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営業力を再定義!受注率が上がる「あなたの会社の売れる型」発見セミナー(全3記事)

「ホットペッパー」レジェンドの飛び込み営業の極意 成果を出す人が「考えない」こと

【3行要約】
・営業活動では「買うか買わないか」ではなく「どれを選ぶか」という思考に切り替えることが重要です。
・成功している営業担当者は顧客の立場に立ち、意思決定プロセスを把握し競合他社との比較表や複数案を提示することで選択をサポートしています。
・自社サービスの価値を信じ、顧客にとって本当に良いものを提供するという信念を持つことが、営業成功の鍵となります。

前回の記事はこちら

提案書には「競合想定の比較表」を入れる

加藤じゅういち氏:話せることをいろいろお話ししようと思ったんですけども、一方でちょっとテクニック的なこともお話しします。

これはみなさん、実行されていることもあるかもしれません。あくまで私が30業種を見てきて、売れる人と売れない人と、あと自分の感覚知を総合的に(分析した結果)なんですけども。

「提案書の中には、競合想定の比較表を入れましょう」ということですね。よくWebのサービスのクラウドでも……まぁ、料金は松竹梅の話だけど、「A社、B社、当社でこう違います。当社は全部◎」みたいなのがあると思います。あれを提案書にも入れたほうがいいと思います。

それを確信したのが、私がとある会社で人事課の教育や育成の担当者側の立場だった時です。私じゃなくて、中の営業の人たちに対法人営業の研修のパッケージをやったほうがいいなと思ったので、研修会社3社に見積もりをお願いしたんです。だから私がベンダーに発注する側ですね。

リクルート出身なので、リクルートマネジメントソリューションズというところが持っている研修がいいなと思ったけども、「1社だと通らないのでコンペにしろ」と言われたのでコンペにしました。

友だちが営業だったわけじゃないので、必ずしもリクルートマネジメントソリューションズにしようっていうわけではなかったんです。でも選ぶ側になった時に、やはりスピードもそうだし、提案内容もこっちが言ったものが入っているかどうかも含めて、比較表が入っていて。やはり中で議論がしやすいんですよね。

こっちは3社から決めなきゃいけないので。それを代弁してくれているのは、やはり選ぶ側からしたらめっちゃ重要だなと思ったので、基本的に(比較表を)入れるようにしています。

複数案が大原則

「複数案が大原則」ということです。これもいろんな売れる人と話していた時に、「営業のストーリーは必ず複数持っていけ」ということも含めてなんですけども。

1択だとお客さんがなかなか結論が出しづらいんだけど、「この3つから選んでくださいね」だと、「じゃあ、どれがいいかね?」と、いわゆるウナギの松竹梅と同じで決めやすくなるので、2案か3案(を持っていく)。

ぜんぜん違う2案じゃなくていいんです。フルラインナップと、そこからちょっと削ったものと、あと乗せたものみたいな。コンセプトは1つでいいと思いますが、3択や2択というふうにして、「買うか買わないか」から「どれかを選ぶ」という観点にする。

「専門用語を使わない」ということで、先ほど冒頭(セミナーが始まる前)にみなさんからいろいろコメントをいただいたんですけども、私が何度か聞き返したりしたことがあったと思うんです。クライアント先の専門家だったら別にいいと思うんですよね。

システム開発が情シスを相手に仕事をするんだったら、プログラミングの言語のキーワードを出しても理解できると思うんですけども。相手が事業部門の人だったら言語の話をしてもわからないと思うので、わかりやすく話をしないといけない。

何がどうなのかという話も事例も、とにかく片仮名が多過ぎてぜんぜんわからないとなるので、「ストーリーをシンプルに」。業界の当たり前が顧客の当たり前とは限らないので、すごく気をつけたほうがいいと思います。

「売れる人」「売れない人」の違い

似ていますけど「シンプルでわかりやすく」ということと、あとたまに「決裁権者を探せ」「決裁者をつかまえろ」と言うんですけど。

対法人であれば決裁者は1人ではないことがあるので。社長は「いい」と言っても、社内で話した時に営業部長が「自分でやる」と言っちゃったら、もうそれ以上話が進まないので。意思決定プロセスや場をちゃんと想像して、理解して聞くこと。

「今日提案させてもらったこれは、何の会議でいつ結論が出るのか」を確認するのはクロージングと言われる類の領域ですけども、それを聞かないのはない。というのは、私はもともとトップ営業でもないので、それを勘でやっていたというわけじゃなくて。

売れる人と売れない人で、人材派遣会社の売れる人はそこの確認がすごく細かかったんです。売れない人は「じゃあ、お願いします」と言って終わっていたので、すごく重要だなということです。

ある会社の人事の中の様子として、そこでもある額までは人事部長が決裁するんですけど。でも実際は担当の方がすごいパワーで、「これが必要です!」と言っていて、その人が中身をほとんど決めているんですよ。

だからその人が納得しないといけない。研修会社の人は人事部長とだけ目を合わせて話していると、その方は何もおもしろくないし、帰ってから「あぁ、あそこはダメですね」と言って終わりなので(笑)。決裁者は1人じゃないってことですね。あと、会議体を必ず押さえるということです。

