【3行要約】
・言語化力の重要性は認識されているものの、「具体的な鍛え方がわからない」と悩むビジネスパーソンが多く存在しています。
・『しごおもTV』の豊間根氏は、ボトムアップ型経営の浸透により暗黙知の言語化が必要な時代になったと指摘。
・豊間根氏は「量・目的・問い・具体と抽象」の4つのポイントを意識し、日報や1on1で実践することが言語化力向上につながると提言します。
言語化力の鍛え方を探る
豊間根青地氏(以下、豊間根):仕事をもっと。
岩本紘佳氏(以下、岩本):おもしろく。
豊間根・岩本:「しごおもTV」です。お願いします!
豊間根:はい。今日は言語化力の話をしたいなと思っています。いろんなところで「言語化する力ってどうやったら鍛えられますか?」っていう質問をけっこうもらうんですよ。僕は比較的言語化が得意な人間だと思っているんですが。
岩本:そうですね。
豊間根:「なかなかそうやって深く考えたりとか言葉にしたりするのがうまくできないです」と(相談されることがあります)。今日は、どうやったらそれを鍛えられるかという話をしたいなと思っています。
どんな目的を達成したくてその言葉を作るのか
豊間根:言語力を鍛える方法を語る上では、まずはやはり「言語化力とは何か?」を定義しないといけないですね。
岩本:確かに。
豊間根:ヒロカさん、言語化力とは何ですか?
岩本:何だろう? でも、言葉に表してその物事の状態を伝えること?
豊間根:まさにそうですね。
岩本:(笑)。
豊間根:ChatGPTに聞いたら、「頭の中にある曖昧な思考・感情・概念を、他人が理解できる目的を達成できるように言葉として表現できる力」というのが出てきました。
岩本:なるほどね。
豊間根:「目的を達成できるように」は僕が書き足したんだけども、要は頭の中にある考えや目に見えない抽象的な概念を言葉にする力が言語化力です。
1個ポイントなのは、僕は「目的」だと思っています。「どんな目的を達成したくてその言葉を作るのか?」を定義して、その目的を達成に導くというのはけっこう大事なポイントかなと思っています。これは後で解説するとして、最近けっこう「言語化」っていうのがバズワードなんですよ。
岩本:そうかも。
豊間根:本屋へ行っても、けっこう売れている言語化に関する本があります。なんで言語化が大事になってきたかという話をすると……ヒロカさんはなんでだと思いますか?
AIの発達で自分の言葉で語ることが重視される時代
岩本:最近ってけっこう動画やSNSがいろいろ発達している中で、「見せたらわかるじゃん」みたいなのもあるとは思うんですよ。でも、その物事をどうやって表現するかは、言語化しないとその人の個性も出ません。やはりAIが発達することによって個性が求められる時代になってきたのかな。
豊間根:なるほどね。自分の言葉で語れることの意義が増してきたと。それもあるかもしれないですね。
僕の理解で言うと、たぶん今までも言語化って本当は必要だったんですよ。例えば、会社に入って、自分で企画を考えて、「こういうことをやりましょう」と企画を(説明)する時って、まさに言語化じゃないですか。
岩本:はい。
豊間根:でも、今までの会社のあり方って、基本的にはトップダウンが多かったんです。(なので、)経営層が作った計画に対して、「お前はこれをやれ」「いいから黙ってやれ」「お前の意見なんかどうでもいいからやれ」みたいな思想による経営がけっこう多かったと思うんですよ。
かつ、新卒一括採用で、「いいから黙ってやれ。このルールはもうこういうもので、考える必要はなし!」みたいなところで作業をしていれば、お金がもらえて昇進できるっていう価値観が、数十年前の思想ですよね。
岩本:はい。
経営もトップダウン型からボトムアップ型へ変化
豊間根:そこから、それが徐々にそうじゃなくなってきました。ボトムアップ型や対話型の経営あるいはジョブ型採用みたいに、いろんなバックグラウンドを持った人が自ら考えて行動することが求められる経営のあり方や仕事の仕方が一般的になってきました。
その結果、今までは「説明されなくても、なんかそういうもん」でまかり通っていた暗黙知やルールを(これからは)ちゃんと言語化して伝えないと、「えっ、なんで?」と疑問が残ってしまう。(そのため、自らが)動けない、(相手を)動かせないということがいろんなシーンで発生している。だから、言語化というものが最近特に注目されてきているのかなと僕は理解しています。というのが言語化の大前提の話です。
続いて、じゃあ言語化力が高い人と低い人ってどう違うのかという話をします。まず、言語化力が低い人としてわかりやすいのは、語彙が少ない人ですよね。チャラい大学生が、何を見ても「えぇ、エモい」とか「ヤバい」(しか言わない)みたいな(笑)。
岩本:(若者言葉が)似合わないですね(笑)。
豊間根:えっ、そう(笑)?
岩本:めちゃめちゃ似合わない(笑)。
何がどうエモいの?
豊間根:「ウケる」「ヤバっ」しか言わないのって、使う言葉がすごく少ないからなんです。「えっ? それってだから、何がどうエモいの?」「なぜエモいと感じたの?」って言われても答えられないし、言葉に詰まる。「いや、エモいもんはエモいっしょ」みたいになっちゃう。これが言語化力が低いと言える一例ですよね。
ここまでいかずとも、面接で「なぜ今の会社に入ったんですか?」と言われて、「なんとなくです」(と答える)みたいな。
岩本:(笑)。
豊間根:「その仕事でどういう成果を求められていたんですか?」と言われて、「成果というか、やれと言われたのでやっただけです」(と答える)みたいなのも言語化力が低いんですよね。何か問いを与えられて、自分なりの言葉で回答することができない。こういう状態も言語化力が低いことの一例かなと思います。

言語化力が高い人は、自分の言葉で語れるわけですよ。だから、「なぜ?」と問われると、常に説明できる自分なりの解を持っているんですよね。
これって要は、ロジックツリーが頭の中で自然と作られているということなんです。情報の階層構造が作られていて、どんどん(物事を)深掘りをしたり、すごく複雑な概念を抽象化したりして、「要するに」を話すことができる。
マネジメントや事業開発で発揮される言語化力の価値
豊間根:例えば、(部下を)マネジメントする上で、部下の持っている抽象的な悩みを整理して、「じゃあヒロカさんはこういう方向性でキャリアを目指すといいんじゃない?」と端的に説明する。あるいは、「お客さんが口ではこう言っているけど、本当はこう思っているんじゃないかな?」みたいなことを、問いを投げかけることによって引き出し、提案につなげる。
あるいは、まだ存在しない新しい価値を言葉で定義して、資料にまとめて、お金と人を引っ張って、新規事業を作っていく。そういうシーンで言語化力が高いとすごく有利に働いてくるわけですね。ヒロカの周りにも言語化力が高い人はいるでしょう?
岩本:いますね。そういう方って、ふだんからなんとなく過ごすんじゃなくて、目的意識とか「なんでこれをやらなきゃいけないんだっけ?」という意味を考えながら過ごしている方な気がする。
豊間根:あぁ、もう正すぃー。
岩本:正すぃー。
豊間根:正すぃー。それですよ。
岩本:(笑)。