【3行要約】
・株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長の木下勝寿氏が、「人生の差は20代で決まる」として、若手に向けたメッセージを語りました。
・同氏は、20代のうちにやるべきこととして、飲み会の主催や接客業、SNS運用、メルカリでの販売など、自責思考やマーケティング視点を養う4つの経験を紹介。
・指示待ちではなく、自ら考えて動く主体性ある社会人になるために、20代のうちに実践しておくべきことを語りました。
「いつか成功したい」20代の質問に木下社長が真剣回答
——木下社長! 質問が来ています。「2025年から社会人になりました。『いつか成功したい』という思いがあるのですが、20代のうちにやっておいたほうがいいことがあれば、ぜひ教えてください」。
木下勝寿氏(以下、木下):20代って本当に人生において大切な時期だと思います。30代、40代になっても指示をされないと動けない人って、実は山ほどいます。一方で、20代でも自分で考えて仕事を取り仕切っていける人も確実にいます。この違いを生むのは才能だけではないんです。体験の差が大きいんですね。
自分で人生を切り開くために20代でやるべき4つのこと
木下:今日は、自分で社会を切り開いていける人間になるために「20代のうちにやっておくべき4つの経験」をお話ししたいと思います。このチャンネルでは、仕事が捗るような動画をたくさん出していますので、今日もあなたの学びになったらうれしいと思っています。今日の動画が良かったら、他の動画もぜひ見てみてください。
コメントを書いていただくとうれしいし、やる気につながって、もっといい動画を上げようと思います。ぜひ、見るだけじゃなくてコメントもしていただければうれしいです。
「20人の飲み会」を1人で仕切ることで自責と感謝を学ぶ
木下:まず1つ目ですね。「20人の飲み会を1人で仕切る」。必ず1人でやってください。1人でやることに意味があります。まず20人を集めるというところと、会場を押さえないといけません。会場を押さえる時は20人分の予約をします。
直前になって「来ない」と言う人も出てきたりします。その場合、20人分の予約をしているから、別の人に参加してもらわないといけません。ほかにも例えば、会場を予約した後に「その料理、苦手なんだよね」と言う人が出てきたりして、場合によっては会場を変えないといけなかったりします。そして実際に来た時に、席の配置で揉めたりすることがありますが、それが1人の人に全部集中するんですね。
「用意される側」から「用意する側」へ意識が反転
木下:これをやることによって、いかに自分が今まで他人が用意してくれた器の中にいたのかということに気づけます。みなさんは、今まで何かあると誰かに「これをこうしてほしい、ああしてほしい」とか「学校が〇〇してくれない」「会社が〇〇してくれない」とか言っていましたが、全部用意している側の人たちがいるんですね。
みなさんは、他人が敷いてくれたレールの上を走っているんですよ。それに気づけると思います。20人の飲み会をやると、トラブルの山だと思います。一人ひとりが、いかにわがままなことを言ってくるか。そして、自分が今までどれだけわがままを言っていたのかに気づけると思います。
20人の飲み会は、ちょっと大きめの飲み会です。ちょっとしたことを1つ成し遂げるのにも、どれだけ多くの作業が発生するのかということがわかってきます。10人だったら、パッとやればうまくいってしまったりもします。50人とかになると絶対1人では無理なので、20人ぐらいが一番いいところかなと思います。これをやってみてください。
“当たり前”を当たり前にする難しさ
木下:いろいろやってみると、当たり前を当たり前にすることが、どんなに大変かわかります。みなさんが会社に出勤すると自分の席があります。電話もあります。「これらは全部、誰かがあなたのために準備してくれていたんですよ」ということが、たぶんわかると思います。「僕のこの椅子の肘のところが外れているんですけど……」と言いに行っていたのも、それ(対応)をやってくれている人たちがいます。
