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(2025年再掲版)『主体的なキャリア形成』を考える~資格の活かし方~(全1記事)

市場価値を高める「資格」の掛け合わせ 1つの分野に特化・専門性重視タイプの落とし穴 [1/2]

【3行要約】
・500以上の資格を持つ林雄次氏は、資格は取得するだけでなく、どう組み合わせ活かすかが重要だと語ります。
・「自分の強みは無意識にできることにある」と指摘し、従来の専門特化型から掛け算型の価値創出を推奨しています。
・効果的な学習には「やる気がなくてもまず動く」「ちょい足し」で習慣化し、隙間時間を活用することで、年間365時間の学習時間を生み出せると説明しています。

本記事では、特に反響が多くあった同イベントの1記事目を再掲します。

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キャリアコンサルタントの平野裕一氏が登壇

平野裕一氏(以下、平野):私は、株式会社主体的なキャリア形成という会社の代表を行っておりまして、人と組織の架け橋にしていこうというロゴの意味もあります。2級キャリアコンサルティング技能士で、若者、中高年、シニア、女性のご相談を18年行ってきました。

あと「ログミーBiz」で、前回セミナーを行ったものが記事になっておりますので、よろしければ見てみてください。総合人材サービス会社で支店長を歴任していて、他社人事部と連携した業務を10年以上。刑務所で受刑者の方へのキャリアコンサルティングとかも行ってきました。

令和4年12月16日から「『聴く力』と『問いかける力』を高めて」という社員の方々がやる気になる面談力の向上講座をSNSで毎日発信中です。気になる方はXで「やる気になる面談」を見てみてください。

2023年Xでキャリアコンサルタントが注目を浴びてまして。毎日投稿をしてましたのでポストが何度かトレンドに入ったことがあります。SNSは若者の採用力を強化していくために必要ということで60歳から始めて、今、(複数アカウントの累計で)2万4,000人を超えております。

どんな経験をしているかというと、支店長時代に派遣社員の方々が相次いで辞めて、広告予算もなく困り果てて、どうしようかと思ってキャリアコンサルタントの資格を取得しました。

刑務所の受刑者の方へ全6回の動機付け面談プログラムを組んで面談を行い、最初は就職の意欲が低かったんですが、徐々に自己理解が促進され就労の意欲が高まっていった経験があります。私は勤務先が倒産したりリストラにあったりとしくじっておりますので、仕事でしくじったことがあるなぁという人はかなり親近感が湧いて、お仲間のような感じがします。

60歳からSNSを始めて会社も設立をしておりますので、60歳からでもなんとかなると思っております。そして主体的なキャリア形成なんですけど、社員の方々がやる気になることにもつながっていきます。

終身雇用の崩壊、人生100年時代にどう生きるか

平野:主体的なキャリア形成の背景としましては、リンダ・グラットン氏の『LIFE SHIFT』で言われているように、今は人生100年時代で、かつての学校に行って就職して定年を迎えて、残りの人生を生きるといういうモデルが機能しなくなっている状態です。

終身雇用制も崩壊して、なかなか組織に頼った生き方が難しくなってきた。その中で静的なフレームは、自分自身をゆっくり見つめ直す。Will・Can・Must、やりたいこと・できること・するべきことの3つが重なったところが、活躍しやすい場所だと言われております。

あと自分自身の中の能力・興味・価値・経験(を洗い出す)。自分では難しい場合は、周りの方と一緒に自己分析をやってみてください。

ここで重要なのは、この静的なフレームで自分のことがわかるプラス、動的な変化の激しい時代に適応していく。今ChatGPTやコロナとか、社会の激しい変化に対応できるように、自分自身を合わせていかないといけなくなっています。

あとは仕事でも家庭でもない第3の居場所があると、より良くなってくると思われます。他でもないご自身の人生ですので楽しんでくださいということです。うちの会社は何をやってるかというと、(社員の)定着率を向上させる事業をやっています。採用と定着は密接な関係がありますが、辞める、広報採用費用をかける、また辞める、広報採用費用をかけるというのも、なかなかお金がかかるので。

社員がやる気になる面談、1on1ミーティングを入れて定着率を向上させて、経費が削減できれば賃金アップ等も可能になっていきます。人手不足対策、若者の採用力向上、定着率向上、1on1ミーティング研修、国家検定2級、キャリアコンサルティング技能対策講座。こちらは得意です。国が定めた面談のやり方を各先生と相談して、テキストとかも作成をしております。

私からは以上で、林先生にバトンを渡してよろしいでしょうか。

500以上の資格を持つ「資格ソムリエ」

林雄次氏(以下、林):はい。ここからは私のほうでお話をしていきたいと思います。本日ご参加いただいたみなさま、ありがとうございます。資格ソムリエ、林でございます。

本日は「主体的なキャリア形成を考える資格の活かし方」ということでお話をしていきたいと思っております。略歴は、1980年生まれ、東京都足立区出身でございます。大学では、社会福祉をやってたんですけれども、その後IT系に進みまして、なんだかんだやって、今は(保有する)資格が500を超えております。

