【3行要約】・多くのビジネスパーソンが言語化力の必要性を感じているが、具体的なトレーニング方法に迷っているのが現状です。
・『しごおもTV』の豊間根青地氏は、実践的な3つの質問を通じて「問いを投げかける力」と「具体と抽象を行き来する力」を鍛える手法を提案しています。
・豊間根氏は言語化力向上のために、日常的に疑問を持って調べる習慣をつけることや、ChatGPTなどのAIツールの活用を提言しています。
前回の記事はこちら 言語化力を鍛える3つのトレーニング問題
豊間根青地氏(以下、豊間根):「量」「目的」「問い」「具体と抽象」という話をしてきました。じゃあここで、言語化力を鍛えるトレーニングをちょっとしてみようかなと思います。
今からみなさんに3つの問いを投げかけますので、ぜひちょっと考えてみていただきたいと思います。
1つ目が、「1ヶ月以内に気になって調べたことは何かありますか? また、その理由は何ですか?」。2つ目は、「あなたの好きな食べ物は何ですか? また、それが好きな理由を教えてください」。3つ目が、「あなたの仕事のモットーは何ですか? その理由は何ですか?」。この3つを言語化してみていただきたいと思っております。

これらはすべて、「問いを投げかける」、(つまり)問いを持っているかどうかということと、「具体と抽象を行き来する」ということを定義している問題になっています。
岩本紘佳氏(以下、岩本):ちなみに、トヨマネさんがどういう言語化をしてアウトプットするのかがちょっと気になるので、1つ目のやつ。「1ヶ月以内に気になって調べたことと、その理由」をぜひ教えてください。
豊間根:僕が最近調べたのは、防火管理者についてですね。
岩本:防火管理者?
豊間根:防火管理者っていう資格があって。
岩本:あっ、資格があるんだ。
実体験から情報の解像度を上げる
豊間根:はい。最近、我々はオフィスを引っ越したじゃないですか。引っ越すと、そこに防火管理者っていう資格を持った人が企業(のテナントごとに)1人いないといけないらしいんですよ。
岩本:えっ、そうなの(笑)?
豊間根:我々は今までシェアオフィスにいたから、たぶんシェアオフィスの管理をしている会社さんに防火管理者がいたからその義務がなかったんです。けれども、(オフィスへ引っ越す際に)不動産会社さんに「防火管理者はいますか?」と言われて、「いないです」となって、「それはどうやって取るんだろう?」と(思って)調べたっていうのがありましたね。
岩本:へぇ。
豊間根:この問題は、そもそも何かを気になって調べるという行為をしているかどうかというのがどっちかというと肝だと思っていて、言語化能力が低い人はこれをあんまりしない人が多い。
調べる習慣が言語化力を伸ばす
岩本:あぁ、いわゆる「ググる」っていうことですね。
豊間根:そう。自分から能動的に疑問を持ってそれを解消しにいかない人は、絶対に情報の解像度が上がっていきません。まさに知識の階層構造が作られていかないから言語化能力が絶対に高まらないんですよ。
「これは何だろう?」「これはなんでだろう?」「どうやってやるんだろう?」という疑問を自分で持って、まずはググったり調べたりする習慣をつけるのがけっこう大事です。なので、これはそれをちゃんとやっているかという問いですね。
岩本:なるほど。
豊間根:僕はまさに防火管理者について1回ググってから、どういう立場の人がなるものなのかをChatGPTに聞き直しました。
ChatGPTとの壁打ちは本当にすごくいいです。AIとの対話の中では、コーチングみたいに自分が思いも寄らなかった問いを投げかけてもらうことがすごくよくできます。なので、「言語化能力が低い」と悩んでいる人は、ChatGPTに「言語化能力を高めたいんだけど」と……。
岩本:やってくれるかもしれないですね。「(言語化能力を高めるための)トレーニングをしてほしいみたいな」。
豊間根:そう。「トレーニングして」とか。(または)GPTsを作って、毎日それと対話することはすごくいい方法なんじゃないかなと思います。
好きな食べ物の理由に表れる、言語化の深度と具体的思考
岩本:あぁ、いいですね。(次に)トヨマネさんの好きな食べ物と、その理由を教えてください。
豊間根:私が好きな食べ物はミョウガなんですよね。
岩本:知っている(笑)。絶対言うと思った。
豊間根:(笑)。
岩本:でも、その理由は確かに聞いたことがないかも。
豊間根:ミョウガが好きな理由? 端的に言うと普通においしいからなんだけども。
岩本:それはまだちょっと言語化能力が弱くないですか?
豊間根:弱いですよね。
岩本:「おいしいのは好き」「好きはおいしい」みたいな(笑)。
豊間根:確かにこれは難しいね。
自分の好みを言語化できるか
岩本:私は(好きな食べ物とその理由の答えが)ありますよ。
豊間根:ちなみに(好きな)食べ物は何ですか?
