タスクの「先延ばし」をなくす手帳の書き方　すぐ取り組めないものは「保留期間」を書き込む

手帳は「目に見えないものを見える化する」道具

さとうめぐみ氏：今日用意するものは手帳と、このプチノートですね。そしていつもの5色ペンとマーカーを用意してください。

手帳は、目に見えないものを見える化する文房具です。その特性を利用することで、時間と頭・心を整理し、予定と実際、自力と他力、自分の力でやることと横入りの仕事とか運とか、自分の力ではないようなことの折り合いをつけていきます。理想は数値化できることです。それから夢を明確化し、実現していくことができます。

ペンを握って望む未来を文字にすることで、先延ばしをなくし、幸せを実感する毎日を作っていきましょう。「幸せおとりよせ手帳」なら、所定のワークシートとか欄に書くだけで先延ばしがなくなります。

「先延ばししがちなタスク」を分類する

ではさっそく、1番「先延ばしを分類してみよう。あなたが先延ばしにしていることはどんなことでしょうか？」。これに気づくワークのやり方を説明していきます。

質問です。「あなたが先延ばしにしていること、先延ばしにしがちなことはなんですか？」。これを、私はこんなかわいいピラピラっとなる付箋紙を使ったりしていますが、こういう付箋紙とか。

先ほども紹介したプチノート。手帳と重ねるとこれぐらいの大きさなんですけど、こういうプチノートに、あなたが先延ばしにしていることをぜひ書いてみてください。

私の場合で説明していくと「ライフ☆リング」（将来の目標を書き込むワークシート）に、きれいな字を書くようにしています。一応、著者なので「サインしてください」とか言われた時にきれいな字がいいなと思うし、お手紙を書く時とかも万年筆を使って素敵に書きたいなって思うんだけれども。

ペン字をやろうと思って『30日できれいな字が書けるペン習字』なんてテキストを用意したのにぜんぜんやっていません。先延ばしです。

それから、着物が好きなので縫い物を習っているんだけれども、なかなか完成まで至らない。私は性格上一気にやるのが好きで、ちょっとずつっていうのが実は苦手なタイプかもしれないです。調子に乗ると寝ないでやってしまって、「誰か止めて！」みたいな感じです。

だけれども、縫い物ってちょこちょこっとやるものなので、なかなかできなくて先延ばしになっています。これが私の泣き笑いマークです。

ペン字と縫い物を先延ばしにしています。なので付箋紙に「ペン字」とか、「縫い物」とかって書いていくんですね。

「1日単位」から「年単位」の先延ばしを付箋に書き出す

そしてここからがいよいよワークになってきます。私もPowerPointの使い方に少しずつ慣れてきたので、こういう表を作ってみましたが、付箋紙に書いた先延ばしをこのように分類をしてみましょうということです。

後でプチノートへの書き方をお話ししますが、まず説明すると、実は先延ばしってこういう種類に分けられるなと思ったんです。私は手帳セラピストなので、時期で分けています。この手帳が丸1年ということなので、これで分けてみるとこんなふうになります。

例えば一番小さいタームで言うと、1日とか1週間の中で先延ばしにしていること。それから1ヶ月の間で先延ばしにすること。あと、1年単位で先延ばしにすること。季節単位で先延ばしにすること。そして真ん中が、人生に関わることなのに先延ばしにしていること、と分けられると思います。

実例がみなさんの目の前にあるPowerPointです。先延ばし分類メモの実例として、1日とか1週間でやってしまう先延ばし。私の場合はさっき言ったペン字です。吹き出しに書いてあるのは、「スマホを見ているなら15分でもやれるはず」って自分で突っ込みをしています。

そして1ヶ月単位のは「ない」にして、1年のところは、「単衣の袖付けをやっていない」。この茶色いやつが付箋紙です。「6月には着たい！」って本当は書いているんですけどね。

それから、先延ばしにしちゃうのは、今ちょうど着物は夏の着物の時期なんですが、これが終わったら汗抜きとか手入れに出さないと着物が傷んでしまうんですね。でも残暑も厳しかったりして、いつクリーニングに出したらいいかわからないままになりがちです。ここが春夏秋冬の、先延ばしにしがちな私のパターンです。着物のクリーニングは10月中に出したいなと。

