【3行要約】・上司や同僚とのコミュニケーションに課題を感じるビジネスパーソンが増加しています。
・たくま氏は、人を動かすには「重力(ルール)」「大気(環境)」「通貨(報酬)」の3点観察が重要だと指摘。
・相手が何を大事にし、何に苦しみ、何で喜ぶかを把握し、適切な通貨をポケットに入れて渡すことが信頼構築の秘訣だと語りました。
前回の記事はこちら 観察は3点だけ「重力(ルール)」「大気(環境)」「通貨(報酬)」
たくま氏(以下、たくま):ということで今日は、そのために何を観察したらいいのかという話をします。「重力(ルール)」と「大気(環境)」と「通貨(報酬)」です。「何のこっちゃ」という感じですね。基本的に人はこの3点で動いていることが多いんじゃないかなと思います。
会社にお勤めの方は特にそうです。これ以外のルールで動くのは、友だち関係とかだと思います。あとは、ここのルールに適応されるかはわかりませんが、家庭や夫婦関係みたいな話になると、日本の場合はまた「世間」という難しいルールがあります。そういう世間のルールにもけっこう侵食されていたりします。
ただ、ビジネスをやる上では、ルールと環境と報酬ですね。「重力」と「大気」と「通貨」をご理解いただくといいんじゃないかなと思います。
キーパーソンのルールブックを握る
たくま:重力というのは、基本的には「何に縛られていますか?」みたいな感じです。「彼にとって重要なルールは何だろうか?」みたいな(ことです)。自分にとっては大事じゃなくても、その人にとって大事なものって絶対にあるんですよね。
さっき僕がお伝えした上司の例、「結論を急ぐとブチ切れる星人」は、結論の情報をすごく大事にしているんですよね。結論ありきではなく、情報ありきの結論をすごく大事にする人でした。その人の場合で言うと、情報の品質をすごく大事にする人だったんですよね。本当にそういう上司でした。
逆に、定年間近のパフォーマンスの高い管理職の方が上司になった時は、とにかくスピードでした。その人に切り替わった時は、ルールがまったく変わりました(笑)。
今までどおり丁寧に情報を上げていたら、「それだと間に合わないだろう。結局、お前は何が言いたいんだ?」とすごく言われたので、この人は「結論を先に持ってこないとキレる星人」なんだなと思い直し、きちんとそのルールに従って、自分のやり方もスイッチさせてやっていきました。
正直、けっこう大変ですが、その人のルールブックをがんばって早めに見つける、というのがポイントです。会社員の方は、全員のルールブックを握る必要はないと思っています。キーパーソンのルールブックを握ってください。
僕は会社員の時に、部門をまたいで「仲良しさん」みたいな人がたくさんいて、その人たちは全員キーパーソンだったんですよね。自分の仕事を動かすにあたって、「この人を握っておけば大丈夫だよね」みたいなキーパーソンをちゃんと握っておく。
その人たちのルールが中心になって、部門のルールになっている、みたいなところはかなりあるので、そういうところを早め早めに握っていただけるといいと思います。何を大事にしているのか。逆に何を大事にしていないのか。そこを明確に切り分けるといいと思います。
部門間とか、いろんなジャンルの人を集めて話をする時に、ここのポイントを見ておいていただけるとけっこう違いますね。「なんでこの人たちは話が擦り合わないんだろう?」となった時に、「大事にしている思想がぜんぜん違うわ」みたいな(ことです)。
実はその思想の擦り合わせから始めないと話が始まらない、みたいなことはけっこうあります。ビジョンを合わせる以前の問題で、「思想が違うわ。大事にしているポイントがぜんぜん違うわ。じゃあそれを擦り合わせないと話にならないよね」というところで、僕がファシリテーションをする時は、そういうところを擦り合わせたりします。
余裕を奪うものを知る
たくま:次に、どんな空気を吸っているかというところです。「この人にとって余裕がなくなるものってなんだろう?」というのを探してほしいんですよね。
営業の方のご相談に乗った時は、やはり「売上という数字に追われるのがとてつもなく息苦しい」みたいなことをおっしゃいます。自分もそうですし、相手がどのような空気を吸ったら気持ち悪さを感じるのか、不快になるのか、余裕を失うのか、ということも把握しておくと大変よろしいです。
ルールは土台の部分で、大気は周りです。どういう人たちと関わっているかが大気です。人と人とのつながりで働くことがほとんどなので、どんな仕事をして、どんなルールで、というところと、どんな人と一緒に働いているのかをウォッチしてあげると、だいぶ違います。
ちなみに、ここのガス抜きをしてあげると大変喜ばれます。このあたりもしっかり握っておいていただけるといいんじゃないかなと思います。ご自身のお友だちやパートナーにも、「何が嫌なんだろう」みたいなことは言えるかもしれませんね。
僕も子育てをしていて、3人子どもがいるんですけど、不快感のポイントが3人とも違いすぎて、「こっちの子を不快にしないようにすると、こっちの子が不快になる」というトラップにはまっています(笑)。「そういうところの折り合いもつけなきゃいけないし」という中で、やっています。
なので、さっきのルールと、どんな空気感の中で、誰と一緒にどういう空気で仕事をしているのか、生きているのかを確認した上でいくと、わかります。