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9割が気づいていない営業の本質 -トップ営業が大事にする考え方と行動(全5記事)

営業成績が低い人は“買う人と使う人”を混同している BtoB営業を成功に導く適切なターゲット選定

【3行要約】
・多くの営業が「年商○億円の企業」といったセグメントを顧客と捉えがちですが、実際の商談相手は感情を持つ「人」です。
・約4,000人の営業指導実績を持つ向井俊介氏は、組織の問題は個人の役割に分解されるため、目の前の相手の責任や目標を理解することが重要と説明。
・向井氏は、優秀な営業は常に「この人にとって何がいいか」を主語にしており、また、買う人と使う人の違いを把握することが重要だと指摘します。

前回の記事はこちら

「お客さまは誰ですか?」という問いにどう答えるか

向井俊介氏:(営業と販売の違いを正しく捉える必要があるという話を受けて)これと同様に、顧客の捉え方も実は間違っていると言いますか、ちょっと解釈を正したほうがいいんじゃないかと思える営業パーソンが、まだまだとても多いなと捉えています。

先ほどお話ししましたが、この「旬トレ」と呼ばれている営業トレーニングを6年間やってきた中で、約3,000数百人の方々に直接デリバリーをさせていただいたり、研修ないしはワークショップ、そういったものを通じていくと4,000人近くの方々に対して、この顧客というものが大事なトピックなので、必ずアジェンダとして出すわけです。私は聞きます、「みなさんのお客さまは誰ですか?」。

私の周りの方々は、私のさまざまな発信とかもご覧いただいているので、だいぶ矯正が進んでいるのかなと思いますが、例えば受講される方々が40名いらっしゃる時に、8割以上が人ではなくセグメントを顧客と捉えていらっしゃったりするんです。

「年商いくら以上の何々業がお客さまです」とおっしゃったり、「何々業界がお客さまです」とおっしゃったり。あまり多くはないんですが時には、「日本国内の生活者がすべてお客さまです」とおっしゃる方もいらっしゃる。

「顧客は必ず人である」という認識の重要性

まぁ、総じて顧客の捉え方として、人として見ていらっしゃるので間違いではないんでしょうけれども。今日は詳しくは話しませんが、ペルソナといったところにもひもづいていくんですね。いわゆる「すべての人」というのは、ターゲットにはならないんですよ。なぜなら、「ターゲット」にならないから。要は照準が定められないんですよね。

どういう役割を担っており、どういう特性を持っていて、ふだんどういうプレッシャー、責任を感じ、どんな役割に評価を受けるような方なのか。具体的にはどういう部門に属していて、どんなお立場の方なのか。

もっと言うと、どういうところから情報収集されるような人で、アフターファイブはどのような時間の使い方をされるのか。趣味は何か、家族構成はどうか、みたいなものを一般的にペルソナと呼んだりするじゃないですか。それと同じようなことをBtoBでもやっていく必要があります。なぜなら、お客さまは人だからですね。

(先ほどのスライドを示して)左側は組織体です。いわゆる「セグメント」と呼ばれるものですよね。ターゲットを絞る前の、もうちょっと概念として広いものですよね。なので、これは顧客とは言えないんですよ。なので、顧客は必ず人である。もう結果を出し続けている優秀なビジネスパーソン、営業パーソンはすべからくこの認識です。

生成AI時代でも購買決定するのは人

じゃあ、なぜ人だと言い切れるのかは明確に説明が可能なんです。今現在これをご覧いただいているのは2026年1月。みなさんご覧いただいていると思いますが、今の時代、生成AIがとても話題です。そのような中でも、まだ購買活動のエージェントが最前線に出てきて、みなさんのお相手をしていますかといったら、そんなことはないですよね。

みなさんの前には人がいらっしゃる。そしてその人たちは、他の部門内の方々、上司の方々、他のステークホルダーの方々と会話しながら考え、検討し、そして時には何度も会議体を開いて議論する。

そして、時にはまた別の、例えばバックオフィスとか財務・経理部門の方々とか法務の方々が、「このリスクはどうなんだ?」といったところを指摘し、最終的にはどなたか意思決定権を持っている方が「決めよう」と判断されますよね。

(スライドを示して)ここの丸で囲っている(部分に)「人」と書かれているのは、大手の企業になればなるほど、全員違う人だったりするんです。だから、人なんです。人が進めているからですね。

組織の問題は個人の問題に因数分解される

ということは、先ほど申し上げたとおり、会社としてのゴールがあるんですよね。裏返すと、会社として問題を持っているわけです。ですが、その問題を解決するために、いろんな本部、部、チームに因数分解されて、それぞれが問題を解決してゴール達成することで、結果的に会社の問題が解決され、ゴールを達成するという構造ですよね。

組織が分かれている、人が役割として仕事が案分されている、役割が分けられているということは、その人それぞれの問題が、解決すべき問題が違う。達成すべきゴールが違うと考えるのは不自然な考え方ではないと思います。

