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【19分で人生変わる】東証上場社長が実践する目標達成術(全2記事)

良い目標は“背伸びした数値の1.3倍” 北の達人・木下勝寿氏が教える、成長できる目標の立て方 [2/2]

「今週中」ではなく「40時間以内」と考える

木下:目的達成のために思考アルゴリズムがありますので、これを2つ紹介したいと思います。

日付の数値化の法則というものがあります。まず、目標を立てました。目標というのは、必ず期限を設定すべきなんですね。そして、その期限の設定の仕方にもコツがあります。

例えばみなさん、人生が仮に80年とした時に、「80年」って聞くと「長いな」と感じると思うんですよ。

でも実際に、この80年って日数で言えば2万9,220日なんですよ。「生まれてから死ぬまで2万9,220日です」と考えた時に、「あと、これだけしか残されていないんだ」と思うと、一日一日をけっこう大切にしようと思うんですね。なので、日付ベースで考えるとか。例えば仕事をやる時に「今日中にやります」ではなくて「7時間半以内にやります」だったりとか。

「今週中にやります」と言っても、月曜日と水曜日ではぜんぜん違いますよね。なのに「今週中」という言い方をしてしまうので、5日間あったとしたら、1日8時間働くとすると「40時間以内にやります」という感じです。

時間は思っているより少ない

木下:40時間以内にやるということは、けっこう時間がないですよね。月曜日の朝に「今週中にやりますね」って言って「いつやろうかな? まぁ、時間が空いたらやろう」と思うんですけど。

「40時間以内にやりますね」と言った時に、「えっと、俺、このあとこれだけ予定があるから、今やらないとダメだよね」みたいな感じになります。時間って、意外とみんなが思っているより少ないんですよ。

なので、目標設定した時は全部、時間とか日とかに落とし込むと、のんびりすることが意外と難しくなってきます。なので、必ず時間や日付で設定する。ぜひ、この癖をつけてください。

――40時間と聞くと、けっこう焦ってきちゃいますね。

木下:ですよね。

基本の目標期間は最長3ヶ月

――じゃあ、自分が立てた目標の中でやっていくことをしっかりと決めていくのが大事なんですね。例えば、掲げた目標を30日後に達成するのか、60日後に達成するのかっていうところ。どれぐらいのスパンで考えたらいいかという、期間の考え方について教えてください。

木下:感覚的な部分になるんですけども、最長で3ヶ月にしたほうがいいと思います。例えば本当に10年がかりでやるみたいな、人生の目標もあるとは思うんですけど。そういう場合は、マイルストーンを置くんですね。例えば「10年間かけてこの目標を達成するぞ」と思っても、その場合は「5年後にこういう状態」とか「1年後にこういう状態」なんですけども。

「1年後にこういう状態」だと、たぶん今すぐ動きが変わらないと思うんですよ。なので最短で1年後にこの状態になるために、9ヶ月後にこの状態、6ヶ月後にこの状態、3ヶ月後にこの状態という(ふうにする)。

長くても3ヶ月としてください。そしてこの3ヶ月を「66営業日」とかの言い方にするんですね。そう考えると、けっこう日数がないですよねっていう感じになりますので。

基本的には最長でも3ヶ月。でもそれ以外は、基本的には短ければ短いほどいいと思います。

時間単位で考えると効率化が進む

――意外でした。本当に短いですね。

木下:人ってやはり、それ以上は意識がもたないんですよね。6ヶ月間毎日ずっと1つのことを追いかけられるというのは、余程何かが好きとかいうのがないと、普通の人はなかなか。3ヶ月ぐらいで変わらないと意識がもたないという感じですね。

――達成できそうなものの1.3倍を、まずは3ヶ月で設定してみる。それをまた、66日営業日で捉えるということで、だいぶ(意識が)変わりそうですね。

木下:そうですね。そこに8営業時間とかけると、もっと時間がないってわかりますよね。66日×8時間は何時間(笑)? 528時間(笑)。3ヶ月で達成するよって、実は528時間以内で達成するんですね。けっこう、今すぐやらないとダメな感じですよね(笑)。

――一日一日の動きが変わってきそうですよね。

木下:はい、ぜんぜん変わってきます。なので、まず絶対に頭をめちゃくちゃ使うようになるんですよ。無駄なことに時間を割いては、絶対に達成できないというのがわかるので。頭を使っていくので、ここでものすごく効率化が進んでいくんですね。

