【3行要約】
・20年のB2B営業マネジメント経験を持つ向井俊介氏による、「9割が気づいていない営業の本質」をテーマにしたセッションをお届けします。
・向井氏は大学院での研究を通じてトップ営業の暗黙知を体系化しました。
・営業と販売の定義の違いを理解し、買い手視点での価値提供を重視することが成果向上のカギとなります。
20年の経験から、トップ営業の考え方と行動を解説
向井俊介氏:ウェルディレクションの向井です。これより、「9割が気づいていない営業の本質」についてプレゼンテーションをさせていただきます。

「トップ営業が大事にする考え方と行動」とありますが、なぜ「9割が気づいていない」と申し上げられるのか。そして、なぜトップ営業について語れるのか、といったところもこの後、自己紹介の中で触れさせていただきます。
まず、私のキャリアなんですが、基本的には外資系の企業が長めになっております。B2Bの営業を長らくやっておりまして、スモールからミッド、そしてエンタープライズ、直販のビジネスに従事してきました。

都合20年ほど、B2Bの営業のマネジメントや、前職の外資系の企業ではカントリーマネージャーという日本の法人の代表も務めさせていただいて、その後、2020年に独立をして、現職のウェルディレクションという会社を創業しております。
その中で、無形の商材かつデータとか情報という、ちょっと売りづらいもの。お客さまからしても、予算を取ってお金を払いづらいもの。どうやって判断をして、社内のコンセンサスを取ればいいのかがなかなか難しいような商材を長らく扱ってきたことで、営業の考え方とか行動に対する土台が作られたと考えております。
営業をテーマにアカデミック領域で研究
とはいえ、独立して、現在はB2Bの営業アドバイザーというかたちで、外部から企業の営業を改善していく、そして自走できるような営業組織を作る仕事をしています。私1人のn=1の経験と意見をお伝えしてもなかなか汎用的に使えるものではなかったりもしますし、いろんな条件がそろった時にのみ発動するようなものも多分にありますので、一番右下にあるとおり、社会構想大学院大学で営業研究を行いました。
先行研究を調べる中で、営業という広いテーマを調べてこられた先生方はけっこういらっしゃるんですね。特に1990年代後半とか2000年代初頭に関しては、先行研究の論文もいくつか出ています。
一方で私自身は、論文を書くにあたっては新規性が非常に重要になるので、基本的にはIT、無形のビジネスという私の出自に射程範囲を狭めて、深く掘るような研究をいたしました。一応、論文のテーマとしては「IT業界における営業の能力分析と考察」といったかたちで、中身は国内外の優秀な営業のプレイヤーおよびマネージャーの方々に対して、継続的に結果を出し続けるためにはどういう能力が必要なのかを言語化する。そういった研究をいたしました。
今日のテーマにも関連しますが、その研究の中で、非常に優秀で、私なんかは本当に足元にも及ばないようなパフォーマンスを出し続けている営業プレイヤー、営業マネージャーの十数人の方々をインタビュイーとしてお迎えして、デプスインタビューを行いました。そして、質的に得られた非構造化のデータを抽象化して体系的に整理する研究をいたしました。
その中で判明した、優秀な営業の方々の持っている能力、いわゆる暗黙知と呼ばれているものを、非常に多岐にわたる範囲で体系化したものが、私のこの研究の成果に載っております。
トップ営業の基準と一般層とのギャップとは
今日は、この研究の成果の中身の一部をお話しさせていただくので、冒頭に申し上げたとおり、「トップ営業と呼ばれている方々は、実はここをすごく大事にしているよ」とか。こういった考え方、行動を取ることを、半ば無意識で、そして本質的に商売を捉えて当たり前のようにやっておられる。
しかし一方で、営業に従事する方々は、その当たり前の基準がそこまで高くなかったりするので、どうしてもトップの方々とは違う思考と行動を取ってしまう。ひいてはそれが結果につながっているんじゃないかなと捉えています。
今日の内容は、この研究を通じて判明したことも多分に含まれておりますので、私1人の意見や主張ではないということはご安心いただければと思います。
自己紹介の最後のページですが、私自身は何をやっているかというと、繰り返しになりますが、メインは営業アドバイザーという肩書で活動しております。左側にあるとおり、個別の企業に深く入らせていただいて、何の問題を解決すべきなのかという問題をまずは設定します。