【3行要約】 ・「成果は出しているのに評価されない」人と「手放したくない」と思われる人。その違いを生む要素には、スキルだけではありません。
・研修トレーナーの伊庭正康氏は、会議での「副作用」を考慮した発言や、チームの律速となる姿勢が信頼を勝ち取ると説きます。
・伊庭氏は、AI時代にこそ求められる、上司や組織から「代えがきかない」と全幅の信頼を寄せられるビジネスパーソンの習慣を紹介します。
前回の記事はこちら 会議の価値を高める「聞く姿勢」と「副作用の視点」
伊庭正康氏:(辞められたら困る人材になるための要素の)4つ目、ミーティングの姿勢、会議の姿勢。これね~、注意が必要ですよ。だめな例、いきますね。パソコンを見ながら、ながら聞き。オンラインミーティングでも、あれ、わかりますからね。「ああ、この人、ながら聞きしてるなぁ」。なんで。目が違うんですよ。目がもう、何かを読んでいるんです。わかるんです、それ。

あと、反応がない。無反応。会議でしゃべっている時に反応しない。あと、質問、発言もない。けれども、そこにいる。「なんでそこにいんねん」と。「発言も質問もせえへんのに」と、思う人は思う。あとは、建設的でない意見も言う。「でも、それってあれですよね」「どうせあれですよね」。もう、それは黙れってなっちゃいます。「それを今論じてない」という話になったりします。
そういう時にミーティングに臨む姿勢は違うってわかりましたよね。じゃあ、正しい姿勢にいきましょう。こちらです。聞く姿勢がまず違います。まず、話している人のほうを見ます。見ながら頷いたりとか、メモを取りながら見ていたりします。その時点でリーダーから見た時に「えー」ってわかります。もう見ている、聞いている姿が違うからですね。「お、すげえ」「いいな」と思います。
「じゃあ次、あの人に質問をあててみようかな~」なんて思ったりします。質問を振ってみます。「○○さんはどう思いました」って言って、本質を突く質問をしたりするんですよね。
「確かに、それをやるべきだと思いました。でも一方で、それをやることの副作用としてこんなことが起こりうるんじゃないかなと思ったんですけども、ちょっと私は考えがおよんでおらず、そこって××さん、どう感じていらっしゃいますか」「おお~」。
他の人が気づいていなかったところ(をわかっている)。これ、なぜできるかを言いますね。実践に向けて、本当にこれができるのかなという観点で聞いているからです。そして、メモを取るので「これ、本当できんのかな、これおっしゃったよね」「質問ある方いらっしゃいます?」「はい。よろしいですか。今、伊庭さんからは3つのこと、示唆をいただきました。1つ目が○○で、2つ目がこれで、3つ目はこれ」……という。
役員に叱られた過去から学んだ関心の示し方
「よく聞いてるじゃない」ですよね。だって、書いてあること読むだけですからね。「そのうち2つ目の○○のことなんですけども、これについてもし実践するとなった時に、こういった副作用が起こりうるんじゃないか」。今ね、副作用よく言ってますでしょう。副作用っていう言葉がね、けっこう使えるんですよ。
何かをやると必ず副作用が出ますよね。よく考える人は副作用も考えていると言うんですよ。副作用、考えてみてください。前向きなんだけれども、副作用を考えておくと(上司の評価が)「お、考えているなぁ~」になると思います。これもね、ちょっとしたテクニックですけどね。会議の価値を向上させてくれる人になるわけですよね。ぜひやってみてください。
ちょっと偉そうに言いましたけども、私はこれで失敗しておりますから、あえて言っております。私、現役の時、×でございました。PCを見ながら聞いて、上司からこう言われましてね。「伊庭、俺の話関心ねえだろ」「そんなことないですよ」。
これ、誰に言われたかというと、私が管理職の時に、役員に言われております。役員から「伊庭、ちょっといい?」。みんなの前で「伊庭。関心ねえだろ? 俺の発言」「いや、そんなことないですよ」。なんかおっしゃったんですよ。「いや、伊庭はさっきからぜんぜん聞いてないぞ」。
私が売り言葉に買い言葉で「そんな失礼なこと言わんといてくださいよ。ちゃんと聞いていますよ」って言った時に「じゃあ、ちゃんと聞く姿勢を取れよ」って言われたんですね。「伊庭は部下の前でもそういう聞き方をしているのか。自覚してる?」って言われたんです。「あ、あとで謝ろう」と思って、会議が終わってから謝りに行ったのを覚えています。「すみません。私、ちょっと気づけてませんでした」「伊庭、あれは大事だぞ」……。
別にね、何かキャリアに傷がついたことはありませんでした。でもね、こういうことなんですよ。なので×はけっこうアウトってことでございます。
早く来て早く帰る人がなぜ評価されるのか
5つ目、まだありますね。最後までお付き合いください。そんな中でお知らせを入れさせてください。私、書籍も書いております。50冊を超える本を書いてまいりました。
『リーダーの「任せ方」の順番』『強いチームをつくる! リーダーの心得』『ゼロからわかる チームのつくり方大全』などなど、さまざまな本を書いてまいりました。よろしくお願いします。
さあ、では、お待たせをいたしました。5つ目、早く来て早く帰る人。これが評価をされるという話をします。先ほど私、「遅く帰る人か早く帰る人か、どちらが評価されますか」と言ったんですね。はい、これね、こういうふうにもう思い込んでください。いや、思い込むというよりも、もう早く来て早く帰る人が正解ですから。
まず×から見ていきますね。間に合うようにギリギリで出勤。これを言うと「時間に間に合うように行ったらいいじゃないですか。早く来ること、別に会社に推奨されてませんよ」という質問が返ってきます。
