お知らせ
お知らせ
CLOSE

【板挟みに苦しむ管理職へ】忙しさから“本当に抜け出す”唯一の方法(全1記事)

管理職ががんばるだけでは負のループからは抜け出せない 上司と部下の板挟みを解消する2つの対処法

【3行要約】
・管理職が板挟みで苦しくなるのは、「自分でなんとかしよう」と抱え込む構造に原因があると語るのは、研修トレーナーの伊庭正康氏。
・同氏は、上司とのすり合わせとムダな業務の見直しが、状況を変える鍵になると語ります。
・がんばるだけでは抜け出せない、続けられるマネジメントのヒントを紹介します。

管理職が苦しむ「板挟み構造」の正体とは

伊庭正康氏:研修トレーナーの伊庭です。管理職は本当に大変ですよね。上司からは「あれやれ、これやれ」と言われ、部下にお願いしようとすれば「いや、早く帰らないといけないですから」と言われる。

この忙しさの板挟みの中で管理職は苦しむんです。本当の問題はどこにあるんでしょうね。今日は、そこの話をした上で、必ず解決できる方法をお話ししていきます。

こんなことは、よくありませんか? 「上司から言われた」そして「管理職は、本当は部下に任せたい」。でも、やはり任せられないんですよね。働き方改革もそうです。部下の「ワークライフバランスを優先したい」という考え方も守ってあげないといけない。そうなると「やはり自分がやるしかない」。でもその姿を見て、部下は思うんです。「あぁ、中間管理職は本当に大変だ。自分は、ああはなりたくない」。

これが今流行りの「管理職罰ゲーム化」というものです。でも、この本当の問題って、どこにあるんでしょう? そこなんですよ。本当の問題がわからなければ、管理職罰ゲームという表面的な問題になっちゃいます。



実は、ある構造をしっかりと理解をして、ここが間違えてますよということがわかれば、なんの問題もないんですよ。

今日のメニューは、こちらです。そもそも管理職が板挟みになる構造を理解していること。そして、まじめな人ほど要注意。この考え方が板挟みの元凶。これをお話ししていきます。そして、その上で板挟みを解消する対策を2つ紹介していきます。楽しみにしていてください。

このチャンネルは、年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、本物の、すぐに役立つTipsを紹介するチャンネルです。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いします。週4回セミナーを聞いていただけるチャンネルです。ぜひ登録しておいてください。

ループ図で可視化する板挟みのメカニズム

さぁ、ではいきましょう。ドン! 板挟みになる構造を簡単に整理をしていきましょう。今日は、因果関係を表すループ図で紹介していきます。こういうものがあるんですよ。因果関係を構造的に捉えるというループ図になぞられながら説明をしていきます。

まず、上からの要望が増えると、中間管理職は優先順位を付けるのが難しくなる。優先順位を付けるのが難しくなると、タスクの量は当然膨らみます。緊急の仕事が増えるんですよね。そうなると、本当は部下に任せていきたいんだけれど、部下に任せられないので、自分がやるしかない。板挟み状態が生まれます。



板挟みになったら、どうなるんでしょうね? それが次です、ドン! 自分が残業してでもがんばるしかないなということで、自分の労働時間を増やします。

労働時間を増やすと、当然ですがタスクの処理力は上がりますよね。労働時間を増やしてでも、タスク処理をするんです。すると問題は表面化しないので、上はまた同じように中間管理職に仕事を降ろすということが起こります。すると、このループがグルグルと回って、板挟みが強化されるというループが始まっている、ということなんです。

「自分が残業すればいい」は最大の落とし穴

これは構造です。まずは構造で捉えます。じゃあ、何が1番の原因なんでしょうか? それはこちら、ドン! 板挟み状態になった時に「自分が労働時間を増やしてタスク処理をすればいい」という、ここです。ここが実は、1番の原因なんです。そうですよね? じゃあ、どうすればいいのか。

