【3行要約】
・「財務は難しい」と敬遠されがちですが、管理職はまずPL(損益計算書)について理解することが、財務リテラシーを上げる第一歩です。
・営業利益率は業界によって異なり、情報通信7〜8%、製造業5%、飲食4%が目安となります。
・管理職は決算月を把握し、計画以上の利益が出そうな時期に投資提案をすることで、次年度につながる施策を実現しやすくなります。
まずは損益計算書を理解する
伊庭正康氏:「管理職は財務諸表を知らないと務まらない」と、よく言われます。財務って難しいんですよね。でもね、ご安心ください。今日は、管理職として、まずはこれだけ知っておけばいいという話をします。

私自身も財務のことを少し勉強した時に、管理職として大きく飛躍しました。ですから今日は、ここだけ押さえておけば大きく飛躍するというレバレッジスキルを紹介していきます。
こんなことはないでしょうか。「財務の知識はゼロなんですよ」、「粗利益と営業利益っていったい何が違うんですか?」、「え!? 利益って種類がそんなにあるんですか?」。
あと、決算前に上司と相談したほうがいいの? それとも決算後にしたほうがいいの? 稟議はどちらが通しやすいの? みたいな話も含めてやっていきますので、管理職としてこれだけ押さえておけば、会社のお金に強くなる。そんなことを紹介していきます。管理職の人は絶対に知っておいてください。
まずは、これです。PLというものを押さえる。これだけでいいです。しかも、ここだけ知っておけばいいという話をしています。
財務三票の基本情報
今日のメニューは、こちらです。財務三票という、財務のシートの種類があります。それをまず簡単に紹介します。

その中でまず管理職はPLだけを押さえます。そしてPLを読めないと、こうなっちゃいますよということも最初にお伝えします。そして最後にPL、これだけあればいいですよという読み方、使い方みたいな話をしていきますので、ぜひ楽しみにしてください。

そして今日の内容はね、「もうPLの読み方を知っていますよ」という方は退屈になるかもしれません。ただ、自信がないよという方はめちゃくちゃ勉強になりますので、最後までお付き合いよろしくお願いします。
まず、財務三票と言われる種類(のもの)があります。左から、損益計算書、PLと言われているものですね。売上と利益を記しています。Profit and Loss Statementということで、1年の成績が出るものです。売上がこう、利益がこう。
そして2つ目、真ん中が貸借対照表、Balance Sheet。これをBSと言ったりしますね。その会社の健康状態を指すものになります。まず、資本はどれぐらいあるの? 負債はどれぐらいあるの? 不資産に対して負債が多過ぎたら怖いですよね。あと、それとは別に手持ちの自分のところのお金、資本がどれぐらいあるの? というお話なんです。これは健康状態です。「借金し過ぎは危ないですよねー」みたいなものですよね。
PLで売上と利益の関係性を見る
次。右がキャッシュフロー計算書、CFですね。これは、お金の流れです。「黒字倒産」ってよく聞くんですよね。Balance Sheet、貸借対照表で言うと、まぁ、ちゃんとバランスは整っていますよ。
PL、損益計算書を見ても利益がちゃんと出ています。でも、お金が回ってませんって(パターンが)よくあるんですね。「回収できてません」。その場合、倒産してしまう。お金の流れは大丈夫ですか? というのがあったりします。
じゃあこの中で、管理職が見ておくべきもの。それが、ドン! 損益計算書をまずは見ておきましょう。これは、どの管理職も絶対に必要です。他のBalance Sheet、キャッシュフロー計算書は、まぁ、ほとんどの業種では大丈夫かなと思います。ですので、まずはPLを見ていきましょう。
管理職としては、まずPL。売上と利益の関係がわかるようになります。売上を追い求めている会社と、利益率を追い求めている会社に別れます。そして、さらなる高利益体質づくりへのヒントもつかめます。そして稟議、提案する時のタイミング。決算前と決算後では、承諾率がぜんぜん変わったりする話もしていきます。