英語が上達する人・しない人の特徴　英会話の苦手意識を克服する方法 [2/2]

知らない人に声をかけられるのを怖がる日本人

オールライト：すごい。私のFacebookを見てくださっている方はわかると思うんですけど、とにかく日本に来たら、写真を撮るシーンがいっぱいあるんですね。今日は、こういうのを見つけたんですよ。

大西：（笑）。

エイミー：あー（笑）。

オールライト：これは「タバコ ポイ捨て禁止」と書いてあって、その下に「見つけたら声をかけます」とあるんです。声をかけるだけで抑止力になるのは、すごいですよね。声をかけられたくないから、タバコは吸わない。これが「殴ります」だったらわかるんです。殴られたくないから。

（会場笑）

だけど、声をかけるのが抑止力になる。こりゃ英語では無理でしょう。

（会場笑）

大西：そう、だからこれを英語に直して相手に通じるかというと、またぜんぜん違う問題なんですよ。まったく違う文化で生きているわけだから、「声をかけます」と言われたら「Thank you」って……。

（会場笑）

オールライト：そう、（日本人は）知らない人に声をかけられるのが怖いんです。

大西：だけど違う文化の人は、声をかけられても「What?」。

オールライト：違う文化圏の人だったら、知らない人とコミュニケーションするのをすごく大事にしているから、これを見て喜ぶかもしれない。「声をかけてくれるんなら、待っていよう」と思う人もいるかもしれないですよね。

人と関わりたい願望は誰にでもある

エイミー：しゃべれないなりにしゃべりかけると、けっこう喜びますよね。去年（2024年）の冬に子どもと一緒にスキーに行ったら、ホテルのロビーに「ご自由にどうぞ」とコーヒーメーカーが置かれていたんです。「わーい、コーヒーだ」といっていたら、外国人のおじいちゃん、おばあちゃんが（コーヒーの）機械をいじっているわけですよ。

しゃべれないけど「しゃべらないと身につかないしな」と思って、「どこから来たんですか？」と聞いたら、めっちゃ盛り上がって、30分ぐらいよくわからない話をしていました。子どもはずっと横でYouTubeをしていたんですけど。

（会場笑）

私はついつい頭でっかちで、「え、マインドやOSも大事だけどさ、とはいえスキルを身につけないとじゃん」と思っていたんだけど、OSを身につけたら自然とそういう機会が増えて、使っているうちに上がっていくんですかね？

オールライト：そうだと思いますね。現実的には、そういう知らない人としゃべる高揚感は、すごくありますよね。人と関わりたい願望は誰にでもあると思うんです。だから知らない人とちょっと話すと、すごくハッピーになりません？　

せっかく具体をやったんだから、持って帰って、それを抽象にしたい。「本当はこれを言いたかった」と、もっともっと悔しがってほしいんですよ。「すごく悔しい」「次はこう言おう」と視野に入ったら、次は道を歩いている最中に獲物を見つけますからね。

（会場笑）

英語OSを身につけるために

オールライト：そんな感じで抽象と具体は止まらなくなります。「こうやって良かった」「これができた」「でも本当は、もうちょっとこれを聞きたかった」「あの人に言っても、これがわからなかった」と、それをどんどん現実問題に書き留めていくと、枠ができていく。逆に「以前の私は何だったの？」と思い出せなくなる感じはありますね。

大西：今のはポイントですね。（間違えるのは）怖いじゃないですか。僕も恥をかきたくない日本人です。でも外国人とずっと仕事をしていると、「え？　どうしてそれを恥だと思うのか」と言われる。

例えば僕のセミナーで1対1で僕と外国人との会話だけだったら、僕はあまり恥ずかしくないんだけど、ここに仲の良い友だちや、日本人の会社の部下がいました。僕が話している英語を聞いているわけですよ。

すると、僕が下手な英語を使ったりトチったりしたら、この人（日本人）にどう思われるかと。こっち（外国人）じゃなくて、こっち（日本人）があるんだよね。だからそれも含めて、僕もみなさんと同じ日本人だと思っています。

オールライト：さっきのネコちゃんクッキングの視野もそうなんですよ。背景まで見ちゃうんじゃなくて、フォーカスして見ていてほしいんですね。

私たちの認知は、自分の背景に何があるかという関係性を見ちゃうんです。それは私たちの独特のもの。本来は「ここはぜんぜん関係ない。今の私のフォーカスはここです」だけでいいんだと思いますね。