【3行要約】
・職場の多様性が進む中、「マイクロアグレッション」という無意識の言動が相手を傷つけ、組織に分断を生み出す問題が注目されています。
・クオリア代表の荒金雅子氏は「多様な人材が共に働く環境では、意図せず相手を傷つけ、信頼関係を損なうことがある」と指摘します。
・無意識の偏見に気づき、言動が相手にどう伝わるかへの想像力・共感力を持つことが、職場の分断を防ぐ第一歩となります。
職場の分断を引き起こす「マイクロアグレッション」とは
荒金雅子氏(以下、荒金):みなさん、こんにちは。簡単に自己紹介をさせていただきます。現在クオリアの代表として、このダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進に日々取り組んでおります。
なんといっても2025年は、大阪・関西万博が開催されました。弊社は大阪に住所がありますけれども、私はNPOの一員として「ウーマンズ パビリオン」で、ジェンダー平等に関するワークショップを開催させていただく機会がありました。その時の内容は、この万博が発出した「いのち宣言」の中に、実は提言を1つ入れさせていただきました。このURLを資料の中に貼り込んでおりますので、後ほどぜひご覧いただければと思います。
それからもう1つ、私はこの会社を立ち上げるにあたり、女性と経済をテーマとしたグローバルのさまざまな情報を収集したいということで、「Global Summit of Women」という大会に毎年参加しております。2017年には東京大会の運営に関わらせていただきました。
2026年(の開催地)はトルコのイスタンブールです。ぜひ企業からこの大会に、女性の役員候補の方、あるいは役員や管理職の方に派遣をしていただけないかなと思っております。これについてもご興味のある方はご連絡をいただければと思います。
多様性が進む職場で増える“意図せぬ傷つけ”
荒金:今日のテーマは「マイクロアグレッション」です。DEIを進めておられる会社さまの中では、すでにもう「取り組みをスタートしている」とか、「アンコンシャス・バイアスなどの研修をやっている」と、こういった言葉を見聞きして関心があるとか、これを勉強したいという方もたくさん来ておられると思います。
私たちの職場は今、多様な人たちが働く場になってきました。性別や年齢、国籍だけではなく、仕事をする中で病気と共に生きる方であったり、あるいは育児中、介護中、障がい者の方、さまざまな価値観を持って働く人、本当に多様な人がいて、その人たちを活かしていくのがDEIの考え方です。
けれども、お互いの違い、多様なところがあるとなかなかうまくコミュニケーションが取れない。時には意図せずして相手を傷つけたり、お互いのすれ違いや誤解から信頼関係を損なう。組織の中に大きな断層が生まれるような状況もあるかなと思います。
今日は、このマイクロアグレッションについて、みなさんと少し一緒に考えていければと思っております。
私は職場の中でダイバーシティを推進していく、いわゆるプラクティショナー、実践者としてさまざまな企業の取り組みとか、あるいは海外の情報などをもとにコンテンツを開発しております。
マイクロアグレッションについても2013年にマレーシアに行った時に、初めて「アンコンシャス・バイアス」という言葉を知り、その延長でこのマイクロアグレッションの重要性にも気づきました。
ですので、今日はどちらかというと、マイクロアグレッションの考え方について、私なりに今理解をし、みなさんに重要性をお伝えし、企業として職場の中で取り組んでいただくための情報をご提供できればなと思っています。
思い込みが強化されることの危険性
荒金:もともとの出発点ですね。私たちは誰もがこのアンコンシャス・バイアス、無意識の偏見・思い込みを持っています。自分では気づいていない物の見方や捉え方のゆがみや偏り。これがアンコンシャス・バイアスです。

物事を効率的に素早く処理する上では非常に役に立つ、「高速思考」とも言われていますけれども。このアンコンシャス・バイアスは、決して悪いものではないんですが、自分の中の偏見・思い込み、偏ったものの見方に気づかないままにその思い込みが強化されていって、時として相手を見下す、軽く扱うような否定的なメッセージになっていく。
そのことが表面化して、相手に言葉や態度として届いて傷を負わせる。ハラスメントやメンタル不調にもつながるような大きな問題になっていくんだということで、最近非常に関心を集めているものです。マイクロアグレッション、自覚なき差別。意図せず発した言葉や態度が表面化したものと言われています。
どういったものかというところで、実は弊社でマイクロアグレッションのeラーニングを作っておりまして、その中にいくつか動画を挟んでおります。今日はその動画の1つをご覧いただきながら、みなさんと一緒に考えていければと思います。それでは短い動画ですが、1つご覧いただければと思います。