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【人事の裏側】伊藤忠で人事22年!採用担当者が語る【面接官の心をつかむ「ガクチカ」の伝え方 】リアルな学生の疑問にも答えました(全3記事)

商社の「ブランド力」に惹かれて入社する人の落とし穴 商社で働くメリット・デメリット

【3行要約】
・「商社に向いているか」を早期に決めつける必要はなく、自己分析と業界研究の両輪を回しながら、3年生の秋までに「自分と業界の重なり」を広げていく姿勢が重要です。
・元伊藤忠商事の人事・佐野智弘氏は、ブランド力や高年収のみを追う「入社がゴール」の学生に警鐘を鳴らし、商社ならではの「海外駐在」や「正解のない課題解決」の醍醐味を説きます。
・内定獲得に向けた具体的なアクションとして、1日30分の「自分史」作成による徹底的な自己理解と、ニュースに対する自論形成を今すぐ開始することを推奨しています。

前回の記事はこちら

商社の向き不向き、どう考える?

入江美寿々氏(以下、入江):今回は、弊社クロスメディアにインターンで来ている大学生の方がいるので、このあと参加していただいて、佐野さんに(質問を)特別に。普通だったらお仕事でされていることだと思うので、贅沢ですよね!(笑)。

佐野智弘氏(以下、佐野):そんな、ぜんぜん(笑)。

入江:直接佐野さんに質問をしてもらって、進めていきたいと思います。ではここからは、大学2年生の毛利くんに入っていただきます。お願いします。

毛利氏(以下、毛利):大学2年生が商社に就職をしていくにあたって、いくつか質問させてもらえればなと思います。「商社に向いている人、向いていない人っていうのがあるのかな?」というのが気になったので、お聞かせ願いたいです。

佐野:入口のところで絞らなくていいかなと思いますね。きっかけは何でもいいんですけど、商社に興味を持つことがまず大事かなと思います。就活していく上で一番大事なのが、自己分析と業界研究じゃないですか。それをまず先に始めたほうがいいかなとは思うんですよね。

つまり、自分をよく理解しないまま「ここの業界がいいのか・悪いのか?」って、なかなか判断できないじゃないですか。自己分析と業界・企業研究の両方を進めていった上で、3年生の秋ぐらいにどうするかを決めたらいいかなと思いますね。

興味を持つのは、すごく大事ですね。自己分析と業界研究を進めていって、加えて3年生のサマー(夏)インターンですね。ここは幅広い業界を出したほうがいいかな。それでいろんな業界を見て、志望する業界を絞っていく感じがいいです。あまり今のうちに向いている・向いていないって判断しないほうがいいと思います。1つあるわけじゃないのでね。

「ブランド力」に惹かれて入社する人の落とし穴

毛利:自己分析と業界分析を始めるにあたって、商社で働くことのメリットだったり、デメリットもあれば聞きたいなと思っています。

佐野:表面的なメリットとしては給料が高いとか、ブランド力があるとかですね。そういうことはよく言われていて、それはそのとおりだと思います。ただ、そういうメリットに惹かれて商社を志望する人って、入社がゴールになるケースが多いんですよね。仮に内定が出ても、それで満足してしまって、そのあとに成長意欲が下がったりとか、仕事をまじめにやらないとか。

僕は何人も見てきていますけど、決してそうなってほしくないなと思います。私が一番いいなと思うのは、海外駐在の機会があることですね。もちろん日本で働くのも大変ですけど、海外で働く経験ってなかなか誰もが得られるものでもないです。海外はいいですよ。視野が広がりますし、人脈も広がりますし、そういう経験をするのはいいと思います。

商社って、他の業界ができないようなことに挑む業界でもあるんですよね。他の業界って事業領域が決まっていたり、商材が決まっていたり、課題を解決するやり方もある程度固定されています。商社は商材を持っていないので、どんな社会課題に対しても取り組めるし、その解決方法も無限の選択肢からベストなものを選択できます。

かつ、解決しようとしている規模も大きい。そういう仕事のやりがいは、大きいかなとは思いますね。

伊藤忠で20年働いて「本当に良かった」と思えること

毛利:今たくさんメリットをお話いただいたんですけど、20年ほど商社に関わられて、その中で一番「楽しかったな」とか「本当に商社で働いていて良かったな」みたいなエピソードってありますか?

佐野:私は人事サイドなんですけどね。ニューヨークに合計7年ぐらい駐在していまして、若いうちにトレーニーというかたちで、研修生で1年間いて、1回帰国をして中堅になった時に今度は駐在員、マネージャーとしてニューヨークに赴任をしました。

駐在員まわりの仕事が多かったんですけど、駐在しなかったらできなかった仕事が2つあります。1つは、グループ会社のトップマネジメント層のインセンティブの制度を作るという仕事があって。インセンティブというのは、言い換えるとボーナスみたいなものなんですけど、どうしてもアメリカの経営者って、短期目線になるんですね。

決算があって、そこで目標を達成して、たくさんインセンティブをもらうというマインドなんですよね。それはそれでいいと思うんですけど、商社の場合、もうちょっと中長期的な目線で将来に向けた投資をしたりですね。時間はかかるけど、既存のビジネスを磨いていったり、そういう仕事も大事なんです。

