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成長が止まる本当の理由は 「スキル不足」ではなく「メタ認知」にある(全4記事)

管理職が部下育成の前に“自分をメタ認知”すべき理由 マネジメントスキルを伸ばす3つのステップ

【3行要約】
・AIを武器にするリーダーと、情報に振り回されるリーダーの違いは、スキルの習得ではなく「メタ認知」という器の大きさにあります。
・手嶋武久氏は、AIを教師にするのではなく「壁打ち相手」として評価できる「自己主導型」の姿勢が生産性を生むカギだと語ります。
・自分や他者の思考をどう構造化し、納得感のある組織を作るのか。プロジェクト・セルフ・メンバーの3領域を統率するための実践知を紹介します。

前回の記事はこちら

フィードバックはメタ認知を促す強力なきっかけ

手嶋武久氏:あとは、もちろん内省もそうですね。「自分は今日1日で何が成長できたのか?」っていう、自分自身に対しての問いのところ。人はこの自問自答が自然と起きる状況の中でどんどんメタ認知が進んでいくので、問いが立てられるというところが、メタ認知の(成長に関する)かなり密接なキーになっています。

コーチングがパフォーマンスを引き出すというのも、結局は問いに対して答えることの連続だったりするので、このメタ認知との相関があるからかなと思っています。

他人からの問いかけの話で、さっきお伝えしたコーチング、あとはフィードバックもそうですよね。自分のお客さんの経営者の方とかがセッションの最初によく「いやぁ、なんだかぜんぜん(成長が)進んでいないですよね」って言うんです。

だけど、セッションをしていく中で聞いていくと、「いや、これもあれも、めちゃくちゃトライしているじゃないですか。僕から見たら、めちゃくちゃやっていますよ」って言うと、「あぁ。確かにそう言われると、そこは自分の中でカウントしていなかった」みたいな話をされるんですよね。

というふうに、ただただ僕が思ったことをお伝えするフィードバックがあるだけでも、自分自身をメタ認知するきっかけになります。なので、実はフィードバックもメタ認知の1つのキーになり得るところがあったりします。

生成AI時代こそメタ認知の差が生産性を分ける

ちょっと角度を変えた話なんですが、メタ認知と生成AIの関係ですね。「生成AIは能力を代替しない」と書いてあるんですけど。これはMIT、マサチューセッツ工科大学の実験で、おもしろいなと思ったものです。

(実験の被験者として)生産性が低い人と高い人がいます。「生成AIを使っていいよ」ってなった時に何が起きたかっていうと、(スライドを示して)こんな感じでパフォーマンスが上がったんですね。生産性が低い人はちょっとしか上がらなくて、生産性が高い人は爆上がりするっていう状況が生まれました。

これが何を意味するかっていうと、生産性が低い人は、他者依存段階にあると言うことができるかなと。利己的とか、もっと低いかもしれないですけど、いったん他者依存としておきます。そうすると、正解を求めちゃうんですよね。生成AIを教師化してしまうと、やはり言いなりになっちゃいますよね。

一方で、自己主導段階の人だと、「自分はこうしよう」っていう意思決定ができるので、仮説を持っています。なので(生成AIから)出てくるものを評価することができます。だから壁打ちした時に、すごく生産性が上がる状況が生まれます。

他者依存の人だと、自分で決められないじゃないですか。そうすると、情報があり過ぎて、「どれがいいんだっけ?」って選べなくてあたふたする「認知的迷走」というものを引き起こします。もうお腹いっぱいで食べられないのに、さらに食べ物を突っ込まれるような状況になっちゃうので、生成AIをうまく使いこなせない。

だけど自己主導の段階になってくると、AIの価値を最大限に引き出すことができる。こういう変化が起きてくるところがメタ認知と生成AIの関係です。じゃあ、生成AIを使いこなそうとした時に何が大事か。みんな「プロンプトを学ぼうぜ」って言うんですけど、そうじゃないと思っていて。

メタ認知をちゃんと伸ばさないと、(むしろ)生成AIに使われてしまうことが起きるので、まずはメタ認知を伸ばしていくほうが大事ですよっていう捉え方があるかなと思っています。

メタ認知を実務に生かす3つの領域

ちょっと最後に少しだけ技術の話をできればなと思います。(ここまでの話で)メタ認知をどうやって伸ばすのかもわかりました。「じゃあ、どういう領域で伸ばすの?」っていう話なんですけど、3つあると思っていて。

1つがプロジェクトのマネジメント。プロジェクトをメタ認知するという考え方ですね。もう1つが自分をメタ認知する、セルフマネジメントの考え方。最後が人をメタ認知するメンバーマネジメントという考え方かなと思っています。

