【3行要約】・英語を長年勉強しても話せない理由は、文化の壁や教育の仕組みにあり、多くの日本人が「わかっているのに言えない」というジレンマを抱えています。
・外資系投資銀行で20年働いた根岸貴規氏の経験によれば、英語力は才能ではなく日々の反復から生まれる「習慣」によって決まるとのこと。
・英語を話せるようになるには「発信言語」という認識、毎日のアウトプット、発音強化、英語環境の習慣化、そして間違いを恐れない姿勢が重要です。
※このログは根岸貴規氏の
note記事を転載したものに、ログミー編集部でタイトルなどを追加して作成しています。
日本人が英語ができないのはなぜ?
根岸貴規氏:「英語を何年も勉強してきたのに、なぜ話せないのか……」そう感じている方、多いのではないでしょうか。学校で6年、大学で4年、社会人になってからも教材を買って勉強しているのに、いざ外国人に話しかけられると固まってしまう。心の中では「わかっているのに言葉が出ない……」と焦る。
実は、これはあなたの努力が足りなかったわけではありません。日本人が英語を話せないのには、“仕組み”の側に原因があるからです。今日は、「日本人が英語ができない理由」と「今日からできる克服方法」を、経験と科学の両面からお伝えします。
単語も文法もわかるのに「話せない」理由
① 文化の壁:自己主張より“空気を読む”言語
日本語は、相手の気持ちを察し、言葉を省略して伝える文化です。一方で英語は、自分の意見をはっきり伝える文化。
例えば仕事で上司に「この資料、明日までに直せる?」と聞かれたとします。日本人なら
「できると思います」と“やんわり”答えるところ、英語ではYes / No を先に言い、理由を添える必要があります。
この文化差を理解せずに英語を学ぶと、「直接言いすぎて失礼に感じる……」と心理的ブレーキがかかってしまう。つまり、語学という以前に“思考の土台”が違うんです。
② テスト英語中心の教育
学校で習ってきたのは「試験に正確に答える英語」。でも実際必要なのは「意思を伝える英語」です。英語ができないのは、インプットは十分でもアウトプットが圧倒的に足りていないからです。
私の生徒さんに、こんな方がいました。文法は完璧、単語もわかる。でも外国人に話しかけられると固まってしまう。理由は簡単で、「正しく話そう」とするほど、脳が処理しきれず止まるからです。
③ 発音練習の不足(日本語脳のまま)
英語は音の数が日本語の約2倍以上あります。それなのに、発音トレーニングをせずに話そうとしても、聞こえないし、伝わりません。「RとLが難しい」のではなく、そもそも“英語の音の存在”を知らないまま勉強している人が多いのです。
④ 英語を使う環境がない
頭では理解していても、“使う機会”がなければ言語は定着しません。スポーツと同じで、英語は使ってこそ上達するスキルです。
外資系企業に入社してぶつかった壁
ここで一つ、私自身の話をさせてください。私は外資系投資銀行で20年働きましたが、英語がペラペラで入社したわけではありません。最初は毎日震えながら会議に出て、聞き取れない、言えない、悔しさだらけ。
そんな私を変えたのは、“才能”ではなく日々の反復でした。毎日30分でも音読と瞬間英作文を続けた結果、英語は“努力ではなく習慣”へ変わり、それがキャリアと人生を変えました。
今日からできるアクション
1. 英語=「発信する言語」と理解する
まずは文化の違いを知ること。英語は「はっきり伝える」言語です。
例:
× I think maybe it's better……
○ It’s better because……
言い切る勇気が英語脳の第一歩です。
2. インプットよりアウトプットを重視する
“完璧にしてから話す”ではなく話しながら上達すると決める。
おすすめの練習法
・1日3分の英語音読
・YouTubeのシャドーイング
・英語日記を1行だけ書く
・瞬間英作文アプリを使う
※量より継続です。
最初の1ヶ月でやるべきは「発音」
3. 発音は最初の1ヶ月で集中して学ぶ
発音は「基礎」です。基礎がないと、聞こえない=理解できない。まずは以下だけでOKです。
・TH
・R / L
・V / B
・弱形(and→ン)
発音が変わると、リスニングとスピーキングが一気に伸びます。
4. 毎日“英語の音”に触れる
おすすめは以下の「軽い習慣」です。
・英語のYouTubeを2分だけ
・英語ポッドキャストを散歩中に聞く
・スマホの言語設定を英語にする
努力ではなく、環境を味方につけるんです。
5. 失敗=成長と捉える
英語は「間違いながら伸びる」言語です。むしろ、間違えた回数が多い人ほど伸びます。恥ずかしさよりも、話した自分をほめる習慣をつけましょう。
必ず英語を話せるようになる習慣
日本人が英語できない理由は努力不足ではなく、文化と教育の“仕組み”にあります。だからこそ、
・英語は「発信言語」と理解する
・少しでも毎日アウトプット
・ 発音を最初に強化
・英語環境を習慣化
・ 間違いを恐れない
これを続ければ、必ず英語を話せるようになります。そして何より大切なのは、1日10分でも“今日から”始めることです。