お知らせ
お知らせ
CLOSE

「英語OS」を身につけよ! −思考プロセスをアップデートし、英語学習の遠回りを終わらせよう!(全6記事)

日本人が英語学習で苦戦する根本的原因 「言いたいことの順番」が真逆になる英語と日本語 [1/2]

【3行要約】
・日本語と英語では「言いたいことの順番」が根本的に異なり、これが英語学習の大きな壁となっていることをご存知でしょうか。
・オールライト千栄美氏によれば、日本語は文末に重要情報が来る「起承転結型」なのに対し、英語は文頭に結論を置く「ダッシュ型」の構造を持っています。
・英語力向上には語彙や文法だけでなく、この構造的差異を理解すること。特に形容詞の豊かな表現力を身につけることが英語習得の鍵となります。

前回の記事はこちら

日本語は最後まで聞かないと「最終的な判断」ができない

オールライト千栄美氏(以下、オールライト):次は、もうちょっと長い文章で見てみましょう。これも見たことのある方がいるかもしれないです。「日本に住んでいる祖父母に手紙を出すために郵便局に行った」という日本語です。

日本語の場合、順番を入れ替えてもいい。これを英語で表現すると、全部(の単語)が見事に(日本語の場合と)クロスしています。

つまり私たちはこの上の状態(日本語)で、こっち(英語)を処理しようとしている。だから「英語がすぐに出てきません」というのは、クロスしているから当たり前なんですよ。それをほどいてあげなきゃいけない。ほどいてあげるために、まずやったらいいことを、徐々にお話ししていきますね。

気象庁が公式に用いる文例の英語バージョンを見たことがある方はいらっしゃいますか? 例えば地震アラートが鳴ると、日本語設定だったら日本語、英語設定だと英語で(連絡が)来るんです。実際に英語だとテレビのテロップにも、こうやって(スライドが)出ます。英語だと公式にはこういう文章(There is no tsunami threat as a result of this earthquake.)なんですよ。

何を言いたいかというと、日本語は最後まで聞いていないと最終的な判断ができない。だけど英語は前半に意味の重きがあるので、これだけで0.5秒ぐらい動きが変わるかもしれない。必ずこうなるとは限らないけど、日本語と英語の特徴です。

子どもの時に「人の話は最後まで聞きなさい!」と言われていませんでした? でも英語だと「人の話を最後まで聞かないと、お前はわからないのか?」と怒られるかも。

(会場笑)

英語は冒頭だけで「言いたいこと」がわかる

オールライト:これは英語でも同じなんですけど。英語だと冒頭ちょっと言っただけで言いたいことがわかって、すぐに誰かがインタラクト(相互に作用する)するんですね。そして言いたいことには、必ず主語と動詞がくっついている。

だから肯定なのか、否定なのかが、まずわかっちゃうんです。さらに主語と動詞がくっついているから、誰が何をしているのか、それだけで一応絵には描ける。でも日本語の場合は、猫が目玉焼きを食べているのか、食べたいのか、ずっと(最後まで)待っていなきゃいけない。

だから、これを前提に英語を練習するのがすごく大事です。動詞も選ばなきゃいけない。時制もくっつけなきゃいけない。肯定、否定も出てくる。さらに次元という考え方があって、ファクトを言っているのか、架空のことを言っているのか。助動詞も全部動詞のところにやってくる。

一方日本語は最後に重きがある。あと「心配はありませんよ」「ありませんね」「ありませんもん」とか、いろいろな語尾をつけることもできます。

だから、たぶんですよ? 絵文字が生まれた背景は、もしかしたらここにあるかもしれない。英語だと、絵文字はいらなくないですか? 英語の最後はだいたい名詞で終わります。名詞は変化しないから、ニッコリマークとか、怒っていますとか言う必要はない。

でも(日本語のように)動詞で終わると、そこのトーンをいろいろと変えることができるんですね。「それは心配ありませんよ」「ありませんね?」「ありませんが」なのか。そこを絵文字でコントロールするのが、日本語にとってすごく大事なんです。

ということで、ちょっとまとめます。今、1文レベルで見てみたんですが、全体を一気に視野に入れるのが日本語。語順は「私は」など助詞と一緒だったらどこにでも動くことができる。文末に重点をおく。文型はSVOやSOVと習いましたけど、日本語は主語も目的語も抜くことができます。

だから「あれやった?」とかも成り立っちゃうので、文型には当てはまらないかもしれないですね。ただ英語は型が決まっています。主語と動詞が一対なので絵に描きやすいのが、ポイントです。あと文頭に重点をおくこと。文型もSVOと決まっている。

「起承転結」になる日本語と、文頭に重きを置く英語

オールライト:今度はピクトグラム(スライド)で書いてみたんですけど、この日本語は何を意味しているでしょう?

参加者5:最後までつながっているんですか?

オールライト:つながっています。これは文章レベルでいうと文章の書き方の特徴。文章というのは作文、日記でも、エッセイでもいいんですが……。

参加者6:起承転結。

オールライト:そうそう、起承転結! 一応最初は起き上がっているんですよ。

(会場笑)

「よっこいしょ」と言って歩き出して「あれ?」という。それで、最後は「おあとがよろしいようで」という感じです。

(会場笑)

一方英語は、一番最初からダッシュしているんですね。「次はこれね、はい、どうぞ」という感じで、走っている人をサポートしている。これ(2番目、3番目)はサポートだから、小さくていいんです。それで最後は「はい、ゴール」という感じです。パラグラフライティング(内容を段落ごとにわけて書く手法)というんですが、高校生の英語でも習うかな(笑)?

こういうサポートやエビデンスは何個あってもいい。英語を起承転結型にしちゃうと、なんか生ぬるくなっちゃうんです。英語は、いきなりダッシュするんですね。

英語で日記を書いてみると…

オールライト:じゃあ例を見てみましょう。ここから国語の授業みたいになっちゃうんですけど。例を短くしたかったので、ちょっと無理やり感がありますが……。日本語型に入れた場合、これはスッと入ってきません? なぜなら私たちのOSは掛軸で、そこに日本の絵を入れているから、スッと入ります。

これを日本語で英語型に入れると、こんな感じになるんじゃないですかね。ここの2つ文がサポートで、「一番最初に言ったことを支えていますよ」ということなんですね。どうでしょう? みなさんだったら、どっちの文章を書きそうでしょう?

小学生の作文を見ていると起承転結型が多いです。小学生のお子さんがいらっしゃる方はどうですか? 夏休みの日記は今もあるのかな? 先生や学校によるんですかね。「おばあちゃんの家に行きました。とても暑かったです」とか日記は長いですよね。

ただ「それを日本語でもいいので、英語型で書いてみな?」というと、けっこう引き締まったものができると思います。

今度は英語型に英語を入れてみます。いろいろな書き方があるんですけど、これはChatGPTにやってもらいました。今は、それが一番フェアな感じですよね。こう出してくれました。このTというのはトピックです。

「今日はこれについて話します」がトピックじゃなくて、もうダッシュしていなきゃいけないので、「こうです」と命題を示しちゃうんです。だから英語では意味の強い単語を一番最初に持ってきます。これだとvitalです。こうなると、もう一つずつ(日本語に)訳せない。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

次ページ: 英語の特徴は「形容詞をたくさん使う」こと

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!