して、そこだけ会議に持ち込む。それがアジェンダになることが大事です。絞り込みですね。
やはり会議を効率化するためには、会議に持ち込む議題を最小限にする。それ以外は会議外で進める。これができてくると、会議を効率化するいろんな策が見えてくると思います。
ちなみに、この「What」「Where」「Why」「How」で論点を絞り込む話で、会議のアジェンダを絞るということがあります。こういった目線を持った上で、先ほどのチェックリストを眺めていくと、また理解が深まりやすいんじゃないかと思いますし、他のいろんな作戦も見えてくるんじゃないかなと。ぜひ自社に必要な手立てを考えてみていただければと思います。
会議の無駄が減らない根本的な原因
ということで、ここまでは会議を効率化させるための方法や、必要な考え方を見ていきました。こういった方法論は、調べようと思ったら世の中にあるわけですね。ただ方法論は手に取ることはできるんですが、それでも生産性の低い会議が世の中からあまり減っていないんじゃないかと思っています。なので、「なんでなかなか減らないんだろう」ということを深掘りする必要があります。
ここでまとめてみたのは、やはり効率的な会議の運営方法がわかっても、なかなか改善が進まない。この原因としては、やはり参加している方々が、参加するだけで務めを果たしていると感じている。参加することが目的みたいなところですね。なので、いざ「会議が無駄だな」と思ったとしても、実際に改善するところまでつながってこない。会議の無駄が見て見ぬふりされやすいというのが原因としてあるなと思っています。
そう考えると、やはり無駄の削減には、いろんな策があるわけですけれど、これだけでは根本的に会議は変えられないということが見えてきます。では、どうしていけばいいんだろうか。そこで2つ目のセクションに進みます。今度は「決めるプロセスの向上」ということで、生産性の分数で言う分子のほうに進んでいきます。

(スライドを示して)決めるプロセスにはどういった特徴があるのかを見ていく上で、日本の会議の特徴を並べてみました。3つ並べたんですが、まず意思決定の場として、私たちは多くの組織において会議での評決を避ける。そして、会議じゃないところでの根回しによる決定が多いのではないかなと思います。冒頭の会議の種類で言うと、メインの会議体ではなくてサブ会議体でけっこう決まっているんですね。
続いて、意思決定の方法としては、会議はいつも全会一致であるという組織が多くないでしょうか。意外と反対者がいないみたいな。これって、普通に考えれば不思議なことですよね。たくさんの人がいるのに全会一致になるって、とても不思議なことです。
いざ反論みたいなことをすると問題視される、問題行為と見なされるみたいな。暗黙の理解があるのではないかなと思います。なので、あまり異論を投げかけにくいというのが意思決定の方法としてあると思っています。
最後、意思決定の根拠としては前例主義を重視される。「前はこうやっていたから、今回もこうするんだ」みたいな。問題と解決策のつながりがなく、論理性が軽視されている。そういった意思決定になっているんじゃないかなと思います。