短期的な利益を上げていくというインセンティブと、長期的な種まきのようなものを両立するようなインセンティブ制度を考えたというのは、すごくやりがいがありました。もう1つは、デューデリジェンスです。

M&Aをしたり、投資をしたりする時に「その対象となる企業が、本当に相応しいかどうか?」を事前に審査するようなプロセスで、それをデューデリジェンスというんです。そこのHR、人事領域を任された仕事がけっこう良かったですね。そこの経営者の能力的な判断とか、経営陣のチームワークとか、法令違反がないかどうかを、事前に調べるんですよね。

そういった仕事って日本ではできなかったので、海外ならではの仕事かなと思いますね。

入念に事前調査する日本企業と、「まずローンチさせる」アメリカ企業

毛利:日本の企業に勤めた上で、アメリカで働いていたと思うんですけど、外から見る日本企業の働き方って、アメリカと比べてけっこう違ったりするんですか?

佐野:「人事システムを作る」というテーマがあった時の、日本とアメリカの違いで言いますと。日本は事前に「どういう機能が必要ですか?」「どういうことがあったらいいですか?」というのをヒアリングして、それを盛り込んだかたちでシステムを作ります。スタートする前に検証をしたり、「大丈夫かな?」というのをやった上でスタートするという、準備をしっかりやるような。

これが日本の会社だとすると、アメリカの会社は(まず)スタートするというのがあるんですね。おもしろいですよ。「ローンチしました!」みたいな。「何か要望あったら言ってください!」と言って、(チームが)いろんなことを言ってくれて「わかりました。じゃあ、それを付け加えます」。(それで)完成していくという違いがありました。

ですので、スピード感がぜんぜん違くて、僕はアメリカのほうが「スピード感があっていいかな」と思いますけどね。

1日30分「就活」のための時間を作る

毛利:これまで商社の人は「すごく楽しそうだな」という印象があったんですけど、もし大学2年生がこれから商社を目指すとなった時のプロセスみたいなものって。今が12月だとしたら、時系列順にやっていくべきことがあれば教えていただきたいです。

佐野:今熱中していることを、とことんやってほしいなと思いますね。就活以外で長期インターンでも、体育会系でも、バイトでも留学でもいいですよ。 どうしても就活が頭をちらつくと、(やることが)就活にいっちゃいますよね? それもいいんですけど、熱中して、そこから成長していくというのは、すごく大事だと思うので、とにかくやりたいことをやってください。

その上で1日30分でもいいので、就活に時間を割いていくのがいいかなと思います。就活に関しては、今やるべきことは2つ。1つは自分史を書いてくださいということです。

自己分析を今後徹底的にやっていくと思うんですけど、その自己分析の基礎となる部分ですね。つまり、自分の年表を書いてみるということです。0歳で生まれて現在に至るまで、どんな出来事があって「それをなぜ始めたのか?」ということと、その出来事があって「どんな学びがあったか?」。そういう経験面の話と、環境面ですね。どういう環境で育ってきたのか。

それは家庭環境もあるし、学校環境もあるし、友人関係もありますよね。なのでそういった経験面と、環境面を時系列に書いてみる。だからこそ「今、自分はこういう人間なんだ」と、自分を定義づけていく。これはできるだけ早めからスタートしたほうがいいかなと思いますね。わからなかったら親に聞いてみるとか、その時の親友に聞いてみることで、書き始めたほうがいいかなと思いますね。

「志望理由」の見つけ方

佐野:もう1つは、やはり世の中のことをよく知ることが大事かなと思っています。「世の中がどうなっているか?」って、あまり理解していない人が多いです。ニュースを見たり最初は読んで理解するので精いっぱいだと思います。ただ、いずれ慣れてきたら、それに対して「じゃあ、自分はこう思う」というのを、自分の意見を考えていくことをまず、今の時期から始めたほうがいいかなと思いますね。

3年生になったら、自分史でだいたい固まってくるから、それでガクチカを考えたり、「自分らしさを表すキーワードをどうしようかな?」と考えていって、自分という円(自己理解)をどんどん大きくしてほしいなと思うんですね。自分を深く広く理解することをやっていくと。一方で、こっち側の円(業界理解)には商社業界の理解とか。

商社ですと7大商社ってありますから各社の理解を進めていって、こっち側の円も、業界企業研究を通じて大きくしていきます。だいたい大きくなったと思ったら、重なり合う部分を見つけだしていくわけですね。「自分のここの部分と、商社のこの部分が重なるな」という重なる部分を見つけていく。それが志望理由です。

なので、まず両方の円を大きくして、ある程度大きくなったら、重なる部分を見つけていくことを、春から秋にかけてやっていったほうがいいかなと思いますね。私の意見としては、サマーインターンに出て、いろんな業界、いろんな企業を受けたほうがいいかなと思います。受けることによって「ここの業界はおもしろそうだな」というのもあれば「ここはちょっと自分に合わないな」というのが見極められますから。

「違うな」というところは受けなきゃいいし、「いいな」と思うところは、もっと深掘りしていけばいいと思います。

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