「1分」「3分」バージョンの自己紹介を用意する

それと、ちょっと話は前後しますけど、自己紹介や会社紹介は徹底的に鍛える。何屋で何がウリかを、1分バージョンとか3分バージョンとか(で伝える力)を鍛えるべきだなとすごく思います。

「代表事例を数字で話す」。事例を定量成果や定性成果で端的に話せるようにするのは、すごく重要です。

「コンペに持ち込まない」は理想論かもしれないんですけども、コンペになった時は、最後の最後まで追加資料などで畳みかける。決裁の会議の日にちとメンバーを確認して、懸念点が何か少しでもあれば、追加資料でも追いかけてやるというところですね。別に根性論というよりは、それをやったほうがいいということです。

「ホットペッパー」レジェンドの飛び込み営業の極意

最後、大事なスタンスです。私のYouTubeチャンネルに、ホットペッパーのレジェンドの吉田(采都子)さんという伝説的な人が載っています。銀座の美登利寿司(梅丘寿司の美登利)という、今は状況が変わっているかもしれないけど、当時銀座ではすごい人気店で。まぁ、今も行列ができていますけども。

ホットペッパーの営業の子が誰も飛び込まないんですよ。なぜならば人気店なので、「クーポンで広告なんてやる必要がない」と、怒られるって思って飛び込まないんです。

吉田さんは飛び込んで、そこの責任者に「美登利寿司さんは何屋さんですか?」と聞いたら「そんなことも知らないのか、うちは穴子屋だよ」「あっ、そうなんですか。私、知りませんでした」「何だ、お前。そんなことも知らないのか?」と。

ここで吉田さんが気になっていたのが、行列に並んでいるのはご年配のご夫婦だったりして、要は遠くから来ている人たち。近所のOLがそこに入っていないんですよ。

「いや、このへんのOL、みんな知らないですよ。ぜひ穴子屋ってホットペッパーに載せて、このへんのOLにも食べに来てもらいましょう」と言ったら、ピクピクって。「何だそれは?」みたいな(笑)。でもそれで受注したんですね。

「飛び込んでいいかどうか」は考えない

今、何を共有したいかというと、ホットペッパーで3ヶ月に1回、契約社員の人たちが(会社に)入ってくるんですけども。

若手の子が飛び込み営業で何に困っているかをヒアリングしたら、「飲食店の前で、ここは飛び込んでいいのか飛び込んじゃいけないのか迷うんですけど、どういう判断基準を持ったらいいんでしょうか?」と言っていたんです。

私はそのままその質問を吉田さんにぶつけたんです(笑)。そうしたら吉田さんは何て答えたかというと、「そこに扉があるから開けるのよ」と。飛び込むのに悩むという概念がなくて、扉があるから開ける。

それは何かというと、彼女の自分の中でのミッションは、自分は銀座のマーケットが担当なので、銀座のマーケットで、飲食店で、中で何が起きているかを自分は確認する必要があると。

わかりますかね。自分のマーケット。銀座何丁目から何丁目で、飲食店にどういう客層がどの店に入っているのかを知る必要があると。で、扉があったらとにかく開けるんです。さっきのように「何屋さんですか?」と言って、「穴子だ」と言ったら「知らないです」という感じ。

なので、紹介にしろ紹介じゃないにしろ、やはり先に選ぶんじゃなくて、数を当たっていく。その中で可能性があったりとか出会いを(探していく)。あとは育てるとか関係性を構築するとか、そういうスタンスもすごく重要だなと思っています。

営業で大事なスタンス

あと、今度(ホットペッパー)ビューティー側の、横浜の美容室の担当で、通期のMVPを取った子がいまして。

何丁目から何丁目の間で美容室が何十店舗も電話帳のリストにあるんだけども。そのうちの何パーセントだったかはちょっと忘れちゃいましたけど、事業としては20パーセントのヘアサロンに掲載してもらうのが営業の数値目標だったんです。

その子はそこを目指していなくて、心から「自分が担当しているエリアの美容室は100パーセント載ってもらうんです」と言うんです。「なんで?」と聞いたら、「いや、絶対に載ったほうがいいから」と。その子はそういうふうに信じて動いているので、今すぐ掲載しなくてもいずれ掲載してもらうっていう前提で回っている。

なので、「自分が提供しているサービスが、こういうふうにクライアントにとっていいんだ」というスタンスって重要だなと思います。嘘でも信じ込むっていう意味ではなくて、その子は本当にそう思っているのでそれができていたんですね。

そのうち掲載すればするほど後工程もやらなきゃいけなくて、キャパオーバーになって、効率化が重要になってくる。その子の課題はそうなっていったんですけど。

私もそれを真似っこして、「私の持っているスキルは日本全国の企業で営業を抱えていればいつかは絶対必要になるはずだ」くらいのつもりでいます。かつ、その領域ではNo.1になっている。もし自分よりうまくいっている人を見つけたら、「パクる」じゃないけど、エッセンスをもらうイメージでやっています。

おさらいとしては、「プロセスを分解して課題を特定しましょう」ということと、「顧客の課題と自社の強みを超顧客目線で分析して、提供している価値は何なのかというずれを認識しましょう」ということでございます。ということで、今日はいったんここで終わりにします。ありがとうございました。

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