目標を達成するための作戦の立て方

木下:では2つ目ですね。達成確率100パーセントの法則というものがあります。世の中はもう、目標を設定した時に達成したりしなかったりする人と、絶対に達成する人にわかれているんですね。

これは根本的にやり方が変わっています。達成したりしなかったりする人って、どういうやり方をしているかというと、目標に対して、どういう作戦でやろうかを考えます。これを考えていない時点で絶対に達成できないんですけども。

そして多くの人は「この作戦がうまくいけば達成します」という状態でチャレンジしていくんですね。なので、うまくいかなかったら達成しないし、うまくいったら達成するし、みたいなかたちになっています。どんな目標でも必ず達成する人は、どんなやり方をしているかというと、最初にまず作戦を立てます。

成功確率を予備の案でカバーする

木下:作戦というのは、必ずうまくいくとは限らないですよね。この作戦を、仮にAとします。まず、作戦Aの成功確率を考えます。「この作戦Aの成功確率は、50パーセントぐらいかな?」そう思うと、そのまま進むのではなくて、残りの50パーセント分ぐらいの成功確率の作戦を用意するんですね。

こっちのAと同じぐらいの確率のものをもう1つ用意できればいいですし。実際にはAの作戦が今考えうるベストだとすると、同じレベルのものは用意できないので、30パーセントの達成確率のBという作戦、20パーセントの達成確率のCという作戦。合わせて100パーセントになるような作戦を用意してからスタートします。

そして実際に動き始めた時に、Aという作戦がうまくいかなくなってくると、うまくいったりいかなかったりする人は、これをなんとかうまくいくことを祈るしかないんですね。もしくは、もう途中で諦めてしまうんですけども。

必ず達成する人は「たぶんこの延長線上でいっても、うまくいかないな」と、半分も日数が経てばわかってきますので、この段階でBに切り替えます。

Bに切り替えて動きながら、一方でAの50パーセント分がなくなったので、30パーセントで今の作戦を実行して、残り20パーセントのスペアしかないので、あと50パーセント分の作戦を並行しながら一緒に考えていくんですね。

常に100パーセント分の作戦がある状態を維持しながらやっていきます。このやり方でやっていると、例えばAという作戦がダメでした。Bという作戦に切り替えたけど、これもダメでした。Cという作戦に切り替えた時に、最後に達成できた時に、その分、用意したDとかEが残って余ったりするんです。

これって、次に使えるんですよね。もしくは、このDとかEのほうがいい作戦だったりすると、最初からそれをやったらいいよねっていう話なので、スペアをどんどん作りながらやっていく。

こういうやり方をしていると、必ず目標が達成できる仕事のやり方になります。

成功確率を高めに見積もらないために意見を集める

――ありがとうございます。その作戦の達成確率が20パーセントなのか、30パーセントなのか、50パーセントなのかって、初めてやるものだとなかなか見通しが立たないこともあると思うんです。その場合、自分の作戦の成功確率はどのように考えたらよろしいですか?

木下:基本的に目分量でやるしかないとは思うんですけども。本人としては、特に経験値が薄いとけっこう高めに(成功確率を)見積もったりするので。これを、例えば先輩とか経験のある人に「一応、この作戦で成功確率を50パーセントで見積もっているんですけど、どう思いますか?」って聞くと、「いやぁ、20パーセントぐらいじゃないかな」というのは多々あると思うんですね。

じゃあ「それはなぜですか?」って聞くと、「こういう理由だよ」って学んでいくんですね。なので、自分で考えるだけではなくて、周りにも「確率はどれぐらいだろう?」というのを、ぜひ聞くようにしてみてください。

――高めに見積もっちゃうんですね。

木下:そうですね。やはり思い入れがあったりとか、想定外のことがどれぐらい起きていくかっていうこと自体も、多くの人は経験がないとわかっていなかったりします。「こんなトラブルが起きました」みたいになっていくので。

10回に1回の法則というのがあって、基本的に物事って、10回に1回ぐらいしかうまくいかないんですよ。特に最初の9回って、どれだけがんばっても、だいたい失敗して、最後の1回ぐらいがうまくいくようになっているので。基本は、もうほとんどのことが失敗する前提で考えてもちょうどぐらいかなと思います。

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