お知らせ
お知らせ
CLOSE

横山信弘氏 出版記念講演&交流会 人を動かす話し方の技術【Sales Growth Meet】(全5記事)

一歩間違えると組織が壊れる“要注意人物”の特徴 7タイプ別に見る、相手の特性に合わせた接し方 [1/2]

【3行要約】
・人を動かすには論理的な説得だけではなく、人間心理に基づいたアプローチが必要とされています。
・横山信弘氏は人の“燃え方”を7タイプ別に分類し、特に承認欲求が強い“要注意タイプ”についても指摘しました。
・メンバーのタイプを見極め、特性に合わせたアプローチを取ることで、効果的な人材活用を実現できると語ります。

前回の記事はこちら

7タイプ別に見る、人の“燃え方”の違い

横山信弘氏(以下、横山):(人の“燃え方”には3タイプあり)自燃人は自分で勝手に燃える人、可燃人は火をつければ燃える人で、不燃人は燃えません。ただ、燃えないだけであって動かないということではないです。「燃える」というのは「その気になる」ということですね。

だからロボットみたいにクールな人だったら、別にその気にも何にもならないと思うんですよ。書籍に書いたドライ不燃人というのはロボットみたいな人で、「理屈に合うんだったら動きます。理屈に合わないんだったらまったく動きません」というジャッジをする人のことです。

自燃人、可燃人、不燃人の3つに分けた時に、とにかくほとんどの人が可燃人です。可燃人にとっては何が重要かというと、自分のペースなんですよ。

例えば営業が「社長、いいじゃないですか。もう決めましょうよ」と(顧客に対して)言っているのは営業のペースです。自分の数字もあるから、相手のペースで決められるのがすんごく嫌なんですよ。

例えば結婚でも、親から「もういいかげんに結婚しなさい」と言われても、「俺が、私が決めるんだよ。なんで親にそうやって言われなくちゃいけないんだ」となる。ピュア自燃人とかは、親から「結婚しなさい」と言われたら「わかった」ってなるかもしれないんですが(笑)。

ほとんどの人は何もないのに「いやいや。いろいろあるから」「いろいろと事情があるので」という感じになります。ですから、こっちのペースでやるのはダメなんですよ。

うちの妻は子どもに対して急かすタイプなんですよね。例えば夏休みの宿題があったら、「なるべく早くやったほうがいい」と言っても(子どもは)やらないんですよ。早くやったほうがいいのはわかっているわけですが、お母さんから言われてやるのはしっくりこないので嫌なんです。

論理的にはどう考えてもそっちのほうが正しいんだけど、「早く準備しなさい。早くしなさい。この前も○○だったじゃないの!」って言えば言うほどやらないんですよ。なので、そういう言い方をするのはやめておけと言います。

「アーリー可燃人」には相手のペースに合わせつつ押す

横山:これはコーチングやNLP(人間心理とコミュニケーションに関する学問)でもよく使われているんですが、相手のペースに合わせることを「ペーシング」と言います。

「ここはあんまり強くいかないほうがいいな。でも、ちょっと押しておかないといつまで経っても動かないから、もうちょっと行ったほうがいいかな。そろそろいけそう?」という感じで、相手の立場に立って物事を考えて、相手のペースに合わせる。最初からこっちがブルドーザーみたいに行っちゃいけないわけですよ。

なので、組織の中ではこういうふうに分かれていくことがあるんです。自燃人のペースで何かをしようとすると、ほとんどの人が抵抗してきます。だいたい現状維持バイアスがかかっているので、そう簡単には変われないんですよ。相手のペースに合わせて、「そこまで言うなら」と「せっかくだから」の2つのフレーズを引き出す。だから、話し方もへったくれもないんです。

例えば「『鬼滅の刃』見た? 見なくちゃダメよ」「なんで? 漫画を読んでいないし、前の映画も見ていないしいいって」「絶対に見たほうがいいから。まだやっているから」と、何回も何回も連絡がある。また電話がかかってきて、「『鬼滅の刃』見た?」「見てない。もういいって」となっても、MessengerやSlackなんかに「『鬼滅』見た?」という連絡が来ているんです。もうええって……という(笑)。

(会場笑)

横山:でも、周りにも(映画を)見ている人がかなりいたら、「まぁ、そこまで言うなら行くか」となる。もういいわって言いたくなるわけですが、「とにかく行かないと収まらないから」ということで行ってみたら、「あぁ、よかった」ってなるかもしれないじゃないですか。行ってみないとわからないですよ。

ピュア自燃人だったら「『鬼滅』を見に行ったらいいよ」「わかった!」ってなるわけなんですが(笑)、ほとんどの人はそうならないんです。なので、この2つのフレーズを言わせるために、相手とペースを合わせながら少しずつ押していく。これがアーリー可燃人へのアプローチですね。

少数派になるのが怖い「レイト可燃人」を動かす方法

横山:レイト可燃人が動く動機は本当に理屈じゃないんです。「せっかくだから」とかそんなことを言わないので、外堀を埋めないといけないです。少数派になるのが怖いので、「周りはそんなにやっているの? じゃあ、そろそろやるか」みたいな感じになるんですね。

なので、レイト可燃人をなんとか動かしたいんだったら、理屈もへったくれもないですが、「◯◯さんもやっているし、△△さんもそろそろいいんじゃない?」って言うと、「いや、実は私もそろそろやろうかと思っていたんですよ」とか言うんです。ほんまかいなっていう話なんですが、人に説得されて動くということは絶対に認めたくないんですよ。