まじめな人が、やっちゃっていますよね。「自分が残業して、自分がやるしかないよね」。これが間違いなんですよ。さぁ、どうすればいいんでしょうか。今から2つ話をします。


無理を抱え込む前に上司と調整せよ

では1つ目の対策1。ドン! 上からの要望が来るわけですよね。その時に、優先順位の難易度を付けるのが当然難しくはなるのですが、そうならないために、上司と中間管理職が、きちんと調整をしているかどうかというところが、大きな問題になります。つまり「上司と調整していますか?」です。ここで調整を加えたら、上からの要望が少なくなりますよね。

じゃあ「上司と調整って何?」ですよね。例えば「伊庭くん、今週中に10個の仕事をお願いしたいと思っているんだ」というふうに中間管理職の伊庭が上司から言われたとします。当然ですが、現場のことを考えると10個も仕事を受けると回りません。

そこで上司と会話をするわけです。「今10個を受けると、こういう状態になります。もちろんできればいいのですが、この作業を分担できませんかね。他のセクションと一緒にできませんか?」というふうに、「他のセクションと分担できませんか?」とか「この10個の仕事のうちの4つをどなたかご支援いただけませんか?」というふうにやっていくと、(仕事は)減りますよね?

まず1つ目、納期、ボリューム、クオリティの調整などが必要であれば、必ず調整をすること。と、私は今偉そうに言いましたが、管理職になりたての時、これができずに自分が苦しんでいました。「自分がやれば早い」と思うからですよね。でもそれって対症療法でしかないので、いつまで経ってもこの地獄からは抜け出せないんですよ。


「無理」と決めつける前に対話のドアを開く

本当に必要なことは対症療法をやり続けることじゃなくて、この構造をきちんと正すことです。まず1つ目、構造を正すのであれば、無理がある時は上司と調整をすることです。ここで、こういう考え方が当然浮かびます。「いやぁ、うちの上司はそんなことを言ったって……。無理、無理、無理」と、思いますよね。私も管理職になりたての時は、そう思っていました。

「無理、無理、無理」と思っていました。でも、わかったことがあるんです。コミュニケーションから逃げると、物事はうまくいかない。「言っても無理、無理、無理」。これはコミュニケーションから逃げちゃっているんですよね。

私は、大いに反省した次第です。本当にね、その時、「無理、無理、無理」ということをやっていたんですよ。すると部下から「伊庭さん、会話してないじゃないですか」言われました。「確かに」ということで、きちんと上司と会話をするようにしました。「無理かな?」と思った上司でも、きちんと会話をすれば、それなりには考えてくれました。そうやって、いい上司は考えてくれました。ということを考えた場合に、まったく「無理、無理、無理」ということは、そうそうないということですよ。

なんだったらアドバイスをくれる場合もあります。まずコミュニケーションから逃げずに、上司と調整してみることがスタートです。これが対策1つ目、上からの要望が物理的に減ります。

成果に影響しない業務は思い切って減らす

実は、もう1個あるんですよ。これだけじゃないんですよ。まだまだいきますね。

その2つ目がこちらです。業務量の調整です。見ていきましょう。上からの要望が増えると、優先順位付けの難易度が高くなる。それを防ぐために上司と調整をして、そもそも上からの要望を減らしましょうよという話を、先ほど対策の1でしました。

それでも上からの要望はあるわけですよ。10のうち調整した結果、「10のうち4つを減らすことはできたけど、6つをやってほしいというのが来た」。さぁ、6をやるわけですよね。

対策2つ目は、このタスク量に対して業務量調整という習慣を持っているかどうかなんです。これは何を言っているかというと「やっても成果に影響がそれほどないものは、やめたほうがいいじゃないですか」というふうに、がんばるんじゃなくて、がんばらない方法を考えるというものです。これは、めちゃくちゃ重要です。これはイクルスの法則とか、ECRS(改善の4原則)の法則とも言われています。

「ECRSの原則」でタスクを見直す習慣を持とう

これは私のタイムマネジメント研修で、いつもお話をしています。タスク量は、がんばるものじゃなくて減らすものなんですよね。

成果に影響しないことは、どんどん減らしていきます。例えばECRSは頭文字でEはEliminate、排除という意味です。成果に影響しないことであれば、あえてやめるということも管理職はやらねばなりません。あえてやめる。

2つ目、ECRSのCはCombine、結合です。これは「バラバラにやっている作業を1つにまとめられませんか?」というものですね。工程が分かれているのであれば、工程をまとめませんか? 

