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【人事の裏側】伊藤忠で人事22年!採用担当者が語る【面接官の心をつかむ「ガクチカ」の伝え方 】リアルな学生の疑問にも答えました(全3記事)

伊藤忠で22年人事をしてきてわかった「優秀な学生」の3つの特徴 ES・面接で見ているポイント

【3行要約】
・商社の内定を左右する「リーダー経験」「思考力」「人間力」の3要素について解説します。
・元伊藤忠商事の佐野智弘氏は、AI作成のESを否定しない一方で、面接官の「なぜ?」という鋭い深掘りや、タフなグループワークでの合意形成には通用しないリスクを指摘します。
・「1文1メッセージ」を徹底するコミュニケーション術など、借り物の言葉ではない「自分の言葉」を磨き、面接官に「一緒に働きたい」と思わせるための本質的な準備の重要性を説きます。

前回の記事はこちら

元伊藤忠の人事が明かす「優秀な学生」の3つの特徴

毛利氏(以下、毛利):商社に入れる人って、学生から見たら「優秀だな」と思いますが、実際に商社の方から見た優秀な学生の定義ってありますか?

佐野智弘氏(以下、佐野):いろんな視点があると思いますけど、商社って、基本チームで動くんですよね。チームで、自分なりの役割を果たせるようなチーム経験が豊富な人は、優秀だなと思いますね。それもリーダーとしてですね。それは役職がなくてもいいんですよ。リーダーというのは、チームの中で自ら課題を見つけて、周りの人と一緒に課題を解決していく。

そういった人がリーダーだったとしたら、そういうリーダー経験が豊富な人は、すごくいいかなと思いますし、あとは思考力ですね。考える力が強い人のほうがいいかなと思います。エピソード的なものもそうですし、ESのわかりやすさ。バーッと読んだ時に「すごくわかりやすい文章を書くんだな」と、そこから頭の良さもわかります。

あとはコミュニケーションです。理路整然としてわかりやすいなというね。なので、そういう地頭の良さみたいな、思考力があるような人もいますね。あとは何と言っても人間力ですね。そこが高い人が多いかな。この3つぐらいです。

AIを使ったES、どう思う?

毛利:ESの話が出てきたと思うんですけど、今「ES 書き方」とか「ES サポート」って検索したら、だいたいAIがサポートしてくれるじゃないですか。

佐野:(笑)。

入江美寿々氏(以下、入江):(笑)。

毛利:「ESを書くのも、ほぼAIがやっている」みたいな話もチラホラ聞くんですけど、そこに対してはどう思いますか?

佐野:「悪いことじゃないかな」と思いますね。AIの力を借りながら、就活をするのはいいかなと思いますけど、目的ですよね。要は、きれいなESを書くために使うのは、ちょっと反対かな。ただ、自己分析を深く広くやっていったり、業界・企業研究をしていったり、そういった点で活用していくのは、いいかなと思いますね。

それを「地道にやっていかないと何が起こるか?」というと、面接の時の深掘り質問に対応できなくなっちゃうんですね。表面的なところはAIが考えてくれますけど、面接ってそれだけじゃないじゃないですか。「なぜ?」って聞かれて、それに対して答えて、その答えに対して、さらに「なぜ?」と。それで「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と、そういうふうに面接は進んでいくんですよね。

AIに頼っていると、その深掘り質問に対応できないデメリットがあります。もう1つ、最近商社はインターンを経由して採用する割合が増えてきているんですよね。かつては面接が30分・3本勝負みたいなかたちで、面接だけで内定が決まっていたんですけど、今はプロセスの中にインターンが加わっているケースも増えてきています。

商社の場合、だいたい3日間から5日間ぐらいの期間で、5~6人のチームで新しいビジネスを考えていくという、けっこうタフなインターンを求められることが多いです。そこではやはり自分で考えていく力であったり、チームで1つの意見をまとめていくような合意形成力。こういったものが発揮されないと評価されません。

それはAIでは、ちょっと難しいかなと思いますね。上手に使うのはいいと思いますけど、頼り切っちゃダメかなと思います。

コミュニケーション力の鍛え方

毛利:インターンのグループは、だいたい何人ぐらいでどういう構成のされ方をするんですか? 自分がこの前、学生でイベントを作ったんですけど、学生のグループを作る時に、MBTIを聞いて構成していくみたいな。

佐野:そうなんですか。

毛利:ESを見て「このグループにしたほうがいいな」とかで決まっているんですか?

