【3行要約】
・効果的な営業は「顧客目線」と「等価交換」の原則に基づき、課題解決の提案が鍵となります。
・加藤じゅういち氏は営業を避けたい性格から、独立時に「紹介営業のみ」という独自の戦略を確立。
・営業プロセスを細分化して弱点を特定し、PDCAを回すことで、効率的な営業モデルを構築できます。
「顧客の課題×当社のウリ」で売れる型を見出す
加藤じゅういち氏:今日の内容なんですが、すごくシンプルなんですけども、まず「前提」と、「プロセスで考える」ことと、「顧客の課題×当社のウリ」ということで「超顧客目線で売れる型を見出しましょう」ということでございます。
私は今日、持っているノウハウや経験を惜しみなくお話ししたいと思います。この人数なので、みなさんからの質問が議論を深めると思っております。
常に疑問を持ちながら聞いていただき、ぜひ質問をたくさんお願いします。Zoomのみなさんもそのかたちでお願いします。
3つの前提があるんですけども、1つは「まず買う側に立って考えてみましょう」ということです。例えば、飲食店を利用する側、ユーザー側ですよね。我々の今日の議題で言えばクライアント側になるわけですけども。

「みなさん、飲食店はどうやって決めますか?」というところ。決めるというか、決める手前ですよね。「どういうふうに」というのでいくと、純粋にWebなどで「おいしいイタリアンが恵比寿でないかな?」と探したりしますよね。
それから、出会いがしら。メニューを見て、ランチで「あっ、ここにちょっと行ってみよう」と飛び込むやつですよね。
それから、教えてもらう。「最近、自由が丘にこんなお店があったよ」「何それ、おいしそうだね」と言ってメモして、後日行くみたいなやつですね。
あとは、意外とキャッチ。街角で声をかけられるっていう。ちょっといかがわしいやつじゃなくても(笑)、新宿や繁華街へ行くと、飲みの時間だとキャッチの人がいますよね。「飲み放題いくらだよ」というやつですよね。
飲食店の接触ってだいたいこんな感じかなと。これを逆で考えると、こっちが打ち出してクライアントをつかまえたい時ですけども。
探してもらうには、いわゆるSEO対策というか、検索で出るようにするか。出会いがしらだったら、リアルだったら看板だし、オンラインでいけばWeb広告かな。「広告を見て、ついクリックして」というやつですよね。それと、人に紹介してもらう。「教えてもらう」というのは紹介営業。
キャッチをあえて書いたのは、意外と世の中にいるザ・営業ってこれじゃないかなと思っているからです。こっちから見込み客らしい人にアタックをして、「どうですか? どうですか?」と言ってアポを取るやつですね。
独立して「紹介営業しかやらない」と決めた
「各会社さんは、それぞれどの戦略でやっていますか?」ということで、複数やっても何の問題もないと思うんですけども、私は今、そもそも営業をしていません。
ただ仕事上、いろんな売れる人と売れない人を見てきた結果、営業のテクニックは、今も絶賛蓄積中なんです。
なんですけども、私自身はもともと営業をやりたいと思っているわけじゃないので、なんなら避けて通りたい人種なので(笑)。独立した2017年、突然子持ち無職になったんですが、そこから個人事業主でスタートした時に、私は紹介(営業)でしかやらないって決めたんですよ。
他の3つはやらないと決断をし……、要は紹介営業って人に営業してもらうだけの話なんですけども。「それを成立させるためにどうするか」というので、いろいろあの手この手を考えたりしました。
(分析した)30業種の中でも、さらに研ぎ澄まされていくというか。あの中に紹介営業だけで成り立っている会社さんもあって、「あっ、なるほど」といってどんどん磨かれている感じでございます。
「じゃあ、何をやっているの?」というのは、この後お話を共有できればなと思っております。
世の中のすべては「等価交換」
第2の前提と第3の前提は意外と重要です。基本、世の中は等価交換だなと思っております。何かというと、例えば「1,000万円売り上げたい、1億円売り上げたい」といったら、1,000万円分の価値を提供する。まぁ、当たり前かもしれないですけども。1億円分やりたければ、1億円分の価値を自分が提供する。「その価値は何なんだろうか?」と考えることが、けっこう重要だなと思っております。
第3の前提としては、「営業とは課題解決の提案」ということです。これも当たり前過ぎるかもしれないんですけども、「顧客の課題は何ですか?」「それをこういうふうにしたら解決できますよ」という提案ができるかどうかですよね。
よく「モノ売りじゃなくて」ってありますけども。結果としてはモノや手法を導入してもらったりしますが、「顧客のお悩みやニーズは何でしょうか」ということをとことん考えることは大切ですよね。これが前提になっています。
課題解決でいくと、例えば八百屋さんでニンジンを買いますと。ニンジンに値段が付いていますけども、「なぜその値段を払ってニンジンを買うのか」ということですよね。
何かというと、ニンジンは、必要であれば自分で畑なり何なりで種から耕して育ててもいいんですけど、そんなことは現実的にやっていられないですよね。ニンジンも大根も、いっぱい作らなきゃいけない。
なので八百屋さんに行って、農家さんが作って農協を通って、その間にマージンがいろいろ乗って、お値段がだいぶ高くなるわけですけども。お金を出してでも欲しいので、それを買うわけですよね。
なので、今日カレーを作るにあたってニンジンが必要だから買うわけです。魚も肉もそうですよね。自分で魚を釣りに行けばいいし、なんなら牛を育てればいいんですが、それは自分ではできないので、やってくれている人に、その人の労力や流通費を払って買うわけですよね。というのが私の中で、「世の中はすべて課題解決のためだな」と思っているところです。
営業プロセスを分解してみる
今、前提の話をしました。次、さっそく今日のポイントの2つ目なんですけども、「プロセスで考える」というふうに整理をしております。今日の場だと対法人営業がわりと多いと思いますが、業種によっては対個人もあります。

