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成長が止まる本当の理由は 「スキル不足」ではなく「メタ認知」にある(全4記事)

ホワイトな職場で成長が止まる人と伸びる人の差 “厳しい上司”がいない環境にこそ必要なメタ認知の鍛え方

【3行要約】
・同じ仕事をしても「劇的に成長する人」と「停滞する人」の差は、経験をどれだけ知見に変えられるかという「転換率」にあります。
・手嶋武久氏は、成長のためにはあえて困難に挑む「健全な不安定さ」と「深い内省」が必要だと指摘します。
・手嶋氏は社会のホワイト化で成長機会が減る今、自らを「自己主導型リーダー」へと引き上げるための、メタ認知を育む具体的な思考法を提示します。

前回の記事はこちら

今の時代に求められるのは「自己主導型リーダー」

手嶋武久氏:じゃあ、「メタ認知はどうやって発達させるの?」っていう話をこれからしていこうかなと思います。

(現在はビジネスパーソンのリーダー層に)求められる発達段階が変わっています。昔は他者依存段階でよかったんですけど、今は自己主導段階じゃないと、リーダーとしてはなかなか成果が出ない状況になっています。

なぜかというと、今まではビジネスが固定的だったんですね。「とりあえず、今までのやり方を踏襲しましょう」みたいな世界線でよかったところが、今はVUCAの時代って言われています。変化が激しいし、そもそも超早い。あとは「抽象度が高い新規事業をやりましょう」みたいな話が多かったりするんですよね。

そうすると、リーダーが人の話も聞きながら自分で意思決定していく自己主導のフェーズにいないと、何事も進んでいかない状況が生まれています。

今まではわりと一方通行な指示・指導、コミュニケーションでよかったんですけど、今は相互補完のコミュニケーションじゃないと通用しなくなっている。なぜならリーダー自身も解答がよくわかっていないんですよね。

新規事業で、解答なんて誰もわからないけれど、その中でみんなの意見を聞きながら「でも、俺はこっちがいいと思うよ」と旗を振っていく状況を作る必要があるので、メタ認知が高い必要があります。

「俺の言っていることを聞いてりゃいいんだよ」みたいな世界線じゃなくて、「僕もわからないけど、一緒に探していこう。いいものを作っていこうね」っていうスタンスが求められているところがあります。

成長のカギは「困難な課題」と「内省」

この器の育成方法ですが、必要なものが2つあります。1つが困難な課題との対峙です。今の自分の思考の枠組みだと越えられない壁みたいなものが1つ大事。

もう1つが内省ですね。自分との対話。忙しい中でみなさんの体験ってどんどん流れてしまうと思うんですけど、それの振り返りをして、体験じゃなくて経験に変える。それで、経験をさらに知見に変えていき、それを次の仕事に活かしていくことが必要になってきます。

もうちょっと抽象度を上げてサクッと言うと、経験の質と数が大事なのと、あとは、この経験を知見に変える転換率がすごく重要です。

なので、同じプロジェクトをやっていたとしても、めっちゃ成長する子と、ぜんぜん成長しない子がいるんですよ。この違いは何かっていうと、このプロジェクトから何を学んだのか、何が失敗の要因になっていて、次はどうしたらもっとうまくいくのかをちゃんと考えられる子は、知見への転換率が高いんですね。

でも、それを何も考えていなくてヘラヘラしていると転換率が低い。次の仕事で、「じゃあ、やってね」って言われた時に、もう学んでいる数が違うので、ぜんぜんパフォーマンスが違うところがあります。なので、この知見への転換率を上げるために、自分自身と向き合う内省が必要になってきます。

ホワイト化した時代は“知見への転換率”が差になる

一方で、ベンチャーの社長みたいな、信じられないぐらい困難な課題にぶち当たり続ける仕事や立場の人は経験の質と数がバグっているので、内省のクオリティが高い/低いは関係なく、とりあえずメタ認知がバコンと上がることが起きたりもします。

なので、経験の質なのか数なのか、あるいは転換率なのか。メタ認知を上げていくためにはどれかを上げていく必要が必要であるという考え方をしています。

ただ一方で、企業で働いている人でいくと社会がホワイト化していく中で、この機会がすごく減っているんですね。

上司が部下に仕事を振る前に、けっこう難易度を調整しちゃうとか。あと、昔の僕みたいに、中国語をしゃべれないのに(会社に)「お前、とりあえず中国に行ってこいよ」みたいにぶっ込まれる文化がなくなってきている。(労働環境が)ホワイト化している中で、こういう機会が減っています。

なので、企業で働いている人、(スライドを示して)特にこっち側ですね。仕事の中で経験するものがいっぱいあるんだから、それをどれだけ知見に変えられるかっていう、この転換率を上げることにフォーカスするべきだなと思っています。ここのレバーをいかに引いてメタ認知のレベルアップにつなげていく考え方かなと思っています。

