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「因数分解! 売れない理由は、“売り方”じゃなく “見方”にある」 ~マーケティング×ビジネス数学で、売上を動かす本質をつかむ~(全3記事)

若手世代が不満に思う上司の指示の例 部下を納得させる“数字で人を動かす”マネジメント術 [2/2]

数値目標がある全ての職種に有用なスキル

理央:そういう意味で「因数分解って大事だなぁ」って。深沢さん、こういうのって営業以外でもあるんじゃないですか? 深沢さんは、いろんなところの企業さんに行かれていらっしゃるじゃないですか。

深沢:はい。

理央:営業以外にもこの考え方ってすごい役に立つと思いますよね。

深沢:もちろん、当然です。例えば、なんだろう。例えば人事・総務でも、採用っていう目標があったりしますからね。

理央:そうそうそう、確かに。 

深沢:だからそれだって、まったく同じことだとは思いますし。

理央:そうなんですよね。例えば、今は売上高でめちゃくちゃわかりやすい事例を言ってくださったじゃないですか。これがね、マーケでいうともっと抽象的なこともあるんですよ。例えば「なかなかお客さまに対して値上げ提案ができないんです」みたいなご相談もよくいただくんですね。

もし部下がそう言ってきた時、できる営業の人は、あまり考えなくてもできちゃうから。「いや、そしたら、お客さまとの関係性を作るのが大事だから」「もっと接待しろ」「コミュニケーションを上げろ」みたいな。

価値をプラスするのではなく、不満をカットする

理央:それはたぶん間違いではないとも思うんですけど。だけどね、やはり選ばれる理由がはっきりしていないとダメなので。値上げって何に対してお金を払うか。お客さまが感じる価値というか、付加価値があればあるほど値上げって通りやすくなるんですよ。この因数分解でいうとね、あるアメリカの先生がおもしろいことを言っていて。

お客さまの感じる価値っていうのは「お客さまが得るもの÷お客さまが失うものなんだ」みたいな。

深沢:なるほど。 

理央:お客さまが喜ぶものを100提供したとしても、同時に100失うことがあったら「それって割ったら1だよね」と。だけど70しか提供できなくても、失うものがないと70÷1だから、そっちのほうが価値があるんだよねみたいな考え方なんですよね。

みんなね、得るものはすごく一生懸命考えるんですよ。例えば僕のルーツのAmazonみたいなeコマースでいったら、こっちは「品揃え豊富です!」「送料無料です」とかは考えるんですけど、Amazonは、お客さまが失うものを削るんですよ。

深沢:うんうん。 

「ワンクリック注文」というAmazonの発明

理央:例えば、僕が行っていた頃なんて2000年とかなので、「次からはワンクリックで、一発で買えます」なんて、誰もやってなかったんですね。これは、お客さまの面倒くささが失うものですね。これを削っても価値が出るか。あるいはeコマースでいくと「どこにほしいのがあるのか、わからない」と(笑)。

例えば、先ほどの深沢さんの『「数学的」な仕事術大全』を、eコマースで買いに来たんだけど検索しても、どこにあるのか分からないあって、3回ぐらいクリックしないとたどり着かない、みたいなね。この手際の悪さとか、面倒くささが失うものですよ。それを割り算で……。(スライドを見て)これ。先ほどのモチベーションの話と一緒ですよね。

深沢:そう思って、今これを映しましたけど。

理央:さすが、話が早い。

深沢:だから結局、大事なことはもう決まっているということです。

人を動かすスキルはマネジメントにも役立つ

理央:そうそう。それを「顧客価値を上げろ!」とかじゃなくて「どっちを上げればいいの?」という話にもなる。そういう意味でも本当に、この因数分解って大事だなって思っているんですね。このモチベーションの話はめちゃくちゃわかりやすいなと思います。衝動性と期限が削ぐものになるってことですよね、だから。

深沢:そうです。まぁ、こういう考え方をマーケじゃなくても、みんなが持っているといいなと思うんですよね。

理央:そうですね。

深沢:こういう考え方を持っていれば、「自分の部下がぜんぜんやる気を出してくれないなぁ」って文句を言うだけじゃなくて、その部下のやる気を因数分解して、解決策を導ける人になれるので、こういう思考はすごく大事なんじゃないですかね。

理央:うん、そうですね。ちょっとね、(時間が)56分になったので、あと10個ぐらい聞きたいことがあったんですけど(笑)。

深沢:え!?

なぜ水曜日にスイーツの売上が伸びるのか

理央:時間がないから、ちょっとあと1個だけ。あのー、先ほど僕の話の中で「示唆を導く」ってあったじゃないですか。

深沢:あぁ、示唆を導く、 

理央:マーケティングでマーケターがやるべきことみたいな。これがすごく大事で。あのー、これ。例えばね、どういうことかというと、これは前に深沢さんと飲み会だったか、僕のところに来てくださった時だったかに「インプリケーション」と言っていたじゃないですか。

深沢:あ、 そういう言葉でお話ししたことがありましたね。

理央:どういうことかというと、マーケットで大事なのは、数字と数字の間の、どこに売れる兆しがあるのかを見つけられるかどうかに尽きるんです。例えば、楽天にお店をずっと出していますと。それで、ふだんは平均1日100万円なんだけど、なぜか水曜日だけ110万円売れていますみたいなことがあったりするんですよね。

野村(克也)元監督なんかは「勝った時こそ分析しろ」と言っていたらしいですけど。

深沢:あぁ、なるほど。

理央:みんな、負けると分析するんですよね。「なんでできなかったんだろう」って。勝つと「いやいや、良かったじゃん! 飲みに行こうか!」となっちゃうんですけど(笑)。

こういう時こそ、なぜ売れたのかを考える。要は、数字と数字の間に何か売れる兆しのヒントがあって、これが示唆を導くってことだと思うんですけど。

数字に隠れたヒントを因数分解で可視化する

理央:これもやはり分解してみないとわからない。因数分解をしていると「顧客単価はいつもと一緒だけど、訪問者数だけ増えているよね」って。僕が一番最初にコンサルした事例で、ラスクを売る会社さんのeコマースを全部やった時に、楽天でそうだったんですよ。

それで、単価も変わらないし。でも人数だけ増えている。「なんでだろう、売れる商品もあまり変わらないし」「なんでだろう」と思って調べてみたら、最初はよくわからなかったんですけど。15年ぐらい前なので今は違うかもしれないんですけど、水曜日って当時の楽天市場で、週間ランキングを発表する日だったんですね。いわゆる「先週はこれだけ売れました!」みたいな。

だから「楽天で買う人は、きっとそれを見に来るんだな」っていう。これが売れる兆しの、いわゆる定性的なところですね。そうすると、じゃあこれからどういう行動をすればいいかっていうと、平日にキャンペーンをやるんだったら、「流入数が増えるから水曜日にやったほうがいいじゃないですか」みたいな。データから示唆を導くって、こういうことなんだろうなって。

深沢:そうですね。

理央:ビジネス数学の視点からすると、こういうことなんだなみたいなね。というのがすごいめちゃくちゃ腑に落ちた感じです。

深沢:ありがとうございます。良かった。

理央:ではですね、いったんここで。深沢さん、ありがとうございました!

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