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【勘違い】スキルアップへの近道は、技能や資格を増やすことではない(全1記事)

スキルは資格ではなく“解いた課題の数”で決まる キャリアアップに役立つ実績の言語化のコツ [1/2]

【3行要約】
・スキルをツールの使用能力と捉える傾向がありますが、豊間根青地氏はスキルを「解いた課題のコレクション」と定義します。
・豊間根氏は「いかに○○するか?」という課題解決の実績を積み重ねる重要性を強調しています。
・自分の現在地を把握し、次のステップを意識することで、より効果的なスキルアップが可能になります。

「スキル」の定義とは何か

豊間根青地氏(以下、豊間根):仕事をもっと。

岩本紘佳氏(以下、岩本):おもしろく。

豊間根・岩本:「シリョサクTV」です。お願いしまーす!

豊間根:「スキル」の定義ね。「スキル」とは何ですか? ヒロカさん。

岩本:「スキル」の定義?

豊間根:「スキル」とは何か? 辞書の定義は何ですか?

岩本:辞書の定義は知らないんですけど、自分が身に付けるもので、それによって何か能力が高まったりするもの。

豊間根:なるほどなるほど。いいですね。

岩本:いいですか? 大丈夫ですか? すごくあやふやですが。

豊間根:おおまかにはそうかなと思います。今日は「スキル」というものの、考え方と捉え方を変えるお話をしたいなと思っています。

スキルとは「解いた課題のコレクション」

豊間根:スキルのことを話した時に、多くの人が捉えがちなのが、例えば「PowerPointが使えるスキル」とか、「動画編集ができるスキル」とか、そういう何かのモノとか道具を使えることがスキルだと定義している人がけっこう多いんですよ。

これは間違いじゃないです。それもスキルの1個なんだけども、今日はちょっと別軸から、「スキル」というものを定義したいと思います。「スキル」とは何かというと、「解いた課題のコレクション」なんですね。

岩本:解いた課題のコレクション。

豊間根:「解いた課題のコレクションがスキルである」という認識を持ってほしいのが今日の動画です。

ちなみに、「課題」という言葉はけっこう認識がズレがちなので、問題の意味で使っている人と、論点の意味で使っている人と、打ち手とかアクションの意味で使っている人がいて、ToDoみたいな意味で使っている人がいて。私はあまり使わない言葉なんですけども、今回はあえて「課題」と言いたいと思うんですが。

課題とは「いかに○○するか?」

豊間根:課題とは、「いかに○○するか?」という文章で表される、ある状態を実現するために答えを出すべき疑問文。言い換えれば論点であると定義をしたいと思います。例えば、「いかにシリョサクTVのチャンネル登録者数を100万人にするか?」。これは課題です。

岩本:はい、課題。

豊間根:他にも、「いかにシリョサクTVの更新頻度を週2回で担保するか?」。最近、抜けがちになっていますね?

岩本:(笑)。

豊間根:とか、「いかにヒロカの前髪をいい感じにするか?」。これも一種の課題。というふうに、「いかに」で始まって「?」で終わる、「いかに○○するか?」というのが課題です。私の定義では、その人が今までに解いてきた、この「いかに」の並びがスキルなんです。

スキルの階層構造を理解する

豊間根:じゃあ、「YouTubeの運用」という観点で考えましょうか。「YouTube運用のスキルがあります」と言われたら、どういう人を想像しますか?

岩本:YouTubeを伸ばすノウハウを知っている、みたいな。

豊間根:伸ばすノウハウ。いいですね。「伸ばすノウハウ」とは、どういうふうに伸ばすノウハウですか?