成長には「健全な不安定さ」が必要

(続いて)器の成長に必要な要素というところで、我々には「健全な不安定さ」が必要だという考え方があります。

これは、世界最大級のヘッジファンドのBridgewater(Associates)が「進歩っていうのは痛みと内省だよ」という話をしていて。これは、(進歩に必要なものは)先ほどの(話に出てきた)困難な課題との対峙と、内省、振り返り。この2つの要素だよっていうことを、ちょっと違う言葉で言っているものです。

この会社でおもしろいところでいくと、役員や部長クラスみたいなけっこう偉い人だとしても、一定のパフォーマンスが出てきたら役職をどんどん変えちゃうらしいんですね。

普通、パフォーマンスが出てきたらそこにとどめておきたいと思うんですけど、そうじゃなくて、どんどん変えていくことによって健全な不安定さを作る。適度に困難な課題に充てさせることによって、より高い次元に(向かって)どんどん成長させていくことを狙っている。そういうことを、この会社はシステムとしてやっていたりします。

こういうのがうまくできる会社が、日本だとたぶんリクルートとかサイバーエージェントみたいな会社で、企業としての継続的に成長できる環境があるのかなと思っています。

ちなみにサイバーエージェントでいくと、藤田(晋)さんが社長を交代するに当たって、4年間ぐらいかな。社内で「次期社長を育てようプロジェクト」みたいなものが走っていたんですね。そのプロジェクトの根幹にあるのが、この成人発達理論だったりします。

サイバーエージェントは困難な課題と対峙することを、タフアサインメントと言うんですね。タフな仕事へのコミットをさせるみたいな感じなんですけど、これを意図的に作ることでメタ認知を成長させていたりするので、サイバーエージェントは健全な不安定さをかなり重視しているということが読み取れるかなと思います。

厳しさが減った時代ほど自分で自分を鍛える力が問われる

もう1個、ちょっと違う視点での話なんですけど、(野球選手の)イチローが言っている話が僕としてはけっこうおもしろくてですね。(イチローが)「昔って、野球をやると厳しい監督やコーチがいたので、その人たちが朝から晩まで野球をやれって言うから、下手な子でもある程度はうまくなっちゃう」というふうな話をしていたんですね。

ただ、今はそういうことができません。そうなってきた時に何が起きるかっていうと、「自分で自分に厳しくできる高校生しかうまくならない。それって、高校生からしたらどちらのほうが厳しい環境なんだろうね?」みたいなことをインタビューの中で問いとして立てていて、すごくわかりやすいなと思ったんです。

ホワイト化していて困難な課題との対峙が減っていることは、実は高校生(の時)から起きていると言えるんじゃないかなと思っています。

我々社会人にはあたっては、昔でいくと終身雇用や長時間労働が当たり前だったので、強度が高い人が成長しやすい環境にありました。

でも、今は働き方改革や転職が一般化する中で、セクハラやパワハラの可能性を背負ってまで教えたい人もあまりいないし、「働き方改革で早く帰らなあかん」みたいな状況の中で、なかなか成長の機会がないよねという。

いかに自分で内省をして、今日1日の中で何を学んだか、何が成長したかを問い続けられるかどうかがメタ認知を上げていく、成長の加速装置になっているところがあります。そこに目を向けられるかが大事だよねっていうのが、時代の背景からも読み取れるんじゃないかなと思っています。

発達を加速させるのは伴走者と問い

さらに、発達を促進する環境というところで、伴走者がいると学習効率が上がると言われています。これが何を指しているかというと、最適レベルと機能レベルという2つのものがあるんですね。

最適レベルっていうのは、人のサポートがあって達成できるパフォーマンスです。めっちゃ仕事ができる先輩や上司と(一緒に)やっていると、「なんだかうまくいくぞ」みたいなことってあるじゃないですか。あれって、やはり最適レベルでのパフォーマンスが出ているんですね。

その先輩がいなくなると、「あれ? なんだかうまくいかないな」みたいな。これは機能レベルっていう、自分1人で出せるパフォーマンスの発達範囲って言うんですけど、この間を行き来しちゃっている状況なんですね。

なので、我々大人の年齢でいくと、いかに最適レベルで学び続けるか、パフォーマンスし続けるかを意識することが成長を加速させる、最短で成長していくために必要なものだったりするんですよね。

なので、「上司からのフィードバックが大事だよ」とか、「1on1は大事だよ」「コーチングって(成長のために)いいんだよ」っていう話は、この最適レベルを引き出すためにはこれが必要だよというような捉え方ができると思っています。

メタ認知を起こすカギとしては、やはり「問い」というものがあります。結局、この困難な課題との対峙も、「この課題のポイントって何だっけ?」とか、「そもそも、今は何を解いたらいいんだっけ?」っていうふうな、自分自身との会話が存在します。

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