【3行要約】・成功者と同じスタートを切ったはずなのに、なぜ差がつくのか――多くのビジネスパーソンが抱える疑問です。
・木下勝寿氏は、成功者から見ると「成功しない人は勝手に自滅している」ように見えると指摘します。
・成功者の「普通」を身につけ、やるべきことを確実に実行することが成功への近道だと説きます。
前回の記事はこちら スタートは一緒だったのに、どんどん差が付くわけ
木下勝寿氏:では次ですね。これを1つの仕事のできる・できないではなくて、成功する人・しない人という高いレベルで見ていきたいと思うんですけども、まず成功していない人から成功している人を見るとこう見えますよね。
まずいったん、あなた自身は成功していない人という立場に置いてみてください。最初は同じように進んできました。ところがグイーンと伸びてきて「あいつ最初は同じだったのに、どんどん上に上がっていったな」みたいな感じに見える。

成功していない人から成功している人を見ると、こう見えると思います。そして自分が「普通」、成功した人が「特別」というような観点で物事を見ていると思います。ところが成功している人から成功していない人を見ると、どう見えるか。
自分と成功していない人が一緒に仕事を始めました。最初は一緒です。ところがグイーンと(下に)なっていって、自分から見ると「あいつ最初は同じだったのに、勝手にどんどん落ちぶれていったな」と思っています。
成功している人は自分が成功していて他人が成功していないんじゃなくて、自分が普通で相手が勝手に自滅しているというふうに見えているんですね。
成功する人からは「勝手に自滅した」ように見えている
具体的に細かい動きを見ていくと、最初は同じように始めました。「お互いがんばろうな」みたいな感じです。ところがちょっと仕事が進んでいくと「え、なんでその大事なところやらないの? ちゃんとやらなくちゃ」となります。
さっきみたいな感じですね。「なんで情報を全部確認せずに、2しか聞かないうちに動き出してしまうの?」みたいな感じだと思います。そうやっているうちに「またサボったから落ちていってるじゃないか」と。
本人はサボったと思っていないんですけども「いや、そこはもうちょっとがんばらないといけないんじゃないかな」みたいな感じ、あると思います。
そして、(成功していない人は)もう失敗をどんどんしているから「得意なことに集中します」と言い出しました。「今苦手なところを克服しないと将来困るよ」と思うんですけども、成功しない人は空回りし始めるんですね。

そして最終的に「ああ、言ったとおりだな。やればできるのに変なほうに進んでいったな」みたいな感じで、どんどん落ちていったというふうに見えています。
さっき「仕事ができない人がなぜできないのか、できる人からは見えています」と言いましたけども、ビジネスで成功する人からは、成功しない人がなんで成功しないのか見えているんですね。
成功する人は「自分にとって普通のこと」をやっている
これを3者の立場で俯瞰してみましょう。まず最初に成功していない人から成功している人を見ると、このように見えます。これはさっきも見せた図ですね。こんな感じで「あいつ、うまくやったな」みたいな感じで、成功する人がどんどん上に上がっていっているように見えます。
一方でこれもさっき説明しました。成功している人から成功しない人を見るとこう見えます。「あいつ自滅したな」というふうに見えています。
今度は新しい観点、もっと成功している人から見ると「あいつら自滅したな」と思っています。あなたから見た成功している人も、もっと成功している人からすると自滅しているように見えるんですね。そして全員が自分が普通だと思っているんです。

