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【仕事選びで陥りがちな7つの幻想】「好きを仕事に」はなぜ危ういのか / 給料で幸福度は変わるのか / 性格診断で適職は見つかるのか / 適性にあった仕事も危ない!?(全2記事)

仕事選びで陥りがちな7つの幻想 「適性に合った仕事」も危ない理由 [2/2]

デキる集団の中で自分を活かすコツ

鈴木:例えば、何でもできる人たちのコミュニティの中で自分が一番何もできないとしても、そこで自分を活かす道は絶対ある。その何でもできる人たちに一番得意なものをやってもらって、その人たちが時間がなくてできないことを、自分がやればいいわけです。その集団の中で自分が最下位だったとしても。

要するに自分がどういうコミュニティの中にいるのかを判断しないことには、「自分はこれが強みだな」とか「適性があるな」と思ったというのはあんまり意味がない。実際、強み診断で「ストレングス・ファインダー」みたいなものはありますけど。

これはまぁまぁちゃんとした診断なんですよ。やはり自分の傾向とか自分の性格特性の中で、どこの部分が強いのか、低いのかはわかるし、科学的に検証も進んでいるから根も葉もないものではないんだけど。人生の満足度を上げるためにこれを使うのはいいんですが、正しい職選びには使えないよなということが、やはりよく言われることなんですね。

入江:これで自分の強みを見つけることがある程度できるけれども、そこと職選びがうまくつながっていくか。

鈴木:そうなんです。自分がこれから所属するコミュニティの中で、その強みというか偏りが活かせるかどうかはまったく判断できないから、あくまでざっくりとした傾向なんですね。「自分はこういう学習意欲のある人間だな」とか「勤勉な人間だな」というのがなんとなくわかるだけなので、それを考えるとこれで判断していくのは難しいですよね。

入江:実際(会社に)入ってみないとわからないですよね。

鈴木:実際どういう人たちがそこにいるのかにすごく左右される。これが職選びの難しさですね。

入江:みんな必死にこれを考えていますよね。

鈴木:まぁね。他にあんまり基準がないというのはありますよね。

面接で適切な人を見抜けるわけがない

入江:「自分の強みを探すしかない」みたいな。あと、どうにかそういう強みをつけるために努力したりとか、みんなするじゃないですか。

鈴木:そうですね、確かに。スキルをつけようとしてがんばって、「学生時代はこういう実績を上げました」「リーダーシップを取りました」みたいなやつですね(笑)。

企業もたぶん、そこらへんを求めていない気がしますけどね。「みんなそう言うしな」ぐらいの感じだと思うんですけど(笑)。

入江:実際に自分が働き始めて何年か経ったら、ちょっとそういう冷めた目で見ていたんだろうなとわかりますよね(笑)。

鈴木:企業側も困っているっちゃ困っていますからね。やはりみんな同じようなことを言うから、「面接で能力を発揮できる人を探すのはなかなか難しいな」というのは、たぶん今、多くの企業の問題意識だと思うんです。実際、難しいので(笑)。面接で適切な人を見抜けるわけがないから。

入江:一見いいなと思う「好きを仕事にする」とか「給料」「性格」「適性」で選んでしまうと、自分が幸せに働ける仕事選びにはつながらない。

鈴木:そうですね。可能性はそんなに高くはならないという言い方になりますけどね。

入江:いい仕事選びにつながる可能性があまりない。

鈴木:あまりないですね。もしかしたら、好きを仕事にしてうまくいく人もいるかもしれないですが。大谷(翔平)さんとかはそうですけど。

入江:そうですよね。スポーツ選手とか、好きを貫いているじゃないですか。

鈴木:そう。でもその下に無数の屍がいるわけですよ。

入江:しかも、幸せかどうかはわからないですよね(笑)。

鈴木:確かにね。あんなに家まで追い回されてね(笑)。

入江:ああいうポジションの方は大変だと思うんですよ。

鈴木:大変ですよね。プレッシャーもあるでしょうしね。

入江:そうですよね。この本は、この続きにステップが続いていくような作りになっていて、「実際にどうやったら幸福な仕事選びができるのか」という7つの項目が書かれているので、次の動画でこちらについておうかがいしようと思います。よろしくお願いします。

鈴木:よろしくお願いします。

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