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取り扱い注意の1on1なぜ、ワンオンワンがうまくいかないのか?現場の実例から学ぶ改善のヒント~(全4記事)

部下が1on1で話しやすくなる“先手の一言” 社員の行動を促す聞き方・伝え方のテクニック [2/2]

キーワードは「明日から」

そうした時に、「明日からできることは何だろう?」と問いかけることで具体的に考えられるんですね。必然的に「じゃあ、こういうことかな?」というスモールステップが出てくるので、行動につながりやすい問いになります。

調子いいことばっかり考えて、「結局、何もやりませんでした」ということはよく起こりがちです。具体的な行動を想起させるための問いかけとして、「明日から」はすごくおすすめです。すぐに使える1on1(のコツ)として、ぜひ使ってみていただければと思います。

ということで、このプチクイズのパートは以上とさせていただいて、先ほどの続きに戻ります。ここからスキルとプロセスをお伝えして、今日は終了なので、もう少しだけお付き合いいただければと思います。

(1on1の)目的をちゃんと理解する。その上でスキル。これはどういう条件を満たすべきかなんですが、これは3大スキルを活用できるようになるということです。

体験と知識の重ね合わせを繰り返す

3大スキルは、ティーチング、コーチング、フィードバックの3つですね。ティーチングは教える。これが一番イメージが湧きやすいと思うんですけど、知識やルール、方法を教えたり指示したりする。

2つ目は、コーチングですね。これが最も重要なポイントになるんですけど、相手から主体性を引き出していく。

3つ目が、フィードバックですね。相手に伝えていく。こういったスキルをぜひ活用できるようになっていただく。

じゃあ、どうやったらそれができるのか。上司の方によくある不安はこうですね。「本を読んだり研修で聞いたことをやってみたけど、なんだかうまくいかないんだ」「これは合っているのかな?」ということですね。

この対策としては、研修の中で実践と振り返りの機会を確保していきましょう。知識として「コーチングとはこうです」と聞いても、それが実になるには実践をして振り返って、体験と知識の重ね合わせを繰り返していく必要がある。ですので、ぜひ研修をそういった内容にしていきましょうということです。

上司自身も振り返りで学びを深める

2つ目は、実践事例を共有する。これは先ほど、ご紹介させていただいた対話会にも重なるんですけど、「この人はこうやっているのか」「こういう工夫をしているんだ」とかがわかると、「ちょっと自分もやってみようかな」と、幅が広がってくるので、組織全体で1on1に関する学習が起こってくる(流れを作る)のが理想ではあります。

あとは困った時のFAQも準備をしておけるとベターですが、また出てきました。「これだけで本当にうまくいくんでしょうか?」「研修もやりましたし、事例も作ったけどどうでしょうか?」と。お決まりの取り扱い注意です。

これだけやったら完全にうまくいくかと言えば、やはりそうじゃない。なぜなら、やはり1on1は上司と部下の1対1の関わりで、すべて個別の事象、つまり部下によって性格も仕事も背景も違う。だから、こうやったらうまくいくという絶対的な答えがあるわけではない。

とした時に、「じゃあ、どうすればいいの?」ということですけど、ポイントはここですね。上司自身が経験学習モデルを回す機会を作る。1on1は経験学習の機会だとお伝えしましたけど、上司自身が部下とのコミュニケーションに関して、やってみて振り返って、繰り返す機会を作っていくこと(が重要)です。

モヤモヤから逃げずに問い続ける姿勢が重要

研修を1回やって終わりだと、やりっぱなしになって、あとはもうその人次第となってしまいます。例えば弊社がよく教えさせていただくやり方は、実際に研修の内容をやってきてくださいと(お伝えする)。その上で、じゃあ、どうだったかの研修をやって振り返ります。

この、やったことを振り返って、実践することをグルグルグルグル回していただいています。ちょっとしつこいかもしれないんですけど。

上司の方にもかなり時間を取っていただくことになるんですけど、このような研修をやっていくことで、「こんな時はこう考えたらいいのか。じゃあ、こうやろう」と、上司の方自身に自分なりのコミュニケーションのあり方ができてくる。ご自身の中でそれをずっと回し続けられるようになっていただくことがポイントです。

