問題・原因・課題の構造を整理し、本質的な解決策を導く
例えば、継続的に売上を上げていくために要素分解していくと、受注率がなかなか上がらないとか、単価が高止まりしているとか、もしくは既存顧客が離反しているとか、ないしは営業パーソンがなかなか育成されないとか。そういう、何の問題をまずは解決するかを会話しながら設定します。
実は私はその問題の奥に潜むものの整理をしているんですが、その上での課題は原因にひもづくんですね。「なぜその問題が起きてしまっているんでしょうか?」と、その原因を整理する。その先には、「じゃあ、その原因があることで、どんな不足や障壁につながるのか?」。この不足や障壁を課題と私は定義しています。
したがって、その課題の把握、特定は言うほど簡単ではなくて。表面化している問題に対して原因を探求し、整理をし、そしてその原因があることによって生じてしまう不足や障壁を課題と捉えると、実は世の中のあらゆる問題解決構造はこれで説明が可能なんですね。
今日は、この話には深くは触れませんが、この課題の特定をするといったところが私の一番の介在価値になってきています。要は、単価が上がらないとか、受注率が改善しないとか、こういった症状を持っていらっしゃる経営者とか事業責任者の方々からすると、なぜこうなっているのかという原因を探求し切れないんですね。
そこは経験もそうですし知識もそうなんですが、いわゆる私はB2Bの営業の専門医として、ある意味企業の特性とかビジネスモデルとか、業界とかによって比較的アタリをつけられるのは、経験20年ほどの者が成せる技なのかなと思っております。こういった課題を特定し、その課題を解決していくことで結果的に問題が解決されるというサイクルを回していく。これがアドバイザーとしての役割になっております。
営業支援の観点で多方面で活動
B2Cの事業として「エンタープライズ営業のつくり方」という講座をやっておりますが、2026年の1月現在、6期生が間もなくスタートするところです。各期は20名ほどの少数で、特に大手の企業の営業活動を攻略するためのやり方を学ぶだけではなくて、タイトルのとおり「作る」ところが非常に重要なポイントとなっております。
なので、修了生の方々が自律して、自分たちの会社組織の中でエンタープライズ営業の戦略とかプロセス、組織設計、評価設計、さまざまなことを考えながら行える状態を作ることをコンセプトに行っております。
過去1期から5期までの修了生は約170名出ております。1期は少し多めの人数を取らせていただいたんですが、非常に優秀な営業パーソン、経営者の方々が、私の周りにコミュニティとして存在しているところもあるので、こういった一段高みを目指しておられるような方々を、より他の組織や経済の活動に従事していただくような支援をさせていただいております。
(スライドを示して)そして、この「旬トレ」と言われている1個下のものですね。こちらは2026年3月末までは無料で実施してきております。これは、都合6年間ずっとやってきておりまして、ここに書いてある社数、人数、たくさんの方々にご提供させていただいております。

こちらも私の中では社会貢献活動として、キャッシュアウトが難しい企業に対して、無料でプロボノ的に活動してきたのですが、時間の工面の都合上、2026年の春からはちょっと違うかたちでデリバリーさせていただきます。私のXでそのあたりのアナウンスをしますので、よろしければそちらもフォローしていただければと思います。
その他、頼まれれば、シナジーが合えば、スタートアップのエンジェル投資家として投資をさせていただいたり。直近のニュースで言うと、一番下にある事業構想大学院大学といった新規事業を作るための社会人向けの大学院が東京の表参道にあるんですが、北は仙台、名古屋、大阪、福岡にも校舎を持っており、そこで営業戦略という科目を担当しております。私の今の名刺の肩書にも書いてあるとおり、客員教授として関わらせていただいております。
その他、メディアで連載を持たせていただいたり、Industry Co-Creationさん、いわゆるICCと呼ばれているビジネスカンファレンスで、レギュラー番組として営業のワークショップを定期的に提供させていただいております。
トップ層は「営業」の定義が違う
このようなかたちで、さまざまな営業支援をさせていただくような立場ですが、売り手側のパフォーマンスを上げるといった目的ではなくて、実は購買をする側が良い購買活動ができる、良い投資の判断ができる状態を作ることを、私は仕事をする意義として捉えております。
したがって、今日のコンテンツでお話しさせていただくのは、聴いていただいている営業に関わるみなさんが営業のパフォーマンスを上げるのは、私からすると手段でしかありません。みなさんの先にいるお客さまが、みなさんと接することでいい購買判断ができる、いいお買い物ができている状態を作れたらうれしいなと思っております。
今日は時間の関係上、その一部にはなりますが、これ以外にもトップ営業が大事にする考え方と行動がたくさんあるんです。その中で特に今日、基本的にお伝えしたい、もう土台中の土台の部分を3つお持ちしております。

「営業の定義」というところは、少し「どういうことだろう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれないんですが。いわゆる優秀な営業パーソンの方々、営業マネージャーの方々は、すべからくこの営業という仕事を、なかなかパフォーマンスが上がらない多くの方々とは違う捉え方をしています。顧客についても同じです。
そして3つ目。じゃあ、実際に、どういう行動を取っておられるのか。このあたりにちょっとつなげてお話をしていければと思っております。
「営業」と「販売」の決定的な違い
まず、営業の定義からお話しさせていただくと、みなさん、ちょっと考えていただきたいんです。聴きながらでけっこうです。営業と販売って、言葉が違いますよね。ということは、意味が違うはずなんです。どうやら同義ではなさそうですよね。

確かに言葉が違って同意のものもあります。しかしこの営業と販売は、辞書を引いていただいてもいいんですが、実は意味が違うんです。ビジネスにおいても意味が違うんです。さて、説明できますか?

例えば営業パーソンの方々に「営業って何だと思いますか? 意味を教えてください」と聞くと、「売ること」というのがけっこうな割合で出てきます。「なるほど、売ることですか。でしたら、販売ってどういう意味ですか?」と聞くと、「売ること、ですよね……?」となるんです。
そうなんです。営業と販売を両方とも「売ること」と捉えている営業パーソンがみなさんの組織にもいらっしゃるんじゃないかなと思います。そして、これを聴いていただいているみなさんも、もしかしたらそのように捉えていらっしゃるかもしれない。でも、明らかに違うというところをお話しさせていただきます。
あと、いわゆるパフォーマンスを出しておられる営業パーソンの方の捉え方。これを私なりに言語化、体系化したものを説明させていただきます。非常にシンプルなので、みなさんもこれは説明可能な状態でぜひ取り入れていただけるとうれしいです。
B2Bにおける購買の真の目的は問題解決にある
それを考えるためには、まずお客さまの立場に立っていただきたいんです。「お客さまはなぜ購買をするのか?」なんです。買うことは目的じゃないですよね。
これは、B2Cだったら買うことが目的になり得るんです。コレクションとかはそうですよね。あとは買った瞬間に問題が解決するケース。喉が渇いているから飲み物を買う。こういったものも、もう手段と目的がほぼ一体化しているので、B2Cにおいては購買が目的化することは多分にあります。
しかし、B2Bにおいては、必ず買い手は何かしらの目的があるんですよ。自分たちのリソースでその目的が達成できるんだったら、購買はしないんです。
ですけれども、リソース不足や時間を短縮したい、効率性を上げたい、確からしさを上げたい、もしくは責任をどこかに持ってもらいたい。さまざまな目的があるわけです。その目的を果たすための手段として購買をするという考え方ですよね。「穴とドリル(ドリルの穴理論)」みたいな話はB2Bのビジネスにおいてよく言われている逸話というか例え話ではありますが、それと同じです。