【3行要約】 ・1on1を導入する企業が増えているものの、「何を話せばいいのかわからない」と悩む上司が後を絶ちません。
・森大幸氏は1on1の質を高めるには3大テクニックとしてティーチング、コーチング、フィードバックのスキルを挙げています。
・同氏は上司・部下の双方が実践と振り返りを繰り返すことで効果的な対話が実現すると指摘します。
前回の記事はこちら 部下の話を引き出す1on1のテクニック例
森大幸氏:ということで、ここからピラミッドの次、スキルに入っていくんですが、その前にちょっとクイズタイムを設けようと思います。これは以前、このセミナーに参加していただいた方から、「1on1で実際に部下と話をする際の具体的なテクニックを教えて欲しい」という質問から生まれたクイズです。
さっそくですが出題です。(スライドを示して)1on1を行う際の座り方として、もっとも適切なものは次のうちどれでしょう?

「①面と向かって座る」「②横に座る」。横並びのかたちですね。「③斜めに座る」。机の角を挟んで斜めに座るイメージです。「④座らない」。立ったまま話し合う。
さて、少しシンキングタイムです。……いかがでしょうか? それでは正解発表です。正解は、③の「斜めに座る」でした。
これは机の角を挟んで斜めに座るというイメージで、実は「90度法」という名前が付いています。
なんでこれがおすすめかと言うと、目線を合わせてもいいし、合わせなくてもいい状況になるからですね。もしくは、ちょっと目線を(そらして)、ちょっと考え込むことも起こると思います。面と向かって座るとシーンがあると思うんですが、ずっとその人の目を見ると緊張しちゃったりすることもありますよね。正解があるわけではないんですけど、1つのおすすめとして、この90度法を持って帰っていただければと思います。
部下の話を引き出す最初の一言
どんどんいきますね。第2問。部下が寡黙で、自分から話をしてくれないため、つい自分ばかり話をしてしまう。部下の話を引き出す一言は何でしょうか?
「①何でも話していいんだよ!」「②僕ばっかり話してしまってごめん」「③話すことないよね~。そうだよね」「④じっくり待つから、沈黙は恐れないで」。

ということで、これも投票ボタンを出してみようかなと思います。さぁ、4択です。4名の方、早いですね。ありがとうございます。じゃあ、投票を終了とさせていただいて、結果です。
はい、2番を選んでいただいた方が1名、4番を選んでいただいた方が5名ということですが、正解は4番です。4番の方、おめでとうございます。
これのポイントは、沈黙が起こることに対する心理的な安全をどう作るのか。また、場の前提をどう握っておくと良いのか。やはり問いを出したりじっくり考えるのは時間がかかりますし、沈黙が起こることは当然あるので、その前提で進めていただくのがいいです。
そうした時に、先に「沈黙を恐れないで」と伝えておく一番のポイントは、部下はもちろん、上司である自分が安心できるんですよね。
これを言っておけば沈黙になったとしても、間を埋めなくていいんですよね。上司自身の心の安全にもなるので、ここを握っておくと、かなりゆっくりと時間を使えるようになる。魔法の言葉ではないですけど、その場をお互いにとってより安全なものにできるので、ぜひ使ってみてください。
部下の行動を促すために必要な一言
さぁ、では次が最後です。第3問。これはよくあるんですよ。1on1でたくさん話をしてもらったにもかかわらず、話すことに満足して終わってしまう。部下の行動を促す一言は何でしょうか?
「①君ならできる!」「②で、明日から何をする?」「③言い残したことはない?」「④今日もありがとう」。また投票ボタンを出してみようと思います。

早いですね、みなさん。もう直感でかまいませんので。あと5秒ぐらいで締め切りたいと思います。5、4、3、2、1、ありがとうございます。じゃあ、投票を終了します。
結果は、みなさん2番ということで、正解です(笑)。2番でした。
解説するまでもないかもしれません。感謝を伝えるとか、「君ならできる!」みたいに応援するスタンスもすごく良いと思いますが、行動ですね。先ほど経験学習を回すとお伝えしましたけど、何か行動が決まっていたほうが、職場に持ち帰ることができますし、次に振り返る材料になります。