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課題解決の思考法 2年かけて執筆した新刊のエッセンスを、たった1時間で凝縮解説!(全4記事)

“最初に目標を決める人”が見落とす盲点 4つのステップで整理する、効率的な課題解決の考え方 [1/2]

【3行要約】
・問題解決の方法は多く存在しますが、「見えていない問題の発見」という新たなニーズが企業で高まっています。
・スキルベース社が提供する研修では、2024年度は40%が「見えていない問題の発見」に関するもので、企業ニーズの変化が表れる結果となりました。
・見えていない問題の発見には、最初に目標を決めるのではなく、テーマ設定から始め、現状把握、課題決定、目標設定というアプローチが必要です。

前回の記事はこちら

従来の問題解決プロセスの限界

高松康平氏:(企業のニーズが“今は見えていない問題の発見”に変化しているという話題を踏まえて)でもですよ、なんで今までの問題解決の考え方では対応できないのかというところまで見ないといけません。

本屋さんに行くと、問題解決本はもうごまんと並んでいます。私も2冊書いています。何冊くらいあるんですかね? 問題解決カテゴリーだけでも、100冊、200冊、300冊、たくさんあると思いますが、でも、これまでと同じアプローチだとうまくいかないと思っています。

もちろん見えている問題の時はいけるんですよ。だいたいこんな感じかなと。私も2冊の本を出していますが、それらは見えている問題を解決する方法です。そのやり方は今後も大事だと思いますが、ただ、見えていない問題を発見する際には使えません。

どういうことなのか? まず、今までの方法ではだいたいステップ1「問題定義」から始まります。目標と現状、そのギャップを定義しましょう。何の問題を解決するかは、「What」と呼ばれます。

「What」を定義したら「問題分解」。「どこどこ」とか言ったりして、「Where」、どこで問題が起きているか。ステップ3「原因分析(Why)」。そしてステップ4「課題抽出」。ステップ5「解決策立案」と、こんなふうに進みます。

これは1つのセオリーかなと思います。今日ご参加いただいているみなさんであれば、本を読んだり研修で習ったことがある方も多いんじゃないんでしょうか。ただし、見えていない問題を発見する際に、これでいけますか? いけませんよね。

「問題定義」は本当に可能か?

なぜならこのプロセスでは最初に「問題定義せよ」と言っているんですけど、できないよね、と。だって、まだ現状もわかっていないのに目標を決めろと言われる。「それ、無理じゃないですか?」という感じで悩ましい。

ここで一番やっちゃいけないのは、「えいや!」ですね。みなさんもね、たまに社内で聞こえるんじゃないですか? 「去年までは昨対105パーだったから、『えいや!』でちょっと乗せて110パーいっておくか」みたいな。「いやいや、もう一声いきましょう。120パー」みたいな。「えいや! えいや!」と。

日本経済が右肩上がりに成長していたらそれで良かったかもしれませんが、やはり全体的に縮小していく中においては、なかなか難しい。

もちろん伸びている業界もありますよ。冒頭に申し上げましたベンチャー企業はめっちゃ伸びています。伸びているけど、「どこまで目指すの? いきなり最初に決めろ」と言われると、もう難しいわけです。「えっ、どうしよう? もっといける? どれくらい?」。決められない。

また、金融機関の話で申し上げました、「これからは支店長が何を目指すのかを最初に考える」。「いや、最初に決められないよ」ということが起きていたので、新しい考え方が求められているのかなと思います。

課題解決の考え方のまとめ

いったん整理します。見えている問題と見えていない問題の2つがあります。左側、見えている問題の解決。これがいわゆる発生型と言われる問題解決です。目標と現状。問題があって、今起きている問題を引き起こす課題を発見し、解決する。これは大事だけども、右側、見えていない問題の発見も大事です。

つまり、現状はこうだけど、どこまでいけるか。そもそも何を目標にするかが見えていないんです。自ら課題を解決することで、今は見えない目標を実現すること。「こういう課題に取り組んだらここまでいけるよね」という、こっちが求められている。