当たり前を当たり前にすることがどんなに大変かということが、わかります。20人のイベントをやります。終わったあとに、「楽しかったよ」と言ってくれる人もいれば、「今日の段取りはめちゃくちゃやったなぁ」と言ってくる人もたぶんいます。「こっちがどれだけ大変な思いをしているのか!」と、たぶんあなたも思うと思います。
自分が、いかに多くの人に支えられて、当たり前のことができているか。感謝の念が生まれてくるんですよね。「トイレがきれいなのも、誰かが掃除してくれているんだよな」と思います。こういうことを経験していくことによって、自分自身が今までいかに他責思考だったかということに気づくので、他責思考の的になってみてください。
20人の飲み会を仕切るということに対して、たぶんみんなはあまり「すごいことだな」って思わないと思うんです。でもやってみたら、めちゃくちゃ大変です。みなさんが20人の飲み会を仕切る時、呼ぶ相手になるのはみなさんの友だちとか知り合いだと思います。友だちからすると、あなたの大変さはぜんぜんわからないです。
「今日、段取りめちゃくちゃだったな」とか「俺、本当はあの人としゃべりたかったのに、席のぜんぜんダメだったな」みたいに他責思考の意見が一斉にあなたに飛んでくるんです。いかに他責思考の人間が愚かなのかが、わかってくると思います。みなさん、ひと皮剥けると思います。
他責思考にしてはいけないよなということと、自分がいかにいろいろな人に守られて、いろいろな人のお世話になって、今の自分がいるんだなということがわかってくると、人に対しての感謝の念とかが生まれてきます。
人の仕事を想像できる人になる
木下:正直に言うと、これを一生経験しないままの人のほうがたぶん多いんですよ。40歳、50歳になってもこういうことを経験していない人が、お店でクレームを言っているおじさんです。客商売とかに対してクレームを言っているおじさんって、たぶんこういうことをやったことがない人なんですね。人の苦労がぜんぜん想像できていない。
人の職業に何か文句を言っている人もそうです。仕事の苦労とかをした経験があれば、他人の仕事に対して「そんなお前みたいな簡単な仕事……」みたいなことは絶対に言わないです。本当に自分が苦労しないと、そういうことってわからないですよね。
早く経験した人ほど“器”が広がる
木下:それをやっている人と、やっていない人は明確にわかります。ずっと誰かの敷いたレールの上を走りながら40歳、50歳になった人と、中学校の時に生徒会長をやっていた人って器の大きさが違ったりしますよね。
中学校の時の生徒会長をめちゃくちゃ覚えているんですけれども、自分が中1、中2ぐらいに生徒会長を見た時に「この人、大人だな」って思ったんですよ。「15歳で人間の器の大きさに差ができているんだ」って、僕はその時にすごく感じました。その時の生徒会長の姿を今でもずっと覚えています。ぜひ、こういうことをやってみて、ひと皮剥けてみてください。
社長自身も失敗を経験して成長した「飲み会仕切り」の裏話
——木下社長が初めて20人の飲み会を仕切った時は、どんな感じだったんですか?
木下:(会社に)勤めている時に、先輩の送別会の責任者になったんですけども。何をどうしていいかわからないので、とりあえず日付だけ決めて、みんなに告知をしたんですよ。「店を予約しないといけないなぁ」と思いながら、1週間前までぜんぜん予約をしてなくて(笑)。1週間前に急に予約をしようと思っても「それだけの人数、無理ですよ」と言われて、延期しました(笑)。
僕が参加する側だったらブチ切れていたと思うんですけど、みなさんは僕がそんなこともできない人間だってわかっていたから、あまり怒られなかったんですね。ものすごく恥ずかしい思いをしたんですよ。
次にまた別の方の送別会をやることになって会場はちゃんと取りました。開催しました。でも内容をぜんぜん考えていなかったんですね。送別される人が芸達者な人だったなので、始まった時に「ではここからは、全部お任せします!」とその人に振って「えー!!」ってなったというのはありました。その人は全部乗り切ってくれましたが、今から考えると本当に迷惑な仕切りだったなと思います。結局ぜんぜん仕切れなかったんですよね。
自分自身ではうまい具合に乗り切ったなと思っているんですけど、実際は乗り切れていないですよね。そうならないようにきちんと取り組んでください。
——すごく勇気づけられたので、ぜひ企画してほしいですね。