みなさんは今、どこの位置に自分を置きながら説明を聞いたかと思うんですけども、すべて自分は普通だと思っています。で、周りの人がちょっとおかしい。成功しない人を見て「自滅してるよね」と思うし「あいつうまくやったな」と思っていたりします。すべての人は自分のやり方こそが普通だと思っています。
まず、成功する人は自分にとって普通のことをやっています。成功する人からすると成功しない人は、普通のことをせずにわざわざ自滅しているように見えます。具体的には「やるべきことをやらずに、やってはいけないことをやっている」ように見えるんですね。
成功している人に「なぜそうするのか」を聞く
じゃあ普通のやり方とはどういうことかというと、本人にとって無理のない範囲のやり方が、いわゆる普通のやり方と思ってください。成功する人の普通を身につけると、あなた自身は普通のことをしているだけで成功できます。
成功する人と自分が違う行動を取ろうとした時に、成功する人になぜそうするのかを聞いて、成功する人の普通を身につける。そうすれば自分もどんどん成功に近づいていけるということですね。
成功している人と一緒に行動していて、ぜんぜん違うことをパッとやり始めた時に、自分からすると「普通こうでしょ、この人なんか変な仕方してるな」と思うかもしれません。
でもこの人のほうが成果を出しているとすると、この人の判断基準が正しい可能性はすごく高いんですね。なのでまず「なんでそうしてるんですか?」って聞く癖をつけてください。僕はよく聞きます。
成功していない人ほど「あいつは運が良かった」と言う
特に同僚とか自分と同じ立場の人と、明らかに仕事で差がつき始めるタイミングとかありますよね。新入社員の時は「同期一緒にがんばろうな」みたいな感じだったんですけど、1ヶ月、2ヶ月するとちょっと差が開き始めたりします。
このタイミングを逃さない。「あいつがうまくいったのはたまたまだ」みたいな感じで済ませるのではなくて、自分と同じようなことをしているのになぜ彼がうまくいき始めたのか、自分と相手の行動の違いを必ず確認し、「なぜそうしたのか」を聞くようにしてください。
私自身は昔からそれなりに成功してきているんですけども、成功していない人って、私がうまくいっている理由を「運が良かった」って、みんな言うんですよ。「お前は運が良かったよね」ってすごく言われて、「まあそうだよ」とは言っているんですけども(笑)。
20年、30年も幸運が続くことはあんまりないですよね。私からすると、この人と最初は同じだったけど、差がつき始めたタイミングとか、なぜその差が埋まらないのかは、はっきり言って見えています。でもこの人は見えていないので、ただ単に「運が良かったよね」みたいな感じになっているんですね。

でももともとは同じレベルだったので、ちゃんとそこをキャッチアップして小さな差を埋めていけば、その人もうまくいったのになって思うことはよくあります。
成功しない人は「やりたいこと」「やれること」しかしない
じゃあ成功していく人の普通のやり方ってどういうことかというと、目標・目的をベースに物事を考えていて、それに対してやるべきことをやっています。
成功しない人の普通のやり方は、目標・目的に対してやるべきことをやっているんじゃなくて、自分がやりたいこと・やれることをやっています。これがたまたまうまく目標・目的に対するやるべきことになっている場合は、やりたいことをやっているだけでうまくいったりはするんですけども、こういう人はかなり少ないと思います。
天才的な方だったりとか、志が非常に高い人はほぼこれがイコールになっているんですけども、人って自分の感情でやっていくと、目標からずれた仕事のやり方をしていくのが一般的には多いです。
これをやるべきなのかやらないべきなのかとか、やる対象が実は微妙にずれているんですね。なので成功する人も成功しない人も、けっこう一生懸命にがんばってはいるんです。
がんばっているんだけども成果が出るか出ないかっていうのは、ここのやるべきかやるべきじゃないかとか、やる対象が微妙にずれている。ここの差がどんどん(成功する・しないの)違いになっていくんです。
成功する人から見ると、成功しない人はやるべきことをやらずに、やりたいこと・やれることしかしないので「成功しなくて当たり前だよな」と思っています。単純に言うと「やるべきことが浮いたままになっているよな」と見えています。
人よりちょっと調べたり勉強するだけで成果が出る
じゃあなんで成功しない人がやらないのかというと、だいたいみんなやらない理由を作るんですよね。やるべきっていうのはある程度、薄々はわかっているんですけども「○○の経験とか○○の知識がないからできない。だからやらなくてもいいよね、やれないのは仕方がないよね」と思っています。
けれども成功する人って「○○の経験、○○の知識がない」となった時に「勉強すればいいのに」とか「調べたらいいのに」と思っています。そこを勉強や調べもせずに「できないよね、誰かできる人を探そう」とする人って、いつまで経ってもうまくいかないです。
逆に言うと世の中の人は、自分で勉強したり調べたりする人がかなり少ないんですね。なのでちょっと勉強したり調べたりするだけで、普通の人よりもガーンと差がつけられる。
私もそこまでものすごく勉強したり調べたりするタイプではないんですけども、世の中の人があまりにもしないので、ちょっと調べるだけですぐ成果が出るなと私の感覚では思っています。こんな感じですね。