【3行要約】・英語が話せるようにならない悩みを抱える人が多いなか、その原因は「ネイティブから学ぶ」という一般的に良いとされる方法にあるかもしれません。
・英語学習者12,000人以上を指導した経験から、根岸貴規氏は「初心者にはネイティブから学ぶより学習法の習得が先決」と指摘しています。
・効果的な英語習得には単語・文法・音読・多読という基礎の積み上げが不可欠で、明日から実践できる具体的な3つのアクションから始めましょう。
※このログは根岸貴規氏の
note記事を転載したものに、ログミー編集部でタイトルなどを追加して作成しています。
初心者はネイティブから学んでも上達しにくい
根岸貴規氏:英語学習を始めたばかりの方から、よくこんな相談を受けます。「ネイティブの先生に習っているのに、ぜんぜん話せるようにならないんです……」。気持ちは痛いほどわかります。私も英語を独学で身につけるまで、同じ迷いを抱えて何度も遠回りをしました。
でも安心してください。あなたの努力が足りないわけではありません。“英語を教わる相手” が間違っているだけなんです。
この記事では、「なぜ初心者はネイティブから学んでも上達しにくいのか?」「どうすれば効率よく英語力を伸ばせるのか?」を、経験談も交えながら丁寧に解説します。読み終わるころには、“明日から何をすればいいか” が霧が晴れるように見えてきます。
ネイティブは「英語を学ぶ方法」を知らない
●日本語を教えられない日本人と同じ構造
「外国人に日本語を教えてと言われたらできますか?」。
多くの人が「いや…話せるけど教え方はわからないです……」と言います。そうなんです。話せること と 教えられること は全く別物です。そしてこれは、英語でもまったく同じ。生まれながらに英語を習得したネイティブの多くは、「英語を学ぶ方法」を知らないんです。
だから、文法の土台がない初心者には構造や仕組みを言語化できず、「なんとなく」で教えざるを得ない。これでは英語は伸びませんよね。
「ネイティブの講師に2年教わったのに話せない」
以前、40代の女性の方から相談を受けたことがあります。「ネイティブ講師のレッスンを2年続けたのに、話せるようにならないんです……」。詳しく聞いてみると、レッスンは全部英語、教科書通りの会話練習だけ。“どうやって英語力を伸ばすのか” は一切教わっていませんでした。
私はその方に、
・音読
・単語の覚え方
・文法の復習手順
を一から伝えたところ、3ヶ月で「英語の筋力」が明らかについていくのがわかるほど成長しました。その方は「今まで“英語を教わること”ばかり考えていたけど、必要だったのは“英語の学び方を知ること”だったんですね……」とおっしゃっていました。
まさにその通りです。初心者に必要なのは“英語”ではなく “英語の学び方”。英語学習というのは、宝探しよりも“地図作り”に近いんです。宝(=英語が話せる状態)を見せてもらうだけでは意味がありません。どのルートを進むか、どんな道具が必要かを知らなければ、宝のある場所にはたどり着けない。ネイティブは“宝”そのものを見せてくれるけど、“宝の場所への行き方”は教えてくれないことが多いんです。
英語学習者がまず身につけるべきは、
・単語の覚え方
・文法の積み上げ方
・音読のやり方
・反復トレーニングの設計
つまり、英語を「勉強する技術」なんです。ここが抜け落ちると、どれだけ英会話レッスンを受けても結果は出ません。
ネイティブから学ぶべきは「中級者以上」
誤解しないでいただきたいのは、「ネイティブの先生が悪い」わけではありません。ただし、適切なタイミングがあります。
●ネイティブが“最強の武器”になるのは中級者以上
・単語・文法の基礎ができている
・自分で文章を組み立てられる
・音読の習慣がついている
ここまでできて初めて、ネイティブの発音や自然なフレーズが活きます。初心者にとっては、ネイティブは 「サプリメント」 であり、主食にはなりません。主食はあくまで単語・文法・音読の反復。ここを飛ばすと、一生遠回りします。
間違った方法では何年も成果が出ない
英語学習は一見すると単純ですが、間違った方法で続けると何年も成果が出ません。ただ、安心してください。もしあなたがいま「遠回りしてしまった……」と感じているなら、それは「大きな財産」です。なぜなら—
●遠回りした人ほど、正しい方法に切り替えた瞬間に伸びる
・失った時間の悔しさ
・やっと見つけた正解への安心感
・ “もう迷いたくない” という強い意志
これらが行動力と継続力を生み、驚くほどのスピードで英語が伸びていきます。私はこれまで12,000人以上を指導してきましたが、本当に伸びる人の共通点は「迷いの経験があること」です。
「王道の積み上げ」が最強
特別なことは一切必要ありません。むしろ、地味で、シンプルで、王道の積み上げが最強。
【英語初心者がやるべき4つの基礎】
単語・熟語の暗記(1週間50〜100語)
中学英文法の総復習(3〜5周は必須)
音読の反復(1文30回〜50回)
簡単な英語を大量に読む(多読)
これだけで、英語の“地頭”は確実に育ちます。そして、この王道には近道はありません。ですが、正しくやれば必ず結果が出ます。
まとめ:英語初心者は「学び方」を知ることから
この記事で何度も繰り返していることですが、初心者に最も必要なのは ネイティブとの会話ではありません。必要なのは——英語を効率よく身につけるための「地図」。そして毎日積み上げるための「仕組み」。
ここが整えば、あなたの英語力はこれまでの数倍のスピードで伸びていきます。遠回りした自分を責める必要はありません。気づけた今が、あなたの一番若い日です。
明日からできるアクション
今日のこの記事が、あなたの英語学習のターニングポイントになります。もし「本気で変わりたい」と思ったら、まず次の3つだけやってみてください。
今日覚える単語を20個決める
中学英文法の1単元を復習する
英文1つを20回音読する
たったこれだけで、1週間後に“英語の筋肉”がつくのを感じられます。一緒に、最短で英語力を伸ばしていきましょう。