【3行要約】
・北の達人代表取締役社長の木下勝寿氏が、ビジネスや人間関係のよくある悩みについて回答します。
・木下氏は面接で相手の「考え」より「行動」を聞き、オーラを感じることで真の人物像が見えてくると語ります。
・また、信頼できる人を見抜く質問についても紹介しています。
前回の記事はこちら 「うそ」と「真実じゃないこと」は違う
——相手のうそを見抜く方法はありますか? 木下社長は採用の面接もされると思うんですけど、テクニックとかがあれば。
木下勝寿氏(以下、木下):たぶん意図的なうそって見抜けないと思うんですけど、面接では「うそを言っている」のと「真実じゃないことを言っている」って、別なんですよね。考え方を聞いてもどうとでも言えるので、みんな事実じゃないこともけっこう言います。

仕事というのは、最終的にはお客さんからお金をいただくことで成り立ちます。なので、例えば「仕事において一番大事なことって何ですか?」と聞いた時に、「僕は最終的にお客さんが満足しているかどうかを重視しています」と言うとするじゃない。これは考えを言っているんだよね。「じゃあ、お客さんからの満足を重視するとした時に、具体的にどんなことをしましたか?」と聞いて返ってきた内容が、面接の判断基準になるんですね。

それで言ってきたことが大したことがなかったら、「お客さんの満足が大事だ」と考えているのはうそじゃないんですよ。だけども、「それを行動に移せるような行動力は別にないですよね」とか「お客さんの満足に対する解像度が低いよね」という感じになってくるんですね。なので、具体的な行動とかを全部聞いていく感じです。

——「うそじゃないこと」と「真実じゃないこと」の見極めってすごく難しいなと思ったんですけど、自分が即行動できるかって、けっこうシンプルにわかりやすいところですね。
木下:例えば僕はいつもよく言うんですけども、特に面接で僕が意識していることが2つあります。1つは相手の考えを聞くんじゃなくて、相手の行動を聞いています。もう1つは、オーラを見ています。
——えぇ!?(笑)。
あえてぼーっとした状態で面接する理由
木下:これはなかなか難しいんですけど、僕自身は面接の際に、あえてぼーっとした状態で面接するんですね。ぼーっとした状態で相手からオーラを感じるかどうかをやるんです。
なんでこれをやるようになったか。実際にあった話です。新卒の面接で、ある人が「体育系の大学で剣道部のキャプテンをやっていました。みんなを引っ張って、剣道の全国大会で優勝しました」(という話をしたので、)「おぉー」と思いました。すごくやる気があるタイプに見える感じですね。ところが、その話の内容とこの人の雰囲気がぜんぜん合っていなくて、まったくオーラを感じないんですよね。
(とりあえず)「なるほど」と思って、ずっと質問していったんです。まず、「剣道の大会で優勝した、その剣道部というのは、あなたがキャプテンになって初めて優勝したんですか? それともずっと優勝していたんですか?」と聞きました。
そうしたら「毎年優勝していました」という話だったので、「この人が引っ張ったから優勝したわけではないかもしれんな。単に剣道がうまいやつが集まっているんじゃないか?」と思ったんですね。
「じゃあ、毎年優勝していたんですね。あなた自身は、優勝のためにどんなことをしましたか?」「みんなを引っ張っていくために、こういう練習をしました」「なんでそういう練習をしたんですか?」「これはうちの伝統で」……みたいな感じで、この人が何か新しい練習を編み出したわけじゃないなと。
経歴とその人の能力に関係があるのかを見る
木下:「あなたはどういう理由でキャプテンに選ばれたんですか?」と聞くと、「今までの個人戦での戦績が一番良かったので」と答えたので、「この人は単に剣道がうまい人なんだな」と感じたんですよ。高校まで剣道がうまくて、剣道がうまい人が集まる大学に行って、その中で一番剣道がうまかったからキャプテンになって、剣道がうまい人が集まっているから優勝したというだけの人。

もちろん剣道がうまいことはすごいんだけども、別にそれで仕事ができそうかどうかとはぜんぜん関係ないですよね。単に剣道がうまいだけでは、人格的なオーラって別に出てこないわけです。となってきた時に、面接で聞いている内容とオーラのギャップがある時は、ここをばーっと詰めていくと、実はあんまり経歴とその人の力は関係ないことがけっこう多かったんですね。
——「オーラを見る」って、どこを見るんですか?
木下:雰囲気だよね。だから、例えば本当に自分の力でがんばってやっていたら、(話し方にも)雰囲気が出てくるじゃないですか。
——目の感じとか声とかに?
木下:そうそう、声とかしゃべりとか。やはりぜんぜんそのへんを感じないタイプの人に対しては、なるべくぼーっとした感じ(の状態)で、オーラを感じるか感じないかとかでけっこう見ていますね。
話したいことがあふれている人はオーラを感じる
——フラットな感じで見るんですね。逆にオーラがある人ってどんな感じなんですか?
木下:話したいことがあふれている感じの人は、けっこうオーラを感じます。(あと、)ちょっと言葉で表現するのは難しいけど、どっしりした感じの人っているよね。
——でも、今、木下社長がおっしゃることを聞いて、私は堀川(麻子)副社長の顔が思い浮かびました。あふれ出る感じとか、落ち着いている感じとか。
木下:「BreakingDown」に出ていた「こめお」さんってわかるかな? 『Nontitle』(という番組)で1回ちょっとお会いしたんだけど、やはりけっこう他の出演者に比べて、オーラがぜんぜん違うなって思いまして。
——そうなんですね。
木下:こめおさんも含めてプレゼンをしていたんですけど、何を聞かれてもぜんぜん焦らない。わかることとわからないことがはっきりしていました。「すみません、そこについては調べていませんでした」と答える時も焦る感じは一切なく、「自分でできることは全部やり切った」みたいな雰囲気を感じました。やはり彼からはオーラをすごく感じたね。
——「この人だったら任せられそう」って思えるんですね。
木下:そんな感じだったね。
——うそを見抜く方法というか、どんどん行動の部分を突き詰めて聞いていくと?
木下:(そうすると)本当のその人の姿が見えてくるかなという感じですね。