もちろんこっちだけじゃないですね。両方なんですが、この両方が求められているけど、なんか問題解決っていうと。左側ばっかりやっちゃっている。

右側もやらなきゃいけないし、できるようにならないと、何か問題が起きてから対応するだけになってしまう。それじゃあ、より良い未来は作れないよねということなのかなと思います。

「じゃあ、どんなふうにやるか?」なんですが、こんなふうにまとめました。見えていない問題を発見するアプローチ。

そもそも見えていない問題を発見する場合は、別に問題が起きているわけじゃないので、ステップ0「テーマを設定する」。「そもそもどんなお題を考えるの?」ということも自分で考えなきゃいけない。

そして最初にやるのは、ステップ1「現状がわかる」。「今は何が起きているの? 未来はどんなふうになるのかな?」と、未来を想像する。「あっ、こんなふうになっていくんだ」という。

最初に目標を決める必要はない

じゃあ、ステップ2、こういうことに取り組もうと。ステップ2で課題を決めて、3番で目標を決める。ここまでいける可能性があるんだ。じゃあ、ステップ4、「じゃあ、具体的に何をやる?」。こういう流れでいいんじゃないかと思います。

でも、学校でこういう教育があったのかわかりませんが、なんだかみんな、最初に目標を決めたくなるんですね。なんでですかね? 私も何かを考える時に、とりあえず目標を決める。「来年は大会でどこまで目指すのか?」とか、部活の影響なのかな。

部活だったらいけるんですけど、そもそもビジネスはゲームのルールも、今がどういう状況なのかわからない中で、最初に目標を決めるのは無理じゃないですか?

もちろん期初とか、年度始めには目標があったほうがいいと、社長とか部門長が、「今期はこういう目標をがんばるぞ」と(言うことはあります)。もちろんそれは組織を動かすためです。実行というフェーズでは目標があったほうがいいとは思うけど、そもそも作戦や戦略を考えている時に、最初に目標を決める必要ってないし、おかしいですよ。

というところで、現状があって課題を先に決めてから目標を決めてもいいよねと。そのタイミングで「えいや!」でやりたければ「えいや!」で決めてもいいんだけど。「えいや!」で決めるにしても、状況がわからなければどれくらい「えいや!」かがわからないですよね。

現状がこうだからここまでいけるかどうかっていうのは、ちゃんと現状を見て、どういうことに取り組むことができるかを考えた後でいいよね、というところがポイントかなと。

研修の40パーセントが「見えていない問題の発見」に

これを今回の本では、詳細をまとめました。見えていない問題を発見し解決するプロセス。

ステップ0「テーマ設定」をして現状がわかる。「わかる」っていうのがけっこう大事でして、「わかる」を3つに分けています。「情報認識」「構造化」「質問」。わかったらステップ2で課題を決めて、ステップ3で目標を決めて、(ステップ4で)解決策を決めると。これをいろんな企業さまで提供して磨いてきたものを、書籍化させていただきました。

我々はどれくらいこの研修をやっているかなんですが、「スキルベースが提供した2024年度研修のうち、見えていない問題を発見する研修の割合は何パーセントでしょう?」。「いやいや、初めてスキルベースのことを知ったのにそんな質問、興味ないよ」って言わないでください(笑)。

答えです。40パーセント。これ、我々としてはめちゃくちゃ高い数値で。つまり、研修ってありがたいことに毎年やっていただくお客さまが多いんです。

(この研修は)2023年度はほぼやっていない。だから2024年度に40パーになったっていうことは、新たに増えた研修は、ほぼほぼ「見えていない問題を発見する」ことだったんです。

我々のもともとあるカリキュラムはほとんど使われなくなった。新しいカリキュラムのご要望がめちゃくちゃ大きかったというところで、ここまでは見えていない問題というのはどういう問題なのか、それに対してどうアプローチするかっていうことをお話ししました。

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