【3行要約】
・目に見える打ち手にとらわれ、根本的な問題解決ができない――多くの職場で「問題解決もどき」が横行しています。
・すべての仕事は問題解決であり、「あげよう」フレームワーク(あるべき姿・現状・要因・打ち手)が重要だと豊間根青地氏は指摘。
・まずは打ち手から考えるのではなく、「あ・げ・よ・う」の順番で思考整理し、4要素の対応関係を確認することから始めましょう。
「あるべき姿・現状・要因・打ち手」の頭文字を取った「あげよう」
豊間根青地氏:この動画では「あげよう」という、仕事を進める上でめちゃくちゃ有用なキーワードの解説をしていきたいと思います。
「あげよう」というのは、「あるべき姿・現状・要因・打ち手」の頭文字を取って略した言葉です。要は今よりすてきな未来を何か描いて、それを実現していく。要は問題解決なんだけども、そのための思考整理とか説明に使うフレームワークです。問題解決とかギャップ分析と言われるようなものを略して「あげよう」と言っています。

どんなシーンで使うかと言いますと、提案資料や企画書を作る時や、何か部とか個人の活動計画を考える時。あと、自分の思考を整理する時とかに使えます。

なぜこれが重要かというと、我々のすべての仕事というのは「問題解決」なんですね。問題解決という全体像があります。その全体像のうち、1個でも要素が欠けるとうまくいかなくなるので、「あげよう」というフレームワークで全体をちゃんと正しい順番で押さえることがすごく大事なことになります。
我々の仕事はすべて「問題解決」である
みなさん、こんなことはないでしょうか? 「これ、何のためにやるの?」「これ、本当に必要なの?」「で、結局何をやるの?」と言われちゃう。「やったほうがいいな」と思っているんだけど、上司に提案しても「要らない」「あなたの仕事じゃないでしょ?」と言われちゃうみたいなことがあると思うんですね。これをどう切り抜けるかという話です。

まず、我々の仕事というのは、全部「問題解決」なんですね。ちなみに問題解決された先を「あるべき姿」と定義するか「ありたい姿」と定義するかって、けっこう派閥というか意味がかなり変わってくるんですが、「あげよう」ではいったん基本的には「あるべき姿」と定義しています。
あるべき姿と現状とのギャップを明らかにして、それを埋めることです。「こういう状態のほうがハッピーじゃね? 今はこうだよね。ということは間にギャップがあるから、それを埋めるためにこれをやろうぜ」というのが問題解決なんですね。

我々の仕事って、全部問題解決なんです。例えば、この動画を作ってみなさんに見てもらうということも、「あげよう」というフレームワークの重要性・有用性が、みなさんにバキバキに伝わっている状態にしていきたいために(やっています)。
「『あげよう』って何やねん。知らねぇし」と思っている状態の方たちに、この動画を見てもらうことによって、「なるほどね。よし、じゃあ今日から使おう。考えてみよう」と思っていただくために、この動画を作っているわけです。

というふうに、我々の仕事を抽象化すると、「この状態になりたいじゃん。でも今こうじゃん。ということはこれをやろうぜ。この状態に持っていこうぜ」と。全部こうなんです。我々のすべての仕事は問題解決です。
「あげよう」は医者の診察・診断と同じ
これは言うなれば医者です。元気モリモリがあるべき姿なんだけども、現状は体調が悪いです。どこかが悪いです。(なので)それを診断して、「どこが悪いんですか」という要因を特定して、治療という打ち手を実行する。実は我々は医者なんですね。

この時に「あげよう」が重要になります。あるべき姿を定義して、現状を客観的に把握して、ギャップが生まれている要因を分析して、ギャップを埋めるための打ち手を設計・計画して、実行していく。これを略して「あげよう」と呼んでいます。

医者であれば、まず「いつまでにどういう状態になったらいいのか」を定義するわけですね。「仕事に支障が出るから、少しでも早くこういう状態、元気になりたいですよね」と。

次に、現状をなるべく客観的・具体的に把握します。「診断しましょう。どれどれ。なるほど。どうも胃に何か不具合がありそうですね」と。

で、「どこに要因がありそうなのか」を分析するわけですね。「じゃあちょっと診てみましょうか。あ、炎症が起きていますね。これはたぶん飲み過ぎじゃないですか?」と要因を特定する。

そして、そのギャップを埋めるための打ち手を設計して実行していく。「お酒を控えて、この薬を毎食後飲んでください。2週間後また来てください」というふうに、あるべき姿に対して打ち手を設計して実行する。

これがまさに、あるべき姿・現状・要因・打ち手の「あげよう」です。

この4要素のどれか1個でも欠けると、問題解決はなかなかうまくいかなくなるんです。なので、全部をちゃんと押さえられるように、略すと覚えやすいのと、ついでにテンションもあげようぜということで、「あげよう」と略しております。
心に「あげよう」がないとどうなるか
心に「あげよう」がないとどうなっちゃうかというと、例えばある営業の人がいます。今期の個人目標が未達になりそうです。もっとがんばらないといけない。どうしますか? という時にありがちなのが、「打ち手」なんですよね。
とにかく訪問しまくる。アポを入れまくる。特に営業の方、あるいは企画系の方とかであれば行動量は大事なので、これが普通に解決になるパターンもけっこうあるんですけど、行動すればするほど成果につながるっていうわけじゃない時って、打ち手から始めるとうまくいかないことがけっこうあるんです。

ただ、我々人間というのは目に見えるものにとらわれがちな生き物なので、やはり目に見える打ち手についつい気を取られちゃうんだけども、これって先ほどのお医者さんの例で言ったら、言うなればいきなり手術する医者なんですよ。
「体調が悪いんですか? ちょっとよくわからないんですけど、とりあえず腹をかっさばきますか。1回切ってから考えましょう。効くかわからないですけど、この薬とこの薬を飲んでおいてください。わからないですけどね。気持ちの問題かもしれないですね。旅行に行ったらどうですか?」と医者が言ってきたら、ブチ切れるじゃないですか。「待て待て。俺の腹を勝手にかっさばくな」となりますよね。

これと一緒なんです。我々が仕事ですぐ打ち手にいっちゃうというのは、いったん腹をかっさばいているのと一緒なんです。「メスを持たずにいったん考えましょうよ」ということなんですね。