プロジェクトのメタ認知ができると、プロジェクトに対してちゃんと構造的理解ができる。なので、セルフマネジメントや自分をメタ認知することができると、人の構造的理解に対して受容できるようになるんですね。

「自分がこうだ」っていうことがまずわからないと相手の話が入ってこないので、「自分はこうだけど、相手は違うんだな」ということの素地を作っていく必要がある。最後に、「この人ってどんな構造的理解をしているかな?」ということを質問しながら手に入れていく必要があるので、それをするための問いかけとしてのコーチング的なスキルが(覚える順番は)最後です。

この順番もけっこう大事かなと思っています。(最初に)対人マネジメント、このメンバーマネジメントを覚えたいっていうマネージャーの方がけっこう多いんです。

もちろんそれも超大事なんですけど、対人支援って結局は目の前の人の2つの領域のことを扱うんですね。1つが、目の前の人のうまくいっていない問題解決をお手伝いするか、感情がぐちゃぐちゃで意思決定できない状況をお手伝いするか。基本的にこれのどちらかなんですよ。

なので、そもそもマネージャー自身がプロジェクトをメタ認知することができないと駄目だし、自分自身の感情をメタ認知していないと駄目なんですよね。

プロジェクトマネジメントの基準は「やり方」と「進め方」の合意

となってくると、まずはマネージャーが高い次元でプロジェクトマネジメントとセルフマネジメントをできるようになって、そのスキルセットを持って人のことをメタ認知するようにしないと駄目だったりします。やはり、対人支援は最後に求められるレベルなんじゃないかなと思っています。

(スライドを示して)いつも手嶋がお伝えしている基準値でいくとこんな感じだと思っています。対課題力、プロジェクトマネジメントでいくと、「やり方」と「進め方」という、この2つの合意形成が常にできている状態が望ましいと思います。

「プロジェクトを進めるためにはどういうふうにやるのかな」っていうやり方と、進め方ですね。「このスケジュールでやるよ」というところは、関係者の全員と合意形成が取れていないと、みんながあっちこっちにいったりして収拾が付かなくなってしまって、プロジェクトが空中分解してしまう可能性が高いです。

そういうことをなくすために、常にやり方と進め方の合意形成までができている。これが、プロジェクトをちゃんとメタ認知できている状態だと思っています。

セルフマネジメントでいくと、自分の自己開示ですね。これができる状態がすごく大事かなと思っています。自己開示っていうのは、自分自身が今どういう状態なのか(を周囲に示していくことです)。

セルフマネジメントの基準は「感情と思考の自己開示」

例えば、すごく悲しく思っているのか、寂しく思っているのか。(同じ)ネガティブな感情でも、ちょっとニュアンスが違うじゃないですか。それを人に説明できるぐらい自分の感情を言葉にできるような、自分をちゃんと捉えられていないと自己開示できないんですね。

「なんだか寂しいと思っています」とだけ言われても、みんな困るじゃないですか。となってくると、「なぜ寂しいと思ったのか」っていう思考のプロセスも開示する必要があるんですね。なので感情と思考のプロセスの2つをしゃべることができる、自己開示できるレベルまで自分自身を見てほしいと思っている。というところがセルフマネジメントの求めている基準値かなと思います。

これが特に高い水準でできるリーダーは、「いや、俺ってこういうところが弱いんだよね。だからみんなも手伝ってね」とか、「だからみんなと一緒にやることで僕も成長しようと思っているんだよね」っていうふうにして、人からの支援を引き出すことができるようになるんですね。なので自己開示はめちゃくちゃ重要だと捉えています。

メンバーマネジメントの理想は“評価に納得感がある状態”

3つ目がメンバーマネジメントです。会社の評価面談で6ヶ月、半年に1回ぐらい、「あなたの評価はA評価です」「S評価です」とかって評価をお渡しするんですけど、その時に目の前の人が「ですよね」と言うことが、メンバーマネジメントがめちゃくちゃできている状態だと思っています。

これは何かというと6ヶ月間、毎回すり合わせができているんですね。「今のあなたの評価はここだよね。僕の期待値はここだよ。ずれているね。どうやって埋めようか?」っていう話がずっとできている。だから6ヶ月経った時に「A評価だよ」って言われたら、「あぁ、そうですよね。今回はあれができていなかったですもんね」みたいな会話がちゃんと成り立つ状態にあることが大事で。

これができていないと評価面談で「なんでなんですか? 僕、めっちゃやっていたじゃないですか」みたいな話になって決裂してしまう。これは、メンバーマネジメント、メンバーの高い次元のメタ認知ができていないと捉えられると思っています。

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