岩本:視聴者数、視聴者登録をどれぐらい伸ばすことができるかとか、そういう軸。

豊間根:ヒロカの今のイメージは、かなり抽象度が高い課題を想像していますね。先ほど言った「いかにシリョサクTVのチャンネル登録者数を100万人にするか?」という課題って、かなり抽象度が高いんですよ。課題とは、「いかに○○するか?」

岩本:そうですね。その中にはいろんなものがありますものね。

豊間根:そう、いろいろ含まれるでしょう? 例えば、「そもそもシリョサクという会社がYouTubeを運用する意味って何だっけ?」といった目的をちゃんと設定して、「じゃあどういう人が見ているんだっけ?」「世の中にはどういう視聴者がいるんだっけ?」「競合はどんな人がいるんだっけ?」

「どういうコンテンツを、どういう体制・戦略で作っていって、どうPDCAを回していくのか?」「どういう会議体を設定するのか?」「どう数字をチェックしていくのか?」って、全部が含まれるじゃないですか。これが今、ヒロカが言った意味での、「YouTube運用のスキルがある状態」なんですよ。

スキルに関するミスコミュニケーションの例

豊間根:一方で、「私、YouTube運用ができます」と言った人で、よくよく話を聞いてみると、要するに、「いかに15~20分程度の動画をおもしろおかしく編集できるか」というスキルのことを言っているとか。

要するにこの人は、3~5人ぐらいの動画編集者とかサムネイルのデザイナーの人を、納期が漏れないようにちゃんと管理して、スケジュール管理できるということを「YouTube運用できます」と言っていたりすることがあるんですよ。

岩本:そもそも経験があるだけで、「そのスキルがあります」と言っていたりすることもありますよね。

豊間根:そうそう。例えばシリョサクTV(の登録者数)が今は8万人ぐらいだけども、これが100万人に爆伸びしたとして、言うてもサムネイルのデザインだけをしていた人が、「8万人から100万人に伸ばす」という課題を解いた経験があるかといったら、ないですよ。

岩本:ないですね。

豊間根:でしょう? 我々は、例えばYouTubeのサムネイルを作りたい時に、究極的には、サムネイルを作りたくてサムネイルのデザインをお願いしているというよりかは、YouTubeを伸ばすための1つのパーツとして、サムネイルをお願いしているわけだし。

岩本:そうですね。

豊間根:さらに言うと、YouTubeが伸びることによって、シリョサクという会社が多くの人に認知されるとか、営業とか採用の面でメリットがあるから、究極的には業績アップとか、社会に与える価値のインパクトを大きくするためにYouTubeをやっているわけじゃないですか。というふうに、目的をどこに置くかによって、スキルのレベルってぜんぜん変わってくるんですね。

「いかに」の階段を上る

豊間根:我々が真に欲しいのは、サムネイルのデザインとかではなくて、その先にある話なんですね。「Premiere Pro(動画編集ソフト)が使えます」がスキルじゃないかというと、そうではないんだけども、単純に何かのアウトプットを作れるとか、ツールが使えますみたいな、抽象度の低いものがスキルだと思っていると、本質が見えないんですよ。

例えばYouTubeの動画編集をずっとしている人がいたとして、スキルを上げたい時に、Premiere Proだけじゃなくて、「Googleスライドも使えるようにしよう」とか、「プログラミングを学んでみようかな」みたいな、抽象度の低いところで、できる・作れるアウトプットを増やすことって、意味がなくはないんだけども。

どっちかというと、動画編集だけじゃなくて、例えばコンセプトの提案、「企画から書けるようにしていこうか」とか。さらに、企画を書く人をまとめて、市場調査とか競合調査とかも含めて、全体の方針をちゃんと決めて、KPIにヒットさせて業績に寄与するところまでできるようにしますとか。

要は、横に伸ばすんじゃなくて、上に伸ばして抽象度を上げていったほうが、(人材としての)価値が高まることが多いんですよね。という認識を持っておかないと、スキルというものの認識がズレることがあるので。

私は「『いかに』の階段を上る」と言うんだけども、「『いかに』の階段を上ることがスキルを上げることである」というイメージを持っておいたほうが、キャリア形成にうまく働くことが多いと思うので、「スキルは解いた課題のコレクションです」という表現をしました。


岩本:なるほど。

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