東京都社労士会の委員とか全国の社労士会の委員とか、セキュリティのプレゼンター、IPAさんのセキュリティプレゼンターとか各所でいろんなお話をさせていただいております。パラリンピックの情報科学スタッフなどもがんばっております。

自分の著書と共著と雑誌、その他。あと漫画の監修なんかもしたりしています。どれも毎度全力でがんばっておりますので、ご覧いただけましたらおもしろいかなと思います。

本日のテーマにもある、渾身の1冊『資格が教えてくれたこと 400の資格をもつ社労士がみつけた学び方・活かし方・選び方』はなんだかんだ途中で執筆の方向がガラっと変わった関係もあり、足かけ3年ぐらいかかりました。

書籍全体は学ぶ前の話と、学ぶところと、その後の活かし方の3章で構成されています。その後、なぜか僧侶資格からの学びという、仏教書みたいなニュアンスもあります。私自身僧侶でもあるんですけれども、学び方・活かし方・選び方ということで、全100項目をお伝えしております。

本日は一部のエッセンスをお話ししますが、さすがに全部の内容をお話ししきれませんので、ご興味湧いた方、もしよろしければご覧いただけましたら大変幸いでございます。

「資格選び」で抜け落ちやすいポイント

:ということで、本日は資格の活かし方ということですが、いきなり核心に入るよりは、活かす前にどうやって選ぶか。この選び方もけっこう大事なところなので、その手前のところからお話を差し上げていきたいと思います。

例えば「どんな資格がいいですか?」って聞かれることがあるんですけれども。さっきのWill・Can・Mustと主に似たような考え方でございます。

Can、できる、Will、やりたい、Must、やってほしいという周りからのニーズが重なるところが自分のやるべきことかだと思っております。

「この資格を勉強する!」「これをやりたい!」っていう時に、意外とこの軸が抜けちゃってる方が多いかもしれません。資格を選ぶ時に、自分ができること、やりたいこと。そして社会からのニーズ、時代のニーズ、やってほしいということ。こういう軸で考えるといいのかなと思っています。

あとは、自分の強みですね。これはなかなか自分1人で発見するのは難しいことです。本でも書いておりますけれども、自分の強みって、自分では絶対にわからないんです。なんでかと言いますと、自分の強みは息をするように無意識でできちゃうんですね。他の人がぜえぜえがんばってどうにかできることが、息をするようにすっとできちゃうのが、本当の自分の強みです。

なので、自分の強みだって言ってることは、たぶんまだ手前なんですね。もっと先に何かがある。私も自分の強みは自分では気づけませんでした。「ITに詳しい社労士っていうのが林さんの強みじゃない?」って言われても、ぜんぜんピンと来なかった。経緯を話してると長くなっちゃうので割愛しますけども、やってみたら自分の強みだったんですね。

なかなか難しいことですけれども、自分の強みを意識するのが大事です。あとやってみないとわかんない部分もあるんです。自分の強みが見つけにくいのと一緒なんですけれども、見えにくいので。

資格の「掛け算」で価値が高まる

:テストマーケみたいにやってみながら掘っていくことが大事かなと思っています。資格の組み合わせについても各所でお話をするんですが、足し算、掛け算、引き算、割り算、実は4つちゃんとお話をしてるんですけど、時間の関係で割愛します。

資格の組み合わせ方で従来から推奨されているのは割り算です。社労士の後には、特定社労士とかですね。どっかの分野に特化するのが推奨されてます。専門性の山を登るということです。

専門性を高めるのはもちろん大事なことなんですけれども、それにはとても手間がかかりますし、どんなに専門性を高めたとしても、先に山に登ってる人がいるんですね。そして、山を登れば登るほど、ここまで登ってきてくれるお客さんが少なくなります。

大工さんには家のちょっとした修理を頼むと思うんですけれども、大工さんの道を極めて宮大工みたいになった人には、私たちは頼むでしょうか? 市場が狭くなっちゃうので、専門性と市場の規模というのはけっこう難しい部分がございます。

私は資格の組み合わせ方では掛け算を従来から推奨しております。社労士・行政書士のような単なる足し算、ダブルライセンスはよくあります。これとはちょっと違う活用の仕方のイメージです。

新しい価値を作るということで、例えば本屋さんの隣にカフェをオープンしました。これを2軒別々にやってると本屋さんとカフェなんですけれども、まとめて1つにしちゃうとブックカフェという新しい業態ができます。

カフェに来た人にゆったりと過ごしていただきながら、本屋さんに来た人にゆったりと本を選んでいただく。新たな価値が生まれるので、探しても他にないものだったりいたします。

これは別に資格×資格じゃなくても、資格とキャリアでもいいと思います。その人のキャリア、成育歴というのはその人本当にオンリーワンのものです。ですので、こういった組み合わせを見つけていくと、学年に1人ぐらいのレアなものが1つや2つ、みなさんも持ってるんじゃないでしょうか。

100人に1人(の要素)を2つ合わせると1万人に1人です。3つ合わせますと100万人に1人。3つの要素で、100万人に1人。意外と簡単になれるということなんですね。

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