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後回しを断ち切り“すぐやる人”になる最速メソッド|東証上場社長実践の後回し撲滅法(全2記事)

“できる仕事のキャパが10倍になった” 東証上場社長を変えた習慣「ピッパの法則」の効果 [2/2]

「パッとやる」ことの意外な効果

木下:要は僕とその社長さんと同じ話をしたんだけども、次に会った時には社長さんはやっているけど、僕はぜんぜんやっていないということなんですよ。「あぁ、そうか」と。

結局、話した内容を“話しただけ”で終わっている。考えているだけで終わっているのか、実行しているのかの違いなんだなってわかったんですね。やはり成果を出している社長さんは考えただけとか話しただけで終わらずに、絶対に実行しているんですよ。

僕自身はその時にふっと「なるほどな。でも俺も忙しいしな、なかなか実行する時間ないよね」って思ったんですね。でも冷静に考えると、どう考えてもその社長さんのほうが僕より忙しいわけですよね。組織を持っていて経営もやっているわけで。

「僕より何倍も忙しい社長さんなのに、なんで僕よりも考えたことを何倍も実行に移せるんだろう」と思って、社長さんに聞いてみたんですよ。そうしたら「ピッパの法則や」と言われたんですね。「ピッと思ったらパッとやんねん」と。

ピッと思ってパッとやると、ほとんどの仕事が片付いていくので、タスク管理をしている脳みそをほぼ使うことがないんだと。確かに僕は実行しないので、常に頭の中に「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」がいっぱいなんですよね。……めっちゃ頷いていますよね(笑)。

――はい、あるあるです(笑)。

脳のパフォーマンスを上げ、時間にも余裕が出る

木下:たぶん仕事が溜まっている人ってそんな状態なんですね。「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」が頭にある状態はめちゃくちゃパフォーマンスが落ちているから、まず1つの仕事をするのにめっちゃ時間がかかっているんですよ。

発生したらこなす、発生したらこなす、ってやっている人って、常にない状態なんですね。なので1個1個の仕事がどんどん消えていく。終わらせる時間も早いし、やるべきことが発生した瞬間にやるから情報の鮮度も高いので、だいたい質も高いんですよね。

すぐにできない時は、いつやるかをパッとその場でスケジュール帳を開いて、今、パッと決める感じ。僕とかだったらGoogleカレンダーを開いて、空いているところを見て、ここにパッと入れるみたいな。

そういうふうにやっていくんだと教えてもらって「なるほど」と。僕は今まで何かやるにはゆっくりまとまった時間でやらないといけないと思っていたけど、「すぐやれることって、けっこうあるよな」と思ってからすぐやるようにしたら、その日ぐらいから突然暇になったんですよね。

それまでは毎日23時、0時まで仕事をしていて、それでも仕事が残っていたのに、その日は夕方ぐらいで仕事がなくなって「あれ?」とか思って。

挑戦回数が増えれば成功確率も上がる

木下:こなしている量は今までと同じなんですけども、結局は無駄な間の時間とかアイドルタイムがめちゃくちゃ長かったんですよ。考えている時間がすごく長かったことがわかって、それをやってからバンバンとキャパが上がっていったんですね。

そうしたら、まず1日でやれる業務量が増えていく。例えば業務量が10倍になると、単純に成果も10倍になるわけですよね。もちろん全部がうまくいくわけじゃないんだけども、うまくいく確率が上がらなかったとしても、単純にスピードが速くなると突然成果が10倍になっていきます。

単に10倍になるだけじゃなくて、実際には成功確率が上がっていくんですね。1日1個しかしていなかった人が10日で10個やって、それぞれ10回に1回成功していました。だから30日間で3個の成果を出しましたってところなんですけども。

だいたい1日で10個やっている人は1日で1個成果が出ます。だから30日間で30個成果が出るんですけども、1日10個やっている人って(そのぶん)数をやっているので、だんだん成功確率が上がっていくんですよ。