そして3つ目はR、Rearrangement。もしくはRearrangeと言います。Re Arrangeですね。順序を変えられませんか? もしくは、入れ替えることはできませんか? 例えば、役割変更もその1つです。あとは裁量を任せてしまうという方法もあったりします。

そして最後はSimplify。単純化。「もっと簡単にできませんかね?」「AI導入できませんかね?」とか。イチからメールを打っているのであれば「みんなでテンプレートを作って、もう入力しないで済ませるようにしましょうよ」「フォーマットを作っちゃいましょうよ」みたいなものです。



このECRSで考えて、業務量を縮小させていますか? という話なんです。これね、私はめちゃくちゃこだわっています。特にEです、Eliminate。「成果に影響しないタスクは、やめちゃえ!」という話です。上司から言われた10のうち、4つ削除して6つがあります。「6をやめるの?」、そういうことじゃないんですよ。今チームで行われている業務で「これって無駄なんじゃないの?」という会議はないですか?

会議をなくしちゃいましょうよ。レポートを見ています? (だったら)なくしちゃいましょうよ。というふうに、なくし係になるんですよ。特に、Eliminateは重要です。排除。これをやると、タスク量は減りますよね。つまり、2回減らすタイミングがあるんです。すると、板挟み状態は、ずいぶんと解消されるわけです。

対症療法で自分が労働時間を増やしてがんばるということは、何の解決にもなっていません。いや、それどころか、長い目で見ると「あんな人には、なりたくないな」「あんな仕事をやりたくないな」という、夢を打ち砕くような管理職ができちゃうという話なんですよ。なので管理職は、上司との調整と、業務の調整をきちんとやらねばならない。

これが、上からの隠れた要望です。「自分で時間を作ってやってね」って、たぶん誰も思っていないと思います。「ちゃんと調整してね」「ちゃんと設計してね」ということが、上からの管理職への要望だと、私は感じています。私もこれに気づくまで1年ぐらいかかった気がします。早く気づいた者勝ちです。もう、気づいていただきました。ぜひやってみてください。

「好循環の構造」を作ることが、本当の“がんばる”

さぁ、では閉めていきましょう。今日の内容は役に立ちましたか? 私は確信があります。飛躍の鍵は「がんばること」ではなく、「好循環の構造」を作ること。私は今、研修会社を運営しています。ですが、がんばり倒しているかというと、そういうことではありません。「もっと仕事くれ」と言っているかというと、そういうわけじゃありません。

好循環です。リピート率が9割とお話ししました。好循環を作るために、やはりやるべきことがあるなと思って、そこに注力しています。その代わりに、自分から営業をするとか、あまり成果に影響しないことは、実は最近やっていないんですよ。もう、やめています。つまり、きちんと業務量を調整することが大事です。

また、お客さまから「あれやって」「これやって」というリクエストは、当然たくさんいただきますが、やはり研修の効果を出すために、そこから逆算して「ここは、なくてもいいんじゃないですか?」という調整をして、逆に「これをやったほうがいいんじゃないですか?」と調整をすることを、やはりやっています。

これはもう昔からやっていて、調整は大事です。好循環を作る調整をぜひ、みなさまの職場でやってみてください。私も好循環を作るためにもっとがんばります。あ、がんばっちゃダメでしたね(笑)。がんばるんじゃなくて、もっとやめていきたいと思っています。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!