佐野:今のは聞いたことがないんですけど、私が知る限りわりと似たような属性で固めているというのはありますね。例えば理系院生だったら、理系院生のグループ。体育会系だったら、体育会系のグループ。グローバル系だったら、グローバルという。同じような土俵の人たちを集めて、そこで比較するようなことをやっているみたいですね。

それか、もう全く何も考えずにバーッとランダムに入れていくというのがあるかもしれないですね。

毛利:インターンと面接をしていく中で、コミュニケーション能力を求められると思うんですけど、どういう練習をしていけば、学生はコミュニケーション能力を高めていけるんですか?

佐野:もう慣れるしかないかなと思いますね。コミュニケーション能力って、前提としては自分の言葉で語るっていうね。借り物の言葉でそれなりに話をするというのじゃないので。まず自分の言葉で話していくのが、第一ですね。ふだんから気をつけるしかないかな? よく言われる結論ファーストって質問に対して結論で答えていく。それで、できる限りそういうふうにしていったりとか。

結論だけだと伝えたいことの半分ぐらいしか伝わらないけど、方向性は伝わりますよね。でも、補足説明をしていかないと、なかなか言いたいことが伝わりませんから。なので結論プラス補足説明、これを常にセットで話していくとか。補足も、細かいところまで話していって「お腹いっぱいだ」というぐらいまで話すんじゃなくて、全体の腹8分目ぐらいのイメージでね。

「これぐらいでいいかな?」というところで、ボールを返していくような。「もうちょっとほしいな」といったら追加で質問が来るし、「もうこれで十分だ」といったら次の質問が来る。ということで、ふだんから気をつけなきゃいけないかなと思いますね。

「1文1メッセージ」が重要

毛利:結論ファースト以外で、気をつけるべきことってありますか? 抽象と具体とか。

佐野:抽象的な話をすると全体像が見えてきて、具体的な話をすると細かい詳細が見えてくるじゃないですか。どっちかだけでもダメですよね。それを両方組み合わせていくことが大事です。よくあるのは、抽象でも具体でもない、その間ぐらいの話をグダグダとするような人って、いるじゃないですか。それってなんかわかったようでわからなくて。なぜなら全体もわからないし、詳細もわからない。

中間のことをずっと話しているからなんですね。そうならないように気をつけたほうがいいというのはあります。また、1文の長さを気をつけたほうがいいかなと思いますね。1文1メッセージのほうがわかりやすいです。よくいるのが、「。」で閉じずに「、」でつないじゃって、前半で言っていることと、後半で言っていることが違うってことがあるじゃないですか。

そうすると、この2つの関係性が見えてこないことがあって、やはり1文1メッセージで「。」で閉じて、接続詞を挟んで、また1文1メッセージで続けていく。そうすると、前の文と後ろの文の関係値が見えてきますからね。そういったことも気をつけたらいいかなと思います。

毛利:コミュニケーション能力がないと、せっかくガクチカとかですばらしいことをやっていても、それが正しく伝わらない状態になる。

佐野:そうなんですよね。もったいないですよね。

「自己PR」と「面接官が受けた印象」が合致しないケースが多い

毛利:コンテンツと、印象と、コミュニケーションが1:1:1……。

佐野:そうですね。よくあるのがコンテンツと、印象面が合致しないケースがあるんですよ。わかりやすい例で言うと「人の懐に入るのが得意で、初対面の人ともすぐに仲良くなれます」。そういうコンテンツがあったとするじゃないですか。でも印象面を見たら「本当か?」という人がいるじゃないですか。「懐にぜんぜん入ってこないぞ!」とかね(笑)。

入江:(笑)。

佐野:そうすると「面接官がどう感じたか?」が、正しくなっちゃうわけですよね。「これだけコンテンツでこう言っているけど、印象面からそう感じなかったから「そういう人ではない」と面接官が判断しちゃうわけですね。それが正になっちゃうんですよ。コンテンツと、コミュニケーションと、印象。これは一貫していないと、なかなか伝わらないかなと思いますね。

毛利:そこの一致がすごい大事ですね。ジャイアンが「僕、優しいです」みたいなことですよね。

佐野:そうそう(笑)。

入江:佐野さんどうですか? 大学生の毛利くんからの質問。

佐野:しっかりしていますよね。ぜひ商社を目指してください。

毛利:がんばります(笑)。

入江:海外留学とかも行くんですよね?

毛利:そうですね。

佐野:ぜひぜひ、日本人ばかりとつるまないでくださいね。現地のコミュニケーションに入り込んで、現地の人たちとお付き合いください。楽しんできてください。

入江:今回は佐野さんに、面接官の経験が非常に豊富ですので、「面接官が、就活生をどういうふうに見ているのか?」というところで。いろいろな基準とか、具体例を挙げて説明していただきました。佐野さん、そして毛利くん、ありがとうございました。

毛利:ありがとうございました。

佐野:ありがとうございました。

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