もう、はっきり言います。人間の心理ってね、「早く来るやつ、がんばってる」って(思ってしまう)のはあるんですよ、やっぱり。「ギリギリに来るやつより早く来るやつのほうが主体的で前向きだよね」っていう心象があるんですよ。印象でもいいですよ。事実よりも心象、印象ってあるんですよね。そこをまず押さえてください。
そして、ギリギリに来る人が準備不足だったら「なんやねんあいつ」「やる気ない」ってなります。「責任感欠如」になります。「連絡した?」「してません」。たった1個の不足がギリギリ来る人は「なんやねんこいつ」ってなっちゃったりします。「脇、甘~」になります。そんな人がですよ、もし残業してたら「段取り悪~」なるわけですよね。
管理職が「残業する人」をリスクと見なす3つの理由
もう少し残業についてお話をさせていただきますと、私、管理職をやっていた時にこう考えてました。実は、残業する人はリスクなんですよね。
なぜかというと、だいたい不祥事というものは人があまりいない時間に起こるんですよ。1人か2人か、残業で必ず最後まで残る人っていますよね。管理職は、やっぱりリスクと考えるんですよ。少なくとも私は考えていました。なので、みんながいる時間に帰っても、何があるかはわからない。
あと、健康被害ですよね。その人が残った結果、顔色が悪くなってメンタルダウン。これはリスクですよね。そういったことも含めて、残ることはリスクなんですよね。いや、なんならコストもありますよ。1日8時間以上残業したら、(時間給が)1.25倍になりますね。「それ、1.25倍かけてでもやることか」っていう話になってくるわけですよ。
私の管理職時代の話を今、ちょっと持ち出しましたが、これは私だけじゃないと思います。やっぱり残業はリスクなんですよね。それを推奨する人がいたら、そういう会社ということでいいと思います。その場合はそれでいいと思います。一般論として、推奨する会社、あまりないと思います。
でも、それは会社の考え方なので、良い悪いは言いません。一般論としては、今の私のほうの考え方に近い会社が多いかなと思います。少なくとも私がお付き合いさせていただく企業さんは、先ほど言ったような会社さまがほとんどでございます。
チームのリズムを整える「ペースメーカー」としての振る舞い
じゃあどうすればいいのか。(スライドを示して)下ですね。スタートダッシュの責任感として、早めに来たほうがやっぱりいいかなと思います。心象の問題ですね。例えばですよ、リーダーになって、メンバーが仕事している時に、後からギリギリになってリーダーが来る。「あ、おはよう」「おはよう」「あ、おはようございます」「おはようございます」。こんなシーン、たまにありますよね。
そんな大臣のような振る舞いをしたら誰もついてこなくなります。それと一緒で、早めのほうがいいんですよね。あと、周囲の仕事のスピードを上げることにもつながります。早く来て早くやるので「じゃあミーティング、9時10分からやりませんか」「早!」ですよね。
あと、生産性の手本になる。早く切り上げたらどうでしょう。「あの人、時間内に帰るよね」「時間内に終えるよね」。その間、濃密な仕事をしてるんですよね。
……ということは何かというと、朝早めに来て準備をガンと済ませた。「じゃあ、9時10分からミーティングをしよっか」「いや、9時10分まだちょっと早いですよ」「いやいやいや、もう9時10分からやろうぜ。9時が始業だからさ」ということですよね。あと帰る時は「そろそろ終わろうぜ、18時になったらもう終わりだけど、みんなは大丈夫?」みたいなことをやりながらチームのリズムを整えていくわけですよね。
これを見た時に管理職は「あぁ、チームのペースメーカーになってくれているな」ということを思うわけですよ。ですから今、5つのこと言いましたが、そんな大層なこと言っておりません。できる範囲でやってみてください。それだけでね、半年もすればガラッと変わります。
朝一番の出勤が運んできた、思いがけないチャンス
私、1個バカな話をしていいですか。営業時代だったか、営業課長時代だったか、うろ覚えなんですけれども、朝早かったんですよ。夜はぜんぜん残業しないんですけどね。
するとですね、そこの支社長さんが「伊庭は朝早く来て、1番に行ってるんですよ。がんばっているみたいだ」。心象ですよね。僕はがんばっているわけじゃなく、残業したくないんですよね。そんなことがあって「いや、残業したくないだけですから」「その姿勢が大事なんだ。ちょっと1度、飯行こう」ってなりましてですね。「もうぜひぜひ」って言って行ったところに、実は役員の方がいらっしゃったんですね。
「あぁ、一度紹介します。伊庭です」「あ、伊庭と申します。よろしくお願いします」「伊庭は誰よりも早く来て、そしてスタートと共に仕事をバシッとやって、いいリズムを作ってくれてるやつなんですよ」「やるね~。実はそういうこと大事なんだよ」。
その効果があったかどうかはわかりませんが、(その後に)急にチャンスが来ました。心象って大事だなぁと感じた出来事がありました。
信頼を勝ち取る習慣を始めよう
止めますね。今日、何のテーマでした? そうです、そんなに成果が突出しなくても、「この人は辞めてほしくない」「大事だ」と思われる行動・習慣のことでしたよね。5つ、ぜひやってみてください。私も、「なんとなくそうじゃないかな」と思うことがちょっとあったもんですから、このテーマにさせていただきました。
また、私のお付き合いある企業さまのお話を聞いても、そこに本音があることも意外とありします。
締めていきましょう。このチャンネルは、このように本物のTipsを紹介するチャンネルです。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いします。では、次回の動画でもお会いしましょう。では。