【3行要約】 ・社内の人材が研修を担当する「社内トレーナー」のメリットについて、社員研修体制の内製化を支援する中島豪氏が解説します。
・研修スタイルは集合・オンライン・ハイブリッドの3種類があり、それぞれに特徴や準備方法が異なるため、目的に応じた選択が重要になっています。
・初心者は集合かオンラインに特化し、ハイブリッド型は経験を積んでから挑戦することで、より効果的な学びの場を提供できるでしょう。
前回の記事はこちら 研修スタイル別のメリット・デメリット
中島豪氏:では、ここまでが研修のテーマを設定して、カリキュラムを作成するところまで。そのあとに考えていただきたいのは、「その研修を、どうやっているのか?」という議論です。ひと昔前は、研修イコール集合研修でした。

講師がいて、会議室とかに集まって受けるのが当たり前でした。冒頭の開始案内でもお話しさせていただきましたが、コロナ禍を経てオンラインという選択肢が増えたことによって、教えたい内容に応じて手段を使い分けていただくことの必要性が出てきました。
なので、単に集合研修の気持ちでオンライン研修に臨むと、準備ややり方がまったく違ったりします。ここで研修の実施スタイルに合わせた、それぞれの準備方法についてご案内いたします。実際に今、社内トレーナーの方が研修を行うにあたっては大きく3つのスタイルがあります。
1つ目は集合研修、2つ目はオンライン研修、そして3つ目はハイブリッド型の研修です。一つひとつのスタイルに合わせて、準備や実施方法についてご案内していきましょう。

まずは、一番イメージの湧きやすい集合研修からです。特徴としては、参加者が1つの場所に集まって対面で実施するスタイルなので、直接的なコミュニケーションや受講生同士の関わりも活性化します。講師からしても、受講生の状況が手に取るようにわかります。

これを準備するにあたっては、先ほどから挙げさせていただいていますが、まずは場所や時間の確保が重要です。やはり研修会場を確保して、机や椅子のレイアウトをどうするか。少し広い教室であれば、音響設備を事前に確認していただきながら、研修に使う資料の配布準備もしていただきます。
そしてスタートすると、いきなりドンと研修が始まるわけではないので、アイスブレイク。要は、最初にちょっと参加者の緊張を解いて場を温めていただくところからスタートして、実際に講義を行う。講義を行うにあたっても一方的にしゃべるような内容ではなくて、双方向性、インタラクティブ性をしっかりと取り入れながら適宜タイムマネジメントをしていく。
最後にフィードバックやまとめをしていただくというところが、集合研修の特徴と進め方の部分です。みなさんが社内トレーナーで研修するにあたって一番多いのは、やはりこの集合型の研修かなとは思います。これと同じ準備、同じ進め方がオンライン研修に活かせるわけではないんですね。
オンライン研修の準備はツール選定と接続テストが重要
オンライン研修の特徴は、参加者がインターネットを通じて参加する研修スタイルです。場所の制約が少ないので全国どこにいてもZoomやTeamsに入っていただければ柔軟に実施できます。ここには書いていませんが、コストもだいぶカットすることができます。