いろんな業種で、既存のお客さんじゃなくて新規で見た時に、だいたいはこういうプロセスになっているかなというところです。
顧客像はどういうターゲットで、まだそこも見えていないということだったと思うんですけども。それでもどういうターゲットなのか、アタック先を決めて、接触して案件発掘ということで、これがいわゆるリードになる手前ですね。
で、リードに対してアポを取って、お話しして、状況を聞き出して、それに対して提案するということだと思います。
まずポイントの1つ目は、これを分解して、どこがボトルネックなのかを特定して、それを改良するのか。もしくは代替案で、例えばそれこそ営業代行会社を使うのかとか、考える。だから営業強化なんだけど、どこをどれくらい強化するかは、プロセスで切って考えるとよいんじゃないかなと思っております。
営業プロセスの「苦手な部分」を特定する
次に、「営業が苦手/できない/弱い/やらない」というのは、どちらかというと私の目線が強いんですけども(笑)、私はやらないって決めた。

その背景は、ここにはないんですけど、ちょっと面倒くさいということがあって。営業をやっている人には大変失礼な物の言い方ですけど、私からするとちょっと、追いかけるのが面倒くさくて(笑)、やらないって決めました。
どこの部分が苦手なのかとか、弱いのかですよね。リードまではいったけども、リードの次のヒアリングからの提案部分が課題とか、どの部分なのかを特定していく。
3つのポイントはほとんど同じことを言っていますが、どこを上げる必要があるのかを見ましょうと。
私の場合は、独立して、2017年の3月に(個人)事業主届を出した時に、営業はやらない、イコール「紹介だけでやるぜ」と決めた。今(スライドで)囲っている黄色い部分は、人にやってもらうというふうに決めました。みなさん、それぞれ課題とか違うと思いますので、どこの部分をどういうふうに強化するのかを分解して考えたほうがよいです。
仮説を立てて徹底的にPDCAを回す
面談からは自分でやったわけなんですけども、面談の間につながる手前も含めて、「徹底的にPDCAを回しました」という話があります。
これが2017年だと思うんですけど、「紹介が仕事につながりやすいか」というのは数字で分析をしました。私の場合は、分析の結果、「4人に会いに行って1件は紹介につながる」というのが1年目の成績だったんです。
しかも、提案は2件に1件は受注したという率だったので、そんなに悪くないというか。なんなら仕事を達成させるには4人×2件なので、8人に会いに行くみたいな。2年目以降はそんな計算式でやっていました。