岩本:私の好きな食べ物は納豆なんですよ。理由は、いろんな納豆によって味や粒の大きさとかがぜんぜん違うんですよ。それが楽しいからです。
豊間根:なるほど。いいですね。おいしいとかだけじゃなくて、アクティビティとして見ているということですね。
岩本:そう。ご当地納豆とかもあるんですよ。その地域の地場産業(として生産している納豆)だったりとか、道の駅にしか売っていないやつを買って、「これはどんな味がするんだろう?」ってワクワクするのが好きです。
豊間根:それは非常にいいですね。
岩本:(笑)。いいですよね。
好きな理由と、「好きなものとして挙げる理由」
豊間根:僕もミョウガ(が好きなの)は1個、理由があって。これは、ミョウガが好きな理由というよりかは、好きな食べ物としてミョウガを挙げている理由なんだけど。
岩本:それは「おもろい」って思われるから、みたいな?
豊間根:「おもろい」というか、抜け感があるじゃないですか。
岩本:確かに。「ミョウガ?」みたいになりますもんね。
豊間根:私の好きな食べ物は何かというと、ラーメンやカレーとかも好きなんですよ。(でも、それだと)おもしろみがないじゃないですか。「小学生か?」みたいな。ミョウガも(本当に)好きなんだけど、ミョウガと言ったほうが引っかかりが生まれるからミョウガと答えているんですよね。
岩本:ちょっと掘り下げたくなりますよね。「あえてミョウガにいくんだ」みたいな。
豊間根:そうそうそう。でも、ミョウガは本当に好きなんだけどね。
岩本:(笑)。
豊間根:パクチーみたいな癖があるじゃないですか。僕は薬味が好きなので。
岩本:うん、わかる。
豊間根:ミョウガをめちゃくちゃ刻んでラーメンにめちゃくちゃ乗っけて食べたりしている。
岩本:それはレアな食べ方ですけど。
仕事のモットー「おもしろがる」に込めた意味
豊間根:普通に好きなので。(次の質問が)最後ですかね?
岩本:はい。じゃあトヨマネさんの仕事のモットーと、その理由は何ですか?
豊間根:これは「おもしろがる」じゃないですかね。
岩本:そうですね。「しごおも」ですもんね。
豊間根:やはりおもしろがることが大事ですよね。おもしろがるのが大事なのは、やはり我々は生きる意味がないからなんですけど(笑)。
岩本:(笑)。そんな話になっちゃう? 哲学が始まっちゃう。
豊間根:おもしろがるというのは、究極的には意味付けなんですよ。自分の見えている世界や自分がやっていることに対して自分なりの意味付けをして、そこにまだなかった価値を見いだしながら取り組んでいくのがおもしろがるという行為なんですよね。
例えば、よくレンガ積みの話があります。レンガを積んで壁を作るという行為に対して、それをただ単にレンガを積んで壁を作る行為として捉えるのか、みんなが集まる幸せな空間を生む修道院を作っている仕事なんだと思うのとでは、まったく捉え方が変わってくるわけですよね。
岩本:はい。
豊間根:自分がやっている作業に対してどう意味付けをするかによって、自分の幸福度や他人に対して与える価値の大きさが絶対に変わってきます。だから、意味付けという行為そのものをゲームのようにおもしろがることで、自分の幸福度も周りの人の幸福度も上げられると思っているからおもしろがることが大事だと思っていますね。
岩本:なるほど。言語化能力が高いですよ(笑)。
言語化力向上の真の近道は目的意識を持つこと
豊間根:(笑)。でも、ちなみに言うと、最近私も起業していろんな人と関わってくる中で、「俺の言語化能力はぜんぜんまだまだだな」って思い始めた。
岩本:あっ、上には上がいました?
豊間根:いますよね。なんかいろいろ経験している経営層に近い人には(こちらの考えていることが)見透かされるんですよ。僕もそう見えるシーンがあると思うんだけども、いろいろ経験すると見えるんですよ。「この人が何を考えていて、この人が今、何に実際困っていて、何を目指そうとしているのか。何につまずいているのか」みたいなのがわかるんですよ。これは言語化というか、もはや経験や場数の話なんだけども。
岩本:そうですね。
豊間根:だから結局、目的を持って成果を出すことにコミットして物事をなすと、結果的に言語化力も上がるよねと。だから、言語化能力を上げようとするというよりかは、まずは自分がなすべきことに集中することが結果的に言語化能力を高めるとも思いますね。
岩本:そうですね。近道はないということですよね。
豊間根:はい、そうですね。言語化能力を高める方法については本当によく聞かれるんですよ。
岩本:でも確かに、日々の仕事や生活への向かい方みたいなところで、やはり目的意識をしっかり持って日々を過ごすのが意外と一番の近道なのかなとは思いました。
豊間根:間違いない。ぜひみなさんも言語化能力を高めてみてください。