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課題解決の思考法 2年かけて執筆した新刊のエッセンスを、たった1時間で凝縮解説!(全4記事)

“最初に目標を決める人”が見落とす盲点 4つのステップで整理する、効率的な課題解決の考え方 [2/2]

全社の課題を踏まえて取り組む内容を決める

じゃあ、ここからはポイントを見ていきましょう。

見えていないので、テーマを決めなきゃいけない。「君にはこういうことをやってほしい」「売上がちょっと未達だ。がんばってほしい」っていうふうには来ないわけです。これはもう問題が見えている。そうじゃないんです。「もっとより良くなれるっていうこと、なんかどっかにないかな?」という。

でも、「どっかにないかな?」と言われても、どこにあるかよくわからないし、何をきっかけに考え始めるか、そこはやはり難しい。まずテーマを決めましょう。じゃあ、どんなふうに決めるか。

自分の中で、こういうテーマに取り組もうっていうのがある場合はそれでもいいんですが、ただ、会社として「なんで?」っていう疑問もありますし、やはり会社の大きな戦略の文脈に沿ったテーマ設定をすべきなので、基本的には全社の課題とか事業課題を認識します。大きな会社であれ小さな会社であれ、うちの会社全体としてはこういうことに取り組もうと。

全社の課題があって、そして一つひとつの事業があって、「課題は何なのかな?」と認識して、「こういうテーマに取り組もう」とテーマを設定する。これが大きな流れかなと思います。

「テーマ」という言葉の罠

ただしなんですが、「テーマって何なのよ?」っていう疑問もあると思います。なんか、すごく便利(な言葉)なんですね。「今回はどんなテーマで提案するの?」とか、「どんなテーマで今回考えているの?」とか。

これね、便利なんですけど、人によってこのテーマっていう言葉の意味がもうバラバラなので、これはちゃんと定義をしたい。私たちスキルベースではですね、こんな定義としています。

テーマを設定するとは、この4つのことを決めること。①「対象企業」。「どこの企業さまのことを考えるの?」。②「領域」。「どの領域のことを考えるの?」。そして③「機能」。「どの機能のことを考えるの?」。④番、「軸」ですね。「どの軸をより良くしたいの?」。

①、②、③が、スコープとか言ったらいいんですかね、どの範囲で考えるのか。「①対象企業とは、自社、お客さま、代理店さんのこと、どの企業さまのことを考えるの?」のこと。

で、「②領域」。「全社のことを考えるの?」。それとも、事業、製品、エリア、部門、工場、支店のことなのか。そして「③機能」。全体戦略を考えることもあれば、マーケティングとか営業、生産、品質管理、物流、システム、人事、データ活用といろいろあるでしょう。

つまり①、②、③を考えることでスコープが決まる。これは別に広ければいいという話ではなく、まず、自分の任されているスコープの中でやる場合には、現職の役割で何を任されているのかなというテーマで①、②、③を決めてもいいですし。

あとは、自社であれお客さまであれ、自主提案をする際には、「どの領域でやるかな?」とか「どの機能でやるかな?」というのは自由に定められます。

広過ぎると提案相手としても受け取れないと思うので、やはり「提案する相手がどういう人なのかな?」とか、「どの範囲で考えてほしいのかな」とかに合わせることが大切なのかなと思います。

経営戦略と連動する動きを意識する

そして④番、「軸」。「このスコープで考えて、どの方向により良くしたいの?」と。でも、(まだ)目標を決めませんよ。目標を決めたら、また「えいや!」になりますが、どの方向により良くしたいかは、ここの時点でも決められるんじゃないかなと。

成長性、「規模を大きくしたいの?」。収益性、「利益率を上げたいな」。競争力、効率性・生産性、価値を高めたいとか、顧客満足度を高めたいか、品質を上げたり、性能、利便性、安全性、健全性、多様性とか、ほかにもいろいろあるでしょう。

この際にやはり会社としてどういう方向により良くしたいかというところをちゃんと認識した上で、そこにちゃんとベクトルをそろえることが大事で、これがよく言う経営戦略との連動っていう話かなと思います。

経営戦略としてはこっちを向いているのに、私の取り組みは別の方向を向いていると、連動しないわけです。ちゃんとつながっていますか。わずかでもいいんですよ。ちょっとでもね、会社の大きな方向に貢献できるか。そういう方向が一緒かというところで、軸を定める。こんなかたちでまずテーマを定めることからやる。

ここがつまずいちゃうと、自分の範囲で考えちゃったりします。今回は違ったよとか、大き過ぎちゃって考え切れないとか。

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