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課題解決の思考法 2年かけて執筆した新刊のエッセンスを、たった1時間で凝縮解説!(全4記事)

仕事の目標設定によくある3つの誤解 上司の“嫌な突っ込み”が教えてくれた課題解決の本質 [1/2]

【3行要約】
・問題解決において課題を明確化することは重要ですが、「なぜまだ解決していないのか」という視点が見落とされがちです。
・ 高松氏は、課題とは相対的なものであり、選ぶものだと指摘。目標設定では数字で語ることが会社を動かす鍵になります。
・効果的な問題解決には、課題を決めるキーチャートの活用や、解決策が満たすべき3つの条件(目標達成、目的合致、制約条件)を明確にすることが求められます。

前回の記事はこちら

“課題を明らかにする際のポイント”とは何か

高松康平氏:課題とは、何に取り組むかを決めることです。よく研修とか本で、こんな1枚のイメージを見たことがあるんじゃないかなと思います。ファクト、事実を集めて、まとめて、これが課題であるとまとめます、というものです。

ただ、まとめて上司もしくはクライアントに報告するとします。上司に「これが課題だと思います」と言いました。「高松君、ありがとう。ほかの課題はないのかな? それだけが課題なのかな?」みたいな突っ込みをもらいます。みなさんは、こんな経験はありませんか? 私はあります。

「いやいや」と。いつも「シンプルに言って」って言うからこっちは「課題はこれだ」って言ってみたのに、「ほかの課題はないか?」って。正直に言わせていただきますと、私は「嫌なやつね」って思っていました。

でも、上司は嫌なやつではなかったんじゃないかなと、今は反省しています。これは、上司にとって自然な疑問なんじゃないかなと思います。

つまり、課題を考えるポイントはこういうことなのかと。見えている問題の場合、目標があって、現状があって、何か問題が起きたら、何に取り組めばいいか、課題を明らかにする。

その課題を明らかにする際のポイントは何か。こういう問題ってたぶん、今までも何回か起きてしまったり、対策をしているにもかかわらず起きてしまう。だから課題を明らかにするためには、「why not yet、なんでまだ解決していないの?」に答えなきゃいけない。

“なぜそこに取り組むべきか”を明確にする

有名な例といいますか、見えている問題で言うと、やはり業務ミスとかそういうものです。(業務ミスが)また起きた。それを解決するための課題を発見するには、「実は今回はこれができていなかったんです」というファクトがあれば絶対的な課題を証明できる。つまり「今回だけはこれができていなかった。だからこれに取り組みましょう」と、課題を言える。

でも、見えていない問題の場合って、そもそも目標がわかっていなかった。その時にそもそも目標が定まっていないのに「これが課題です」って言われても、「んっ?」てなる。

つまり、より良い未来を作るために何に取り組むかを明らかにしたいので、「ほかよりもこの課題に取り組むほうがより良いよ」って言わないといけない。

上司は嫌なやつじゃなかったんですね。ごめんなさい。なぜ、ほかの課題じゃないのか。「why not others」に答えなきゃいけない。

だから、「いろんな課題、取り組むことがあるけども、その中でこれがいいよ」と言わなきゃいけないということだったのかなと思います。

課題を決めるキーチャートの活用法

つまり、課題を伝える際には、ちょっと工夫が必要なんです。「課題を決めるキーチャート」と呼んでいます。課題を決める際には、その1「事実の解釈」。絶対的な事実がある場合はこれでいいと思います。「事実1、事実2、事実3。こういう事実があるから、こういうことに取り組みましょう」と。見えている問題の場合はこれでいいんじゃないでしょうか。

ただ、見えていない問題の場合には「より良い」って言えなきゃいけない。だから、その2、その3、その4、どっちかのパターンを示します。その2「A vs B」。課題はAではなくBだよと。悩ましい2つの課題候補を出す。「右に行くか? 左に行くか? 2つあるけども、私はAではなくBである」と(いう)。出来レースはダメですよね。Bって言うためにちょっとAを添えるだけとか、それだと意味ありません。

より良くするためには、両方できない(場合は)、2項対立で課題を選ぶ。そうすると上司も「確かにね、どっちかだよね。私もそう思うよ」とか、「いや、私はこっちだと思うよ」と、議論すればいいんです。

また、その3「複数案を表で比較」。「A、B、C、Dと、課題の候補がいろいろあるけど、私はCだと思うよ」という。また多数案がある場合には、「いろいろある中でAとBである」といったかたちで多数の案を比較するのもいいんじゃないかなと思います。

つまり、見えていない問題を発見して、解決策を考えるわけなんですが、課題というのは相対的なものであり、選ぶものなんだと。そのためには課題を決めるキーチャートという考え方が必要なんだというのが、課題を決めるところのポイントになります。じゃあ、課題が決まったら、目標を決める。

目標設定の本当の意味とは

「目標って何のためにあるの?」っていうところなんですが、まず①番。会社をイメージして書きましたが、経営陣から管理職に目標を伝える。そうすることによって会社の大きな方針を伝えることができる。管理職は、それで何に注力するか決められます。

管理職もメンバーに「あなたはこういうことをがんばってください」と、目標を伝えます。そうすると、仕事の優先順位を決めることができる。

③。これは、すべての会社で働く人もそうですが、目標があることで何に取り組むか(の選択や)、仕事の振り返りができる(ようになります)。

これらは基本的に上から下に伝えるということで、正直、私はワクワクしたことはありません。「目標が落ちてきたよ。今期も高いな」みたいな、そういうものですね。

中から外もありますね。④、対顧客。「うちの会社、こういう品質をお約束するよ」とか、「こういうブランドですよ」とか。そして⑤番、対投資家。「うちの会社、こんなふうに成長するよ」とか。また、対⑥、「社会にこんなふうに貢献するよ」とか。最初の①、②、③よりは、対外的に貢献できるし顔が見える存在もありますので、これはちょっとテンションも上がるかなと(思います)。

組織を動かすために数字で語る

さらに今回、見えていない問題に取り組むに当たって、なんで目標を決めるのか。⑦です。メンバーから管理職。管理職から経営陣。つまり会社を動かすためには目標、言い方を変えると数字です。「これくらいこういう成果が出せる。だからやりませんか?」という。

やはり会社は数字でつながっています。P/L、B/S、キャッシュフロー。会社を動かすには、数字で語ることが一番効果的かなと思います。ノルマじゃないんです。「こういう課題に取り組んだらここにいけるかもしれない」という可能性なんです。あるべき姿ではなく、ありたい姿なんです。そうやって多くの人を巻き込んでいくことが、目標設定のポイントです。

じゃあ、どんなふうに設定するか。これはもう、今まで考えたものを数字に落とす。つまり現状があって、課題がある。「その課題に取り組んだら、どんな変化が起きるかな?」と想像していく。一定の仮定を置きながら計算します。

計算して、その目標が妥当か確認する。その1「目的を達成するための目標としてふさわしいか?」。会社とか事業とか、いろんな目的を掲げていらっしゃると思いますので、それと照らし合わせます。

そして「外部環境の変化と比較して、胸を張れる内容になっているか?」。やはり、市場とか競合の動きも気になります。そこだけでは決めませんよ。市場がこれだけの動きをしている。競合がこれだけがんばっている中で我々はこれだけがんばる。そこをチェックするという意味では必要なのかなと思います。

大事なのは自分たちがどうなりたいか。そこの思いがまず大事で、そしてどうなれるかが先かなと。そんなところで、その1、その2を確認しましょう。これが目標を確認する方法となります。

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