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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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横山:ラジオを聴いている方はもう1回聞くお話になっちゃうんですが、因果関係というのは「原因」と「結果」なので、「こうすればだいたいこうなるよね」というものです。「今年は本当に暑いからアイスクリームの消費量がすごいんじゃないの?」というのは、(気温とアイスクリームの消費量に)関係がありそうです。だから因果関係があるということですね。
なので、「(今年は暑いから)ビールもみんな飲みたくなるんじゃない?」というのは、なんとなく予想がつくんです。そういう仮説を立てたら、「ビールをもっと仕入れようか? アイスクリームをもっと仕入れようか? 鍋の素を仕入れるのははやめておこうか?」となるわけじゃないですか。
ただ、「夏だって鍋を食べたい」という人もいるかもしれないです。でも、たぶんその仮説(夏に鍋の素を仕入れるのはやめておくこと)は原因と結果がなんとなくわかりやすいから、確率は高いんじゃないかと思うわけです。
相関関係というのは、「こっちが上がるとなぜかこっちが上がって、こっちが下がるとこっちも下がる。何か関係があるんじゃないの?」というものなんですよ。ただ、「意外とこれとこれが影響を与え合っているわけでもなさそうだ」というものに着目したほうがいい場合があるわけですよね。
マーケティングで考えた時に、「この数字がこうなっていくということは、こっちもこうなるかもよ」という場合、なんでそうなるのか。この数字が上がることで別のところに影響を及ぼすのかというと、たぶんそうじゃないんだけど、過去何年間か見ていると何か(相関関係が)あるわけですね。
「こっちの数字が上がりかけているから、こっちもいくかもね」というのが相関関係です。でも、そういうことがよくわからない人は「何か意味があるんじゃないか?」と思うわけですよ。これを「論理の飛躍」とか「偶然の必然化」という表現をします。「偶然です」と言っても、「いや……これは何かあるよ」という感じです(笑)。
運がいい人が仕事の成果が出る、みたいな。運って何やねんという話なんですが、営業って一生懸命がんばっていてもうまくいかないことが多いんですよ。勉強やスポーツだったらまだわかるじゃないですか。「こういう勉強や対策をしていればテストの点数が良くなる」とか「こういう練習をしていればスポーツや競技が上手になる」ということは、なんとなく予測できるんです。
ただ、お客さまのことを思って課題を抽出して、それを解決するような提案をすれば間違いなくお客さまが喜んでくださる、買ってくれるに違いないと思ったら、ぜんぜん買ってくれないことがあるんですよ。「なんでなん?」っていう。
ところが逆のパターンもあって、「お客さまにこんな高額なものをご紹介したって、ぜんぜん見向きもしないだろう」と思ったけど、「買うよ!」と言われたら「なんで?」ってなるわけなんです。「あれ? 意外とこういう人に売れるのかな」とか、そこには因果関係があるんじゃないかと思っても、やはり再現性がない。
横山:コンサルタントは、どうしてもつまらない表現で「再現性」という表現をよく使うんですよね。はっきり言って、運気と再現性は真逆ですよね(笑)。運には再現性がないからロマンがあるわけですよ。どうしてもコンサルタントの人は、ロマンティストじゃなくてリアリストだからつまらないんです。
ロマンがあったほうが人生はおもしろいと思うので、因果関係がないことが起きるとうれしい、楽しい、おもろいってなるわけなんですよね。ただ、コンサルタントはどうしても「それって本当に意味あるの?」って聞きたくなっちゃうんです。
(図を指しながら)BとEの話をしたいと思います。BすることによってEとなる、つまりBが「原因」でEという「結果」を出すという式があるとするでしょう。これは因果関係がある。ところが、だいたいBというのは離れている場合があるんですよ。
今日もビッグサイトに行ってきたんですが、営業とかマーケティング関係のソリューションや展示があったんです。20年以上前ですが私も日立製作所時代、東京ビッグサイトや幕張のところでブースを構えて、SFA・CRMのソリューションをやったことがあるんですが、今日もいろんなIT企業が出展していました。
大変失礼なんですが、ああいうものって「うちのソリューションを導入することによって御社の売上アップにつながりますよ」という言い方じゃないですか。申し訳ないんですが、そうすると私は「本当に?」「因果関係はあるの?」ってなっちゃうわけですよ。
「これとこれを情報共有したり見える化することによって、間違いなく御社の営業効率がアップします」「買った!」みたいなね(笑)。「ちょっと待てや社長。本当に? それって直接的につながっていますか?」って言いたくなるんですよ。
横山:ラジオでも言っていたんですが、「塾に通うことによって子どもの成績が上がる」って、そこに因果関係はあるのか? ということです。「テスト対策でしっかり勉強しました。だからテストの点数が上がった」というのは因果関係がある。だけど、塾に通ったからといって本当にテストの成績は上がるのかっていう。これ、わかりづらいと思うんですよね。
さっきの情報システムもそうなんですが、「このシステムがあることによって営業成績がガーンと上がる。生産性がポーンと上がる。こんな事例があります」って言われちゃうと、「うわー」ってなるじゃないですか。
「それが我が社に入ったら……そんなにいいものだったらうちにも入れろ」みたいな感じになるわけですが、ちょっと待てと。「BとEの間に、C(話すこと)とA(前提)という媒介しているものがないとダメなんじゃないですか?」と言いたくなるんですね。
例えば、情報共有をするナレッジのシステムが導入されることによって、どこに問題があるのかに気づく。そうすると、「そうか。こういうお客さまに対してはこういう提案をすればいいんだ」「このお客さまにこんなに足繁く通ったって意味がないな」「自分のリソースをどこに効率的に配分したらいいのか。このシステムで明らかになった情報を共有することによって、組織の中のリソース配分が非常にうまいこといくんだ」というふうになる。
だけど、この間にはいろいろあるわけですよ。当然こんなのは、「システムを導入しました。誰も入力しません」「入力はめちゃくちゃするんだけど誰も活用していません」では何にもなりません。(システムを)見るんだけど行動が変わらないんだったら何にもならないです。
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