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研修効果を最大化するには? 学びを職場で活かす研修設計の秘訣(全5記事)

研修への投資が無駄になる3つの問題パターン 従業員の行動を望ましい方向に変化させる設計とは [1/2]

【3行要約】
・年間計画に基づく形式的な研修が横行する中、真の投資対効果を生む研修設計への転換が求められています。
・研修投資が成果に結びつくには、知識習得だけでなく実際の行動変化が不可欠であり、事前・事後の取り組みが全体の80パーセントを占めます。
・上司の巻き込み、業務との関連づけ、シリーズ型設計、デジタルフォローの4つの要素を組み込むことで、研修を真の投資に変えられます。

前回の記事はこちら

研修会を実施してから成果に結びつくまでの流れ

中島豪氏:研修は、行動変容を経由して業績に貢献するということ(が目的)です。研修を受けたからといって、例えば営業の方の売上がいきなり上がるようにはならないです。技術職の方の生産性がいきなり上がるわけではないです。新人や若手の離職率がいきなり下がるわけではないです。

ただ、「そういったものを満たすために、どういう行動変化が必要なのかな」「売上を上げるためには、どういう行動を取ってもらう必要があるのかな」「生産性を高めるには、どういう行動を取ってもらう必要があるかな」「じゃあそういった行動を取ってほしいから、その行動を取ってもらうために研修会を実施しましょう」というように、研修の本来の目的は、「従業員の行動を望ましい方向に変化させること」でございます。

そして行動変容とは「業務において課題となっている行動を、より望ましい方向に変えることを意味するんだ」とお伝えしています。

わかりやすく言うと、コンプライアンスの研修、もしくはeラーニングを毎年実施されている企業さんはいると思います。その研修では「コンプライアンスに関する正しい知識を持って、こういう行動を取らないように、ちゃんと知識を持ってもらいましょう」なんていうことでやっているので、これもある種の行動変容(を起こすもの)ですよね。

人間、いきなり行動が変わるわけじゃないんです。行動の源泉となるのは、知識やスキルを知っていることでございますので、そういったものを教えるための場が研修会、教育というところでございます。なので、(スライドでは)あえて「研修投資」と書かせていただきました。

(スライドを示して)それが業績に結びつく、要は成果に結びつくまでは、大筋でこういった流れを追っていきます。研修会を実施しました。その研修会で知識やスキルを習得しました。それによって職場に戻った後の行動が変わりました。その行動が変わることによって、業務が改善されます。そして業務が改善した結果、業績が上がるというロジックです。

どのようにして行動変容を促していくか

この流れで最も重要なのが、行動変容の流れというところでございます。もしかすると、今回ご参加していらっしゃる企業さんは、ここでお悩みになっているんじゃないかなと思うのが、「研修会をやったはいいけれども、知識・スキルの習得だけで終わっていませんか?」というところでございます。

新しいことをインプットする。座学で講師から話を聞く。それだけで終わってしまっては行動は変わらないんです。人間、「知っていること」と「できること」はやはり違いますよね。なので、研修会で学んだことを、職場に戻って、現場に戻ってから、正しい方向に行動が変わるためにはどういったことが必要か。

これができることによって初めて投資対効果が生まれるんだということで、今日の時間は、この「行動変容」をどのようにして促していくのかについてご案内をしてまいりましょう。

今挙げさせていただいたのは理想のパターンです。ではその反面、「行動変容しない研修のパターン」ということで、「あるある」という感じで聞いてください。

もしみなさんの会社が、これから挙げさせていただくような研修のパターンを実施しているとしたら黄色信号です。危ないかもしれないです。

「研修をやること」が目的になっていないか?

行動変容しない研修の特徴は、大きく2つです。1つ目に大きいのは、「やることが目的になっている」ということです。研修会をやることが目的になっていませんか? 「年間計画に基づいて、だいたいこの年のこのタイミングで、こういう研修をやることが決まっているからやるんだよ」と。

私が面談をすると、だいたいこういった投げかけをするんですね。「その研修、何のためにやるんですか?」と。「いや、でも毎年やっていてさ。研修の満足度なんかいいから、とりあえずやっているんだよ」なんていうものはあったりしませんか?

