【3行要約】 ・「情けは人のためならず」など、一見古いと思われがちな格言の意義について、株式会社北の達人コーポレーション 代表取締役社長・木下勝寿氏が解説します。
・木下氏は「100万円稼ぎたいなら100万円分役立つべき」と説き、小さな親切の積み重ねが信頼構築につながると指摘します。
・納得できなくても行動し経験を積むことが、自己成長と成功への最短ルートになるという実践的な哲学を取り入れるべきです。
前回の記事はこちら 「情けは人のためならず」は実は自分主義
——「情けは人のためならず」って、本当ですか? きれいごとのように聞こえます。
木下勝寿氏(以下、木下):僕自身も最初の頃は、あまりよくわからなかったんですよね。いろいろ生きていく中でだんだんわかってくる部分があって。「情けをかける」というのは結局、人のためにやっているつもりでも、最終的には自分に返ってきているから、自分のためのものですよという意味の「情けは人のためならず」なんですけども。
これは、ある研修で教えてもらった話です。僕自身は「成功したい」「お金を稼げるようになりたい」と、思っていました。ある研修の講師の方がですね、「そのためには、人の役に立たないといけない」みたいな話をしたんです。僕自身は、その時はまだ若くてピンと来なくて、きれいごとのような感じがしたんですね。
「世の中の稼いでいる人が、みんながみんな人の役に立っているわけではないんじゃないか?」みたいな感じだったんですけども。その講師の人に言われたのが「じゃあ、木下さん。僕に1万円ください」と言ったんですよ。「なんでですか?」って聞いたら「いや、欲しいから」というふうに言われて。「嫌ですよ」と言ったら、「どうしたら1万円をくれますか?」と言われました。
自分の利益を極限まで考えると「情け」にたどり着く
木下:「1万円分、何か僕の役に立ってくれたら1万円払いますよ」と言ったら「1万円分、役に立ったら払ってくれるんですね」。要は、人からお金をもらうということは、そういうことなんですよという話で。人に1万円をもらおうとすると、1万円分の役に立たないともらえないですよね。自分が払う場合もそうですし、買う場合もそうです。

1万円お金を払うということは、相手の人がそれだけ役立ってくれているよねという話であって。例えば会社でお給料をいただいていたとしても、基本的には会社が「あなたがこれだけ役立っているから」ということで払ってくれますよね。必ずしも1円単位でやっているわけではないにしても、といった場合に、「役に立つか・立たないかは関係なくお金が動く」というのは2つしかなくて。税金と詐欺だけなんですよ。
税金は、役に立ったかどうかに関係なく自動的に取られます。詐欺も、役に立っていなくても取られます。税金を取る立場や詐欺をやる以外で、人の役に立つ以外は、お金を稼ぐ方法はないんですよっていう話で。払う側になったら「確かにそうやな」とわかりますよね。「100万円ください」って言われて、役に立っていないのに100万円払うことってないですよね。
そうなった時に、100万円稼ぎたいとなったら、100万円分役に立ちましょう。1,000万円稼ぎたいんだったら、1,000万円分、人の役に立ちましょうとなった時に「人のためになりましょう」「人の役に立ちましょう」って、「相手のためにやっているのか?」というと、そうではなくて。結局、自分のためにやってますよねということなんですね。
だから「情けは人のためならず」っていうのは、結局はめちゃくちゃ自分主義なんですよ。だから決して「優しい」という意味合いではなくて。自分のメリットだけを考え尽くした結果、たどり着くのが「情けは人のためならず」。なので自分が「得したい」「儲けたい」「稼ぎたい」と、思っているんだったら、バンバン人に情けをかけていきましょう。
人のためにやっていきましょうということなんですね。これが長年、伝わってきたものであって。僕もその時に初めて理解して、そこから「あぁ、ちゃんと人の役に立とう」と、思えるようになりましたね。