つまり、みなさまがお会いする目の前のお相手の方は、どういう立場の人なのか。どういうお仕事をしている人なのか。何の責任を担っている方なのか。何がどうなるとうれしいのか。何がどうなると嫌なのか。そこに合わせて、その方の問題解決、その方のゴール達成に向き合わないと考えてくれないですよね。(話を)進めてくれないですよね。

そして、何かしらその方が反対意見、もしくは少しリスクの話をして足を止めそうになった時に、「じゃあ、どうやったら前に進んでくれるのか」といったことを、お相手を理解していない状態では返せないですよね。

なので、一番下にあるとおり、「誰の、何を、どうできるのか? どうしたいのか? どうすべきなのか?」、このあたりに即答できない中で目の前の人と相対したらまずくないですか? といった考え方を、トップセールスの方々、優秀な営業パーソンの方々はすべからく持っていらっしゃる。

優秀な営業は常に「人」を主語にする

なので、優秀な営業さんは常に主語が人なんですね。自分ではないんです。「どうやったら自分の商材が売れるか?」「どうやったら自分の提案で進められるのか?」「どうやったら自分の成果になるのか?」ではないんです。

「この人にとって何がいいんだろうか?」「どうしたいんだろうか?」「何を達成できると、この人はいいんだろうか?」「どんな問題解決ができると、この人はいいんだろうか?」。お客さまを主語にする。そしてそのお客さまというのは人であるといったところは、もう大原則と捉えていただくといいかなと思います。

では、この「人」というのは2タイプに分かれるんです。正確に言うと、私のエンタープライズ営業塾においてはまだ他のタイプもいるので、今日はちょっと簡略化しておりますが、大きく分けるとこの2つと捉えていただくといいかなと思います。

何だと思いますか? これも非常にシンプルなんです。本質ってシンプルなんですね。「買う人」と「使う人」なんですよ。BtoBのビジネスをしている場合、ほぼすべてがこの2つに必ず分かれてくるかなと思います。

例外を先に挙げておきます。例えば私の商売です。私は営業アドバイザーとして基本、経営者をクライアントに持ちます。経営者は買う人なんです。意思決定をする方ですね。そして私は経営者に対してデリバリーをするんです。そして壁打ち相手をしたりアドバイスをしたりする相手は、基本、経営者ないしは事業責任者という意思決定レイヤーの方になるんです。ということは、買う人と使う人はイコールなんです。

それ以外に、例えば戦略コンサルティングファームみたいな業界に関しては、同じように買う人と使う人がイコールだったりする。

買う人と使う人の混同が営業を失敗させる

しかし、それ以外は基本的に使う人、現場で業務オペレーションを回していらっしゃる方と、それを買うことを意思決定されるマネジメントレイヤーの方に分かれる。みなさんはどうでしょうか? まずこれを意識したことがない人のほうが圧倒的に多いんじゃないかなと思います。「確かに」と思うと思うんですが。

この2つは、両方ともとても大事なお客さまなんです。私は3社にわたり14年半ほど外資にいましたが、基本的に買う人のほうが顧客としての優先度が圧倒的に高い。なので、トップアプローチが非常に有効に働くんですが。

日本においては現場の方々が反対すると、ツール導入もしくはサービス導入がなかなか進まなかったりしませんか? なので、日本においては買う人と使う人はイコールだと捉えていただくといいかなと思います。両方とも大事な大事なお客さまですね。にもかかわらず、売る側の営業パーソンは、時にはこれらを非常に乱暴に扱うんです。

具体的に言うと、買う人に対して「使うとこんなに便利」「こんなに効率が上がる」「こんなに生産性が向上する」「こんなにスピードが上がる」。買う人に対して、「使うとこんなにいい」という話をするんですね。現場たたき上げの方だったらまだいいかもしれないんですが、それってお相手のバックグラウンドとかキャリアに依存することになるんです。

よくあるNGな営業活動の例

一方で、営業活動をやっていらっしゃる多くの人たちは、使う人に対して「買いませんか?」と言うんです。見積もりを出したりROIを算出するようなシートを出したり、経済合理性を説明するような資料をお持ちしたり。

そして何を言うかというと、使う人に対して、「よろしくお願いします」と。「ぜひ御社内でご検討いただき、上司の方に上申していただくとうれしいです。ぜひ稟議を上げていただければと思います」と言って、使う人に任せるんですね。言葉を選ばずに平たく言うと、使う人に「買いませんか? 買ってください」という営業活動は怠慢だと思っています。これでは数字が出ないです。

では、どういう時に数字が出るかというと、使う人にたまたま権力があり、そして周りから認められ、そして優秀だと認定されていて、声が大きい。イノベーティブ気質があってリスクを取ることをいとわない。非常にライトパーソンとして限られた人であれば、そういう方に出会えれば、ちゃんと社内で推進してくれるんですが。

先ほどと同じように、これはお客さんの状態、どういう人なのかに依存する営業活動なので、営業活動をしているほとんどの人たちは、たまたましか売れないんですね。

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