そうなってくると60個とかになってくるので、ものすごい差がつきます。実際に仕事ができている人の側からするとわかるんですけど、仕事ができる人とできない人で普通に100倍ぐらいの差はぜんぜんあります。

会話しているだけではあまりわからないんですけど、行動量とか行動の仕方がぜんぜん違うんですね。なので、まずピッパの法則をやるのが大前提だと思ってください。

朝一のメールチェックをしない理由

――業務が発生した段階で、すぐやるか、いつやるかを決めるってことですけど。いつやるかっていうのも、例えば仕事術で「メールチェックは朝一したほうがいい」とか「頭を使うものは午前中がいい」とか、そういう時間術もあると思うんです。

「こういう業務は朝にやったほうがいいよ」とか「夕方がいいよ」っていう、時間の目安ってあったりしますか?

木下:朝一はメールチェックをしないほうがいい。

――へえー!。

木下:まず朝一にメールチェックをするっていうのは、昨日帰ってから今朝までに来たメールだよね。その段階でメールで来ているタスクは、絶対に今すぐのタスクではないのよ。

――確かにそうですね。

メールの案件をつい優先してしまう

木下:今すぐのタスクって電話とか、もっと別の方法で言ってきているよね。ということは今すぐのタスクではないので、まず昨日までの状態でやらなければいけないことで、優先順位を先に決める。

そのあとにメールを見る。そこで優先順位を変えたほうがいいものを入れていく。メールチェックもタスクだから、どうしても人間はメールチェックをすると、メールの案件を先にやろうとしてしまう。

――あります。

木下:僕はどうやっているかというと、タスクを全部メールに投げているんですよ。

――一元化しているんですか?

木下:実は、僕はメールに全部(のタスクを)一元化しているんですね。「この案件はここが残っています」っていうのをメールで全部自分に投げていて、メールを見れば自分がやらないといけないことは一応全部ここにある。

――それは1タスク1メールみたいな感じにしているんですか?

木下:そう、そう。

――だと、今日するのが例えば10個あるとか20個あるっていうのが、受信ボックスに溜まっている状況にしていらっしゃるんですね。

木下:基本的にメールって処理したら既読にするでしょ。未読のものがバーっとあると、ここには自分のタスクがあって、これを見て既読にしたりとかっていう感じ。

スケジュールの組み直しも大切

――そうやって管理していらっしゃるんですね。突然発生するような緊急タスクみたいなものを処理する時間も設けているんですか?

木下:基本、緊急処理タスクは発生しない。先々までずっと考えながらやっているので、基本的な日常でそれは発生しなくて。本当に発生する緊急タスクはトラブルなので、それはもう今すぐしないといけないねって感じです。

――そういうものがあった時にはその日のスケジュールを調整しながら、発生したものを埋めていき、当日の朝に優先順位を考えながら調整していらっしゃるんですね。

木下:そうそう。まず朝に「今日こうやっていこう」ってやるんだけど、やはり(仕事を)やっていく中で状況は変わっていくよね。だから本当は昼にもう1回、スケジュールの優先順位を組み直すっていうのをやったほうが良いかもしれない。

――1日でも朝とか昼とかで状況によって、その日のスケジュールを組み直すということですね。木下社長のデスク周りを紹介した動画もあるんですけど、その日のスケジュールを紙で印刷して可視化できるようにしていらっしゃいますもんね。あれも何か工夫しているポイントがあるんですか?

木下:あれはだいたいほとんど会議のやつなので、何かが発生した時に「このあと俺は時間を取れるんだろうか」っていうのを、Googleカレンダーを立ち上げるよりも、ここを見ながらパッと目線を移しただけでわかるようにするっていうのと。

あと明日のスケジュールも一緒に出ているので「このタスク、なんか1時間ぐらいかかりそうなやつが発生したな」って思った時にパッと見て、今日と明日で時間があるだろうかって見る感じ。

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