そして将来のお金計画がずっと先延ばしになっています。ただここ最近親を看取って、少しずつやり方もわかってきたので、少し動き始めているかなと思います。

親御さんの介護をしたり、看護したりとか、大変な時期を過ごしている方、いると思います。私は一応そこをくぐり抜けたので、ぜひ個人レッスンとかで力になれるよう伴走しますので、気になっている人は連絡ください。

というふうに、こんな感じでプチノートと付箋紙を使うと、先延ばしが分類できるということを今日お伝えします。

「保留期間」も手帳に書き込む

一方、保留も立派な行動だっていうことをお話ししたいと思います。今お見せした「先延ばし見える化メモ」で、先延ばししていることの期限とかが見えてきたら、手帳に締め切りを書き込んでいくといいんです。

先ほどのこういうやつですね。ペン字だったら1週間単位に書き込むとか、夏物のクリーニングは「10月中だよ」って10月のマンスリーに書けばいいということです。

そしてすぐには手帳に組み込めないものも当然あると思います。そういうのも、ただなんとなく保留しているんじゃなくて、保留するという意識を持っているということで、保留期間も手帳に書き込んでみましょう。

それは「何月に再考する？　今、7月は考えられないけど、9月になったら考えよう」とかですね。あとは1年は52週間あるので、そのうちの第何週あたりで再考しようなどというめどを決めるといいと思います。それから、春夏秋冬のいずれかに再考するっていう保留期間の考え方もあります。

あとは年末に考える。来年どうにかしようという方法。これは手帳セラピーをやっている方はわかると思うんですが、「8年未来年表」っていうのがあるので「あと何年後になったら再考しよう」というふうに保留の期間を手帳に書き込むと、それはただ放り出しているんじゃなくて、保留しているんだという行動になります。

「なるほどなぁ」と思った方は、グーマークを送ってみてください。「保留も立派な行動なんです。手帳に書けば、もうそれは行動になるので、行動したということにします。参加者の人、みんなからグーマークをもらえてうれしいです。

先延ばしする人の5つの心理

では、今1番目で、先延ばしを分類してみました。それでは、先延ばしをする心理について考えてみようと思います。

「先延ばしにする心理とは？」。5つ挙げました。例えば①無理なのに「こなそう」と思って書き込んでしまうような、忙し過ぎる人とか欲張りさんがいたら泣き笑いマークを送ってください。無理なのに書いちゃう人、いますね。泣き笑いが半数以上ですね。

これ、大事なんですよ。自分が無理だなと思っているのに書いちゃうんだなっていう自分の癖をつかんでおきましょう。

では2番目。「時間ができたら……」と思っている。「いつかっていつ？」っていうやつです。これも泣き笑いがいっぱい飛んできていますね。ということは、時間ができたらやろうと思っているのは、あなただけじゃなくて今日の講座を聴いてくれている人、全員です。

では3番目。「時間がかかるから先延ばししちゃうんだよな」っていう人、泣き笑いマークを送ってください。そういう人も半数以上いますね。この場合は時間を割り出そうということで、後で割り出し方を説明します。

では次、ちょっとディープになってきましたよ。4番目。「本当はやりたくない」と思っているから先延ばしになっちゃうっていう人、泣き笑いマークを送ってください。「実はやりたくないんです」っていうやつですね。

こういうタイプは、馬の鼻先にニンジン作戦がいいと思います。本当はやりたくないんだったらご褒美がないとやらないので、これも後でどういうふうに解決していくか、書き方見本をお話ししますね。

実行できたときの「気持ちよさ」を想像する

では5番目、一番ディープな先延ばしにする心理。実行できた時の良い気持ちが想像できない。これ、意外に重症なんです。先延ばしにするのは、やった後に「気持ち良いな」って想像できないからだ、と気づいたことはありますか？

そうなんです。すっきりしたって気持ちを自分の中で先取りできていないと、「気持ち良くなるからそれをやろう」というきっかけが生まれないんです。この気持ちは、手帳セラピーの中でとても大事にしたいものなんですね。

だから1番から3番ぐらいまでは普通のビジネス手帳の書き方で解決していけると思うんですが。4番目、「本当はやりたくない」とか「実行できた時、すっきりできるんだ」っていう気持ちに気づいていないからできない、という心理もあるかもしれないんですね。