やはり集合型ですと、移動交通費や宿泊費、もしかしたら「お弁当を出すよ」なんていうケースもあったりすると思いますので、お昼もコストがかかってしまうところもありますが。オンライン研修では、そういった制約条件を解決していただくことができます。
これを準備していただくにあたって、まずはツールの選定から入ってください。会議室を押さえるだけの集合研修ではなくて、やはり何のツールを使って実施するのか。そのツールに慣れていただかないと、講師が「じゃあ、ちょっと画面共有しますね。あれ? どのボタンからするのかな? なかなかログインできなくて入れないんです」と、取り残されてしまうことがあったりしますので。
どのツールを使うか選定をしていただきながら、カメラやインターネットの状況といった技術的な準備、そしてプレゼン用の資料もスライドで用意する必要があります。それらをしながら、コンテンツの最適化をしていただくところも重要です。
やはり画面を映しながらになりますので、視覚的に見やすいもの。あまり文字ばかりだと読むのが大変だったりするので、視覚・視聴に適したスライドを用意していただく。このあと簡単にご紹介しますが、ツールを入れていただければ、オンライン上でもインタラクティブに、双方向にやり取りをしていただく要素を作っていただくことができます。
そういったものを準備しながら、ぜひ事前のコミュニケーションはちゃんとやっておいてください。できれば、ログインのテストもしていただくと理想かなと思っています。若い世代の方はそんなことはないんですが、ある程度ベテランの方々になっていくと、そもそも「Zoomに入れない」「Teamsに入れない」。
コロナ禍を経て減ってきたかなと思いますが、やはり一定数はそういった方がいらっしゃいます。これは、集合研修でやる(ケースで言う)と、そもそも「研修会場にたどり着けない」なんていう状況と同じです。そういったことがないように、ツールの使い方や、インストールしておいてほしいソフトは、ちゃんと事前に連絡をしていっていただく。
ハイブリッド型研修は両方の特性を理解して準備を
というかたちで進んでいただきながら進行管理をして、最終的にフィードバックをしていくところがオンライン研修の特徴と進め方の部分です。こうやって対比して見ていただくと、まったく違うというわけではないんですけども。やはりオンライン研修は最近取り入れられたこともあって、どうしても必要なスキル、使う筋肉が異なる部分があります。
ここには書かせていただいていませんが、講師の労力も若干違ったりするんですよね。やはり集合型だと実際に聞いている人が目の前にいるので、なんとなく反応を見ながら「ちょっと変えてみようかな?」「ちょっと、話の強調するところをいじってみようかな?」ということができます。
今、私がまさにやっているようなZoom型。特にウェビナー型でやっていると、みなさんの顔が見えない状況で一方的に話しているので、もう自分を信じて突っ走るだけなんですね(笑)。みなさんはなかなかイメージがつかないと思いますが、私は今、自分の(PCの)画面に向かって話しかけているだけなので。
みなさんがどういう状況なのかわからない中、自分でこの話をしながら、時間配分を見ながらやっています。使う筋肉が若干異なってくるところも、講師の方からすると、しっかりと準備しておかなくちゃいけないポイントですね。
ハイブリッド型研修は上級者向け
そして、もう1つ。スタイルとして挙げられるのがハイブリッド型の研修です。なかなか実施する機会はないかなと思いますが、要は対面とオンライン、両方で行うケースです。

会議室に集まって講義をしながら、そこにカメラを置いてZoomやTeamsなどでも配信している。集まれる人は教室で、遠方の方はパソコンで入っていただくということで、これがけっこう難しいんですよね。実際には、両方の準備をする必要があります。
先ほどのように会議室を用意して、生配信する環境を作るんですが、会場の設営や設備によっても配信方法が異なりますし、どちらも疎かにすることはできないんですね。目の前の受講生の方もそうですし、カメラの向こうにいる、オンラインで参加している方々も細やかにフォローをしていく必要があるので、正直やる手間は2倍になります。なので、お互いにそれぞれの特徴を捉えながら、準備を進めていただく必要があります。
今回は、初めての社内トレーナーの方向けというところで、やはり、まずは集合研修かオンライン研修をやっていただくのが、おすすめかなと考えております。やはりどうしても、ハイブリッド型は高度なコーディネーションが求められます。どっちもフォローしていかないといけないし、だいたいオンラインの方々がちょっと蔑ろになってしまっていて、目の前の人たちに注力してしまうことも(あります)。

私も経験があり、「けっこう大変だな」という感覚がありますので、まずは集合研修かオンライン研修のどちらかの実施準備を徹底的にしていただくところがカギです。なので、それぞれの研修スタイルに適した進行方向を熟知していただきながら、受講生にとって有益な学びの場を提供していただきたいなと思っています。
ポイントとしては、それぞれ特徴は異なります。集合が向いている内容もあれば、オンラインが向いている内容もあったりします。
ただ、集合研修ができるからといってオンライン研修がうまいかというと、必ずしもイコールではありません。重要なのは、異なるスタイルの研修を実施する際には初心を忘れずに、「初めてそれをやるんだ」という気持ちで、入念に準備をしていただくところがポイントでした。