研修の成果を受講者数、例えば手挙げ式の研修で、「みんなよく参加してくれているから、この研修は人気だね」とか、「これだけ研修の回数をやったから、学びの効果はあるよね」なんてことで計測をしていませんか? 要は、「やることが目的となっていませんか?」というところが1つ目です。

行動が変わるような研修のデザインになっているか?

そして2つ目は、行動変容につなげるための学習のデザインはできていますか? 先ほどもお伝えしましたが、1日2日の研修ぐらいで人が変わることなんて、まぁないです。私自身も何度もいろいろな研修を受けてきましたが、そんな急に人が変わったら逆に怖いですよね。

研修会に必要なのは、研修前の準備から研修後のフォローまで、研修会をスポットで捉えるのではなくて、「前後のフローをちゃんとデザインしながら、一連の流れで行動変容するようにできていますか?」というところです。

これは「40:20:40の法則」なんて言いますが、研修会当日の学習は、せいぜい全体の20パーセント程度しか貢献しないんです。それよりも、その前後にどういった学びをさせるのか。ここが最も重要だというところでございます。

この大きな2つ、「やることが目的になっていませんか?」。そして「その研修に出て行動が変わるようなデザインになっていますか?」というところが、この特徴に当たります。

行動変容につながらない研修のよくある3つの問題パターン

「行動変容につながらない研修のよくある3つの問題パターン」というところを挙げさせていただきました。先ほどのものに合わせて、みなさんも見直してみていただければと思います。

1つ目は「研修の目的が曖昧」ということです。「その研修、何のための研修ですか?」「その研修を受けたから、どういう行動変容がされるんですか?」「何を期待して受けてもらっているんですか?」。その研修会に出て何を学ぶのかが、具体的にわからないということです。

(スライドを示して)具体的な目的の例を下に挙げさせていただいていますが、「営業強化研修をやりますよ」ということで、とりあえず研修会に2日間集めて、ハイパフォーマー、売れている人がいろいろと話をして、「じゃああとはロープレをやってくださいね」ということで参加をしますが、メインはだいたい終わった後の飲み会だったりします。

具体的な目的の例で言うと、「最近うちの会社はこういったところが弱い。今業績の目標はこのぐらいあって、そこに至るためには、やはり新しい活動をする必要がある。営業担当者がお客さまとの関係構築において、積極的に提案ができるようになる必要があるんだ。じゃあ、積極的な提案ができるようになるためには何が必要なのか? それを学んでもらうための研修会を企画しよう」。これが(本来あるべきの)具体的な研修というところでございます。

そして今チラっと挙げさせていただきましたが、2つ目は「経営戦略と紐づいていない」というパターンです。要は、「何のためにその研修を受けているのか」がわからないんです。研修内容と実際の経営戦略が乖離してしまっていると、受講者は、研修の必要性を感じることができないです。「なぜ自分はこんな研修を受けなくちゃいけないんだ。忙しいのに」と。

研修を組み立てるに当たって、事業目標達成のために、例えばこのぐらいの数値目標があるし、こういった中期経営計画があると。こういった目標があるのであれば、それを達成するためにどういう行動が必要で……。先ほど挙げさせていただいたとおり、具体的な研修の目的が整理されていないとなってくると、やはり何のための研修会なのかイメージが湧かないですよね。

そして最後の3つ目は、先ほども挙げた「研修前後のフォローアップが不足している」ということです。これは大事なことなので何度も言いますが、1日2日の研修はもはやイベントです。参加をして何かが変わるということはほとんどないです。

その事前と事後に何をするのかが重要だということで、今日は事前・事後にどんなことをすると行動変容につながるかというところもしっかりご案内をさせていただきますので、お話を次に進めさせていただこうと思います。

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