「いや。別に部長がどう言おうと、前から9月ぐらいからやろうかなと思っていたんですよ。8月中はちょっと忙しいので9月の第1週からやります。大丈夫です」とか、絶対にそんなことないだろうと思っていても適当なことを言うわけですよ。なので、可燃人対策を頭の中に入れておかなきゃいけない。

例えば家族旅行に行くといっても、誰が自燃人で、可燃人で、不燃人なのかはテーマによって変わってきます。私だったらディズニーリゾートはアンチ不燃人で、どんなに息子に言われても行かないです。うちの妻と息子と娘に「お金は出すから3人で行って。絶対に行かない」って(笑)。

ぜんぜん嫌いじゃないんですが、ものすごく混み合っていて、たぶん死ぬんじゃないかと思った経験が過去にあって。その経験がトラウマになっているので拒否感があるんですよ。

最近の映画ネタで言うと『国宝』がそうですね。『国宝』については、どちらかというと私はアーリー可燃人ですね。妻が「見る? 行く?」ってうるさいんですよ(笑)。(妻は)自分で『国宝』を見に行って最高だったと。でも私は「ほーん。イケメン2人が出てようわからん、なんのこっちゃ。見に行くんだったら『F1』かな? 『ジュラシック・ワールド』かな?」なんて言っていたんですよ。

あえて『国宝』は行かないぜと言っていたんですが、顔を合わせるたびに妻が「『国宝』行く? 今度の日曜日は?」って(笑)。言われれば言われるほど「うーん」ってなっていくんです。

「チケットを買うのが面倒くさいし」と言ったら、「面倒くさい? 買ってあげる」って(笑)。そのお金は俺のやんって思うんですが、「もういいわかった。そこまで言うならせっかくだから行くわ」と言って見に行ったら最高だった。『絶対達成ラジオ』でも最高だったとしゃべりました。妻も「そうでしょ!」みたいになるわけです。

同じ人でもテーマによってタイプは変化する

横山:ただ理屈で考えると、確かに『国宝』を調べてみたら、そりゃあすばらしい映画だろうなと思っても、やっぱり体が動かないんです。例えば俺が「『国宝』どうですか?」と言ったって、みなさんは「行く!」って言うピュア自燃人だと思うんですが、「別に横山さんに言われたからって」となるじゃないですか。そんなもんですよね。

でも、たぶんそういう人がいるから興行収入110億円突破(2025年8月22日時点)ですか。今日もニュースになりましたね。邦画の実写では第2位までいきましたが、まだ(上映は)10月ぐらいまで続きますかね。ひょっとしたら(邦画の実写で歴代興行収入1位の)『踊る大捜査線( THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!)』を抜くかもしれないと言われています。ちなみに私は『鬼滅』はピュア自燃人でしたね。

(会場笑)

横山:前の映画はまったく見ていないのに、YouTubeで(予告を)見たら「ものすごい映像じゃないの」となって、ただ映像を見に行っただけという。妻と息子に行こうよと言っても、「『鬼滅』なんか知らないじゃん」と反対されてたので1人で行きましたからね。

(会場笑)

横山:だから(“燃え方”のタイプは)テーマによって変わっていくんですよ。私はディズニーはアンチで、『鬼滅』はピュアで、『国宝』はアーリーだった。なので、そういうものを見極めていくんです。

例えば家族に「みんなで焼き肉に行きたい」と言っても、「焼き肉?」という人もいれば、「焼肉行きたい!」という人もいる。テーマによってどういうタイプになるのかをある程度見分けることによって、話し方の構成、量、中身が変わってきます。

「アピール自燃人」には要注意な理由

横山:あと数分なので事細かく話をしますね。書籍やラジオで特によくしゃべっているのが「アピール自燃人」です。このアピール自燃人には本当に気をつけてほしいですね。

せっかくセールスギルドで講演をさせていただいていますので、S1グランプリを盛り上げていきたいですよね。ああいうイベントはボランティアでみなさんやっていますかね。

「協賛を募っています」と(冒頭で)おっしゃっていましたが、古瀬さんたちやセールスギルドさんはギバーでやっているから何の利益もないんですよ。だけど当然、運営費が必要だから協賛を募っているということですね。日本の営業のステータスを上げたいからやっている活動なんですよ。

だから、そういう人に対しては「なんとか応援したい」となる。そうすると、みんなが集まってくるじゃないですか。ここで一役買うのがアピール自燃人なわけです。どのようにして口コミで広げるのか、紹介を受けるのか。これはラジオでもYouTubeでも対策を言っていますが、まさにアピール自燃人の出番ですね。

アピール自燃人というのは、例えば「古瀬さんに褒められたい。評価されたい」とか、とにかくある人から承認されたいという気持ちがすごく強いんです。「君はすごいね」って言われるとホーッとなっちゃう人です。だから(動機が)理屈じゃないんですよ。古瀬さんから「これをやってください」と言われたら、「わかりました。やります」となる。

(アピール自燃人は)承認欲求が強いからアピールしてくるわけです。例えば「社長、これをやったの誰だと思います? 私です」って言われた時に、そうかもしれないんだけど「お前だけじゃねぇじゃん」と言ったらダメなんですよ。

「いや。みんながんばっているし、なんで自分だけアピールするの?」って(心の中では)なるんだけど、その人をきっちり承認することによってものすごい力を発揮していくんですよね。なので、みなさんがもしコミュニティとかをやられているんだったら、口コミの理論は本当に絶対に覚えておいてほしいです。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

次ページ: アピール自燃人にとっての報酬は「承認」

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!