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トークセッション1・AIと人と呪術性(全6記事)

AI時代に武器になるのは「正しい指示」より「うまく頼む感覚」 “答えの質”を上げるプロンプトの組み立て方 [2/2]

AIは「呪術性」と相性がいい?

門:はい、ありがとうございます。みなさま、AIの未来がどうなるかという話は正直、聞き飽きているんじゃないかなと思っています。今日はもう少し違ったおもしろい話をしたいなと思っています。

Gemini君と2時間ほど壁打ちをしました。僕が感じているAI性のところをトークに持ってきたらおもしろいんじゃないか、という結論に至りました。

みなさまにとってAIってどういうものですか? 便利なものとか、たぶんいろいろあると思うんですけど、宇野さんにとってはAIってどういうものですか?

宇野:日々のことで考えると、本当にもう半分共生しているというか、いなくなってしまうとものすごく困るもの、という感じになりつつありますね。

門:そうですよね。それは本当にそうだなと僕も思っています。ただ、若干、暗くて申し訳ないんですけど、僕、AIに呪術性みたいなのを感じていて……。

宇野:うん……。

(会場笑)

門:(笑)。何て言うか、今までの世界って、ロジカルシンキングみたいな、科学信仰みたいなのがすごく強かったと思うんです。

過去の世界を見てくると、もっと前は、宗教的な信仰とか、神さま信仰がめちゃくちゃ強かったとか、いろいろあると思うんですけど、僕は将来的にセンスの時代になるなと思っているんです。


日本人は「アニミズム性」でAIを使いこなせる

門:あくまで僕の考え方なので、1つの指標にしてもらえればいいと思うんですけど、例えば、アニミズム性……みなさま、アニミズムってわかりますか? 自然崇拝とかそういう話なんですけど。古来、日本人は特にそうですが、大きな岩を神さまに見立てたり、島を丸ごと神さまとしたり、大きな木を神さまとしたり、そういう信仰性、呪術性がすごくあります。

日本人って呪術性が得意だと思っているんですね。世間もそうだと思っていて、お祭りとかもそうじゃないですか。けがれを祓うとか、呪術性がそのままAIに適用できそうだなと思って、そういう意味で日本人に対する今後のAI活用のポテンシャルを僕はものすごく感じています。

『ドラえもん』を考えたのだって、日本人じゃないですか。誰よりも先に先行しているはずなので、めちゃくちゃポテンシャルを感じているんですよ。だから、そういうところの話を今日はできたらいいんじゃないかなと思っています。

これまでの常識は科学の信仰だったんですけど、ちょっと魔術的な感じになるなと(思っています)。「その魔術的な要素は、じゃあ、何か?」というお話をしていくんですけど。次のページ、お願いします。

たぶん世の中のルールが変わるなと思っています。ロジックですごく積み上げるみたいな感じ。ロジックで積み上げるというベースを持ちつつも、もっと、そこにセンスを持っていても意味ないだろう、という領域の人たちが、めちゃくちゃ花開く時代が来るんじゃなかろうかと、今すごく感じています。



ロジックは、みなさまわかるとおり、ロジカルシンキングとか、西洋哲学的な積み上げの思考のやり方ですね。東洋思想もそうなので、もともと、日本人はクリティカルシンキングが得意なんですよね。

内側から感じたものをそのままバンッと出す必殺技みたいなのがすごく得意だと思っています。もともとは春秋戦国時代の中国の思想家の方々が得意にしていたものですけど、それの本質が今は残っているのは、たぶん日本だけ。

しかも日本語ってコンテキストの高い言語なので、この「なんかいい感じで」みたいなものもぜんぜん通じるじゃないですか。上司と部下が「つうといえばかあ」の関係性であれば、「なんかいい感じにしておいて」もまかり通っちゃうみたいな、そういう言語のおもしろさもあるし、そことAIとの相性はめっちゃいいんじゃないかなって思っています。

プロンプトは指示ではなく「呪文」になる

門:なので、僕はプロンプトは呪文のような概念を持っています。次のページ、お願いします。プロンプトは指示ではなく呪文ですと。これ、おもしろいなと思ったんですよ。AIに「深呼吸して」と言ってから考えさせると、ちょっと出力が上がるじゃないですか。



宇野:うん。やはり、一度アウトプットが良くなかった時に、「ちゃんと考え直して」と言ったりすることでうまくいくことがあって。技術的に見てしまうと、結局そういったいろんな文脈もすべて学習しているから、と説明できてしまうんですけど、確かにものすごくおもしろいところだなと思います。

門:いや、そうなんですよ。お祈りとかと本当に一緒だなと思って。お見送りする時に、「いってらっしゃい」と言うだけだと事故率が上がるらしいんですけど、「気をつけてね」と言うと事故率が7パーセントぐらい下がるらしいんですよ。同じだなと思って(笑)。

宇野:いや、でも、本当にそうですね。

門:そうなんです。なので、言霊、おまじない、お祈り感の感覚でAIに接することができる人は、今後すごく良くなると思うんですよね。

AIの機能は、もっと上がってくると思うので、そんな中では、細かいプロンプトがどうのこうの、という話はなくなってくると思うんですよね。

宇野:確かにそれは私もけっこう感じています。今でもやはりそうですが、生成AIが出てきた初期の頃は、プロンプトをいかにうまく書くかとか、プロンプトエンジニアリングとか、本当に「なんとか式」みたいないろんなものが出ていましたが、AIの性能もどんどん上がっていくので、適当に書いても今はきちんと答えてくれる。

先ほどおっしゃっていたセンスは、本当にそのとおりだなと思っています。これまでは、ロジカルシンキングとか、いかに論理的に緻密なことをしっかり考えられるか、というところが武器だった人がかなり強かったと思います。

今、そこをAIが補完してくれるので、感情をそのままぶつけても、AIがうまく解釈してくれる。そこは本当に来ていますよね。

門:そう。すごく来ていると思っています。なので、お子さんは何でも自由に言うから得意なんだろうなって思います。

あの感覚を持っている人のほうが、おそらくビッグビジネスを作れるんだろうなとか、めちゃくちゃ感じており、これ、みなさま通じていますか(笑)?

絶対おもしろいですから、自分の中の自然信仰性や日本人観と照らし合わせながら、この話を聴いてほしいです。

アニミズム性を勉強し直すと、たぶん「本当だわ」みたいになると思います。勉強し直そうと思うと、けっこう時間がかかるんですけど、ぜひ、やってほしいなと思います。f

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