この経験学習を回すことの対極にあるのが、「どうやったらうまくいくんですか?」「どう質問したらいいんですか?」。これはもう自分で考えていないし、質問の仕方がわかったらうまくいくほど単純なものではないので、そのスタンスじゃダメなんです。

そうじゃなくて、やって、振り返って、やって、振り返って、もう結局ずっとやり続けていく必要があって、(それを続けることで)そのスタンスを身に付けていただく。これは、お伝えするのがなかなか難しいんですよね。

みなさんの心理からすると、「答えが欲しい」「どうやったらうまくいくか教えてほしい」なんですけど、いや、そうじゃないんですという……グルグルグルグル、モヤモヤしながら振り返っていきましょうということが、このスキルを身に付けていくことのポイントです。

1on1の進め方のテクニック

では最後に、プロセスにおいて満たすべき条件ですね。スタンス、スキルと、最後にプロセス、進め方です。上司が1on1の進め方を理解しているということ。ここを、「じゃあ、このポイントをどうやって満たしていくの?」。上司が1on1の時間をどう過ごすのか、何をどうやって準備するのかなんですけど。

ここは、1on1の流れをロジックツリーみたいにしてみたんですが。どういった流れで進めているのかと、それぞれのプロセスで起こりがちな困り事に対して、「例えばこういうことができますよ」ということを提示しているんですね。もちろん企業や目的によっても変わってくるんですけど、ある程度は型が作れるところだと思います。

なので、例えば事前準備はこうしてほしいとか、実施中は特にこういうテーマがあるとか、事後はこうしてほしいということを整理する。そこで起こりがちな困り事に、対してやるべきことを整理しておけば、ある程度、解決策としては上司の方もわかりやすいかなと。例えば、ハンドブックにしておいたりできるとベターですが。

これは、全部を紹介し切るのは時間が到底足りませんので、よくいただく(1on1の)進め方に関する悩みを1つだけご紹介させていただきます。「結局、何を話せばいいのかわからない」「目的はわかったけど、話題がないし」「結局、仕事の話になっちゃう」と。もう、お決まりの取り扱い注意です。

テーマ設定の重要性

例えばテーマの例示、どういうことを話すのが望ましいのかを出してみる。例があるのとないのとでぜんぜん違うんですよ。例があることで、「そうか、こんなのもありか」ということがわかる。「何でもいい」だとなかなか話せないので、例を挙げる。

さらにもう1個、こんなものもありですね。テーマの考え方の例示。例を出しちゃうと、それしか考えられなくなるパターンもあるので、考える指針を提示する。

例えば「1ヶ月以内に目標面談がある。YesかNoか?」「長期的なキャリアのことを考えたい。YesかNoか?」というふうに、考える流れがわかるようなものがあると話しやすいですね。

もしくは、例えば最初の数回ぐらいは、「こういうテーマで話してください」ということを仮で決めてもらうのも良いかもしれないですね。やはり何回かやってみないと、どうしてもわからないことはありますので、まずはどうやって1on1をやりやすく体験してもらえるのかということですね。

その中で、どういうふうにテーマを持って上司と話をしてもらえるのかです。何もないとちょっときついと思いますね。

部下が自分で考えることを促していく

時間が迫ってきましたが、さぁ、いかがでしたか。1on1成功のピラミッドということで、1on1を成功させるにあたって上司が満たしておくべき条件(を解説しました)。3つの構造になっていて、下の階層がないと上の階層がうまくいきませんよということです。

なので、もし今、ちょっと悩みをお持ちだとしたら、あらためてこの順番で振り返っていただいて、どこがうまくいっていないのかを考えてみていただけるとよろしいかなと思います。

今日はこの3番まで終わりました。4番に入る前に、いったん総括をさせていただこうと思うんですけど、今日のゴールですね。上司の方がもしいらっしゃったら、どうですかね、何か1個でもヒントは見つかりましたか? 人事の方は、現場で上司の方々を支援するための武器が何か1つでも見つかりましたか? 

部下が自分で考えることを促していくことが、1on1のキモです。その上で上司のスタンス、スキル、プロセスにおける困り事を解決していきましょうということがポイントでした。

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