【3行要約】
・TOEICで高得点を取っても英会話ができない――多くのビジネスパーソンが抱える「努力と成果のギャップ」に悩んでいます。
・英語講師のTaka先生は、TOEICは「理解する力」、英会話は「使う力」という根本的な違いがあり、必要なトレーニングが異なると指摘。
・英会話上達には、難しい英語の勉強ではなく、簡単な英文を反射的に使える「運動能力」として鍛えることが重要だと語ります。
「TOEIC高得点でも英語を話せない」理由
根岸貴規氏:こんにちは。Taka先生(根岸貴規)です。英語学習の相談を受けていると、非常に多くの方から同じ悩みを聞きます。「TOEICで高得点を取ったのに話せない」「英検に合格したのに英会話だけ伸びない」「勉強しているのに口から英語が出てこない」。努力してきたのに結果が出ないのは本当に苦しいことです。
ですが、まずお伝えしたいのは、それは能力がないからではありません。単純に、「やっていることの種類」が違うだけです。
理由はとてもシンプルです。TOEICは「理解する力」を測る試験であり、英会話は「使う力」を鍛えるトレーニングだからです。TOEICでは、
・英文を読む
・英語を聞いて意味を取る
・正しい選択肢を選ぶ
といった「処理能力」が求められます。一方、英会話では、
・自分で英文を組み立てる
・0.5秒で言葉を出す
・相手の反応に応じて言い換える
という「運動能力」が必要です。
つまり、TOEIC=知識の処理、英会話=運動技能なのです。
「TOEICの勉強」と「英会話のトレーニング」は別物
これはスポーツに例えると分かりやすいです。短距離走の選手が、長距離の練習ばかりしても速くはなりません。逆に、長距離の選手が短距離の練習だけしても勝てません。「走る」という点では同じですが、必要なトレーニングはまったく違います。
英語も同じです。「TOEICの勉強」と「英会話のトレーニング」は、似ているようで別物なのです。もう一つの大きな理由が「語彙の性質」です。TOEICでよく出る単語は、
contract(契約)
negotiate(交渉する)
revenue(収益)
compliance(遵守)
といったビジネス理解のための語彙です。一方、日常会話で多く使われるのは、
I mean
kind of
actually
sounds good
let me check
など、シンプルで反射的に使う表現です。
つまり、
TOEICの語彙=理解するための英語
英会話の語彙=反射するための英語
という違いがあります。
では、TOEICの勉強は無意味なのか?
ここは誤解しないでください。TOEICの学習は非常に価値があります。なぜなら、
・文構造が理解できる
・語彙の土台ができる
・リスニングの処理速度が上がる
つまり、「話すための土台」は確実に作られるからです。ただし、「話せるようになるトレーニング」は別に必要。これが真実です。
英会話に必要なのは「勉強」ではなく「トレーニング」
ここが最も重要なポイントです。英会話が伸びない人の共通点は、「勉強はしているが、トレーニングをしていない」という点にあります。
英会話とは、「知識を瞬時に口から出せる状態にする」作業です。これは「理解」ではなく「回路化」です。そのために必要なのが、
・音読
・瞬間英作文
・パターン反復
・シャドーイング
です。難しいことではありません。むしろ、「中学英語レベルの簡単な英文を
体が覚えるまで繰り返す」。これが一番効果があります。
日常会話で使う語彙は700語で十分?
ネイティブの日常会話で使われる語彙は、約700語程度で9割がカバーできるという研究もあります。つまり、難しい英語を覚えることよりも、簡単な英語を「使える状態」にすることが重要なのです。
英会話は、難しいことをやる能力ではなく、簡単なことを反射的にできる能力です。
英会話ができる人の勉強法
これまで英語をがんばってきた方ほど、「自分は向いていないのではないか」「才能がないのではないか」と考えてしまいます。ですが、違います。単に、勉強の方向がズレていただけなのです。これは修正できます。しかも、比較的短期間で変化が出ます。
英会話が伸びる人には共通点があります。それは、
・正しい順序
・正しい方法
・必要な量
が自然に回る環境に身を置いていることです。英語学習は、気合では続きません。仕組みの中に入ることで継続できます。
英語は努力を裏切らない
毎日15分でかまいません。音読、瞬間英作文、反復を続けるだけで、「英語が口から出る感覚」が必ず生まれます。
この瞬間から、英語は
勉強 → 運動
知識 → 技能
へと変わります。
最後に、英語が話せるようになる人は、特別な才能を持っている人ではありません。ただ、
正しいトレーニングを、正しい順序で続けた人。それだけです。英語は努力を裏切りません。ただし、方向が合っている場合に限ります。
これまでがんばってきた方ほど、「あと一歩」で変わります。英語が「勉強」から「使える力」に変わる感覚を、ぜひ体験してみてください。