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【仕事ごっこ注意】ムダな仕事が蔓延する“残念な会社”の共通点(全1記事)

“疲れる職場”にありがちな5つのムダ “なぜか仕事が減らない”を改善するチェックポイント [2/2]

人多いのになぜか仕事が増える理由

2つ目。「人が多い職場(パーキンソンの法則)」。これもダメです。これ、絶対に覚えておいてください。私は肝に銘じております。パーキンソンの法則、いきますね。「仕事は、与えられた時間のすべてを使い切るまで膨張する」。つまり、「許されている限り、仕事を増やす」と言っています。

じゃあ例えば、私が「1+1=2」という仕事を与えられたとしましょう。そんなもの、1秒で済みます。でも、実働時間は8時間なんですよね。「はい、伊庭さん。1+1を解く仕事をお願いします」「わかりました。1+1=2。はい、2です」「ありがとうね」。あと7時間59分もやることがありません。

やることがなければ、人は何をするんでしょうか? 何か仕事を増やすんですよ。「じゃあ、1+1が2だったら、1+2も出してみようかな。1+3も出してみようかな。何だったら、ドリルを作ってみようかな。1+1だけじゃなくて、掛け算もやっちゃおうかな」。「そこ、求めておりません」ということまでやってアピールをしようと思うんですね。

この場合、本来であれば、「私は1分で済んじゃう仕事なので、この仕事をなくしてください」と言えばいいんですよね。言わないんです。真面目に仕事をするんです。だって、それが人だからですね。ぜひ、ここは押さえておきましょう。人に仕事がつくと、ムダな仕事が増える。つまり、人が多い組織は、ムダな仕事が膨らみ続けるという話です。

これは私も経験がありますが、大手企業のほうがそうなりますよ。私も大手企業に勤めていましたが、やはり人が多いんです。人が多いと、良いこともあるんですけれども、悪いこともあります。ちょっと仕事量が減る時もあるんですよね。人は仕事を増やすんです。普通は、違う仕事をやってもらったほうがいいんですよね。仕事を増やしちゃうんです。それでみんな、「忙しい、忙しい」と言います。

そこに対して管理職は、「ううん」と言わないといけないんですよ。じゃあ、そのために何をすればいいかと言うと、「ちゃんと期限を明確にする」。

業務を割り振る担当者を決める

これはちょっと先ほどと文脈は違いますが、「残業が多い」場合があるじゃないですか。その場合は期限を明確にして、「ここまでにやってね」と決める。

もう1個は「業務改善担当を決める」です。自分の「1+1」の仕事が早く終わっていることを見せたくないんですよ。

ということは、やはり第三者のメスが必要なんですよね。業務改善担当を決めて、「何かムダがあれば、ちゃんと仕事を分配するようにしましょうね」というようなことをしないといけないんだけども。

「1+1=2」という仕事をやたらと増やして、「いや、忙しくて。1+1をやるためには、掛け算と割り算もやらないといけないんです」と言う方がいらっしゃいます。「そんなことはない」というメスをスパッと入れないといけないので、業務改善担当を決めておくことをお勧めいたします。

管理職は、細かなことまでわからない時がありますよね。そんな時は、誰が見ればいいんでしょう? その業務に精通している人に、ちょっとお願いするなんてこともやったりします。

会議の回数や進行を見直すポイント

3つ目。「会議が多い職場」はダメです。まず、目的が曖昧な会議をやっていないでしょうか? 結果、何かを決めるわけでもないということですね。集まって情報共有して終わり。このために、いったいどれぐらいのコストと労力をかけているか。回数がやたらと多いとか、時間がやたらと長い。時には延長する。

「会議を延長する」は絶対にNGです。他の仕事に支障が出ますので、「会議はバシッと切る」でお願いします。あと、参加人数が多い。意見を言わない人が参加している。「絶対参加しろ」と言われているから、その人も致し方なく参加しているんですね。「外してあげましょうよ」ということですね。

あと、あまりに人数が多い。「じゃあ会議をやりましょうか」。ゾロゾロゾロゾロ。30人います。いや、もちろん30人必要な会議もありますけど、「本当に必要か?」というものもありますよね。

アジェンダが多い。「今日のアジェンダをご覧ください。全部で25個あります」。担当が多すぎるんですよね。じゃあ、担当が多いと何が起こるんでしたっけ? そうです、自分の仕事が大事なので、若干のアピールが入るんです。違うんですよ。パーキンソンの法則でしたよね。「それ、どうでもいい」ってものもあるんですよ。

確認していきましょう。別に会議でなくても対応できるものは、チャットで済ませることを強く要望してください。会議で行うアジェンダを見た時に、「これ、チャットでお願いします」とか、「クラウドでお願いします」。ぜひ(実施してほしい)、「フィルター機能を作る」でございます。

業務にムダがチェックポイントがないか

次に、「調整が多すぎる」。もちろん、会社には調整があって然るべきです。経営とか、何か制度を作る場合は、調整は絶対に必要ですよ。ただ、現場のオペレーションにはそんなに要りません。見ていきましょう。

「現場で決められることは現場で決める」ということをやっていきます。じゃないと、調整が多すぎるようになります。「これ、誰々さんに聞かないと」。つまり、権限委譲ができていないということなんですよね。承認を得るためにやたらと時間がかかり、進行が遅れてしまう。その結果、無駄な手間が増え、Return on Investmentが下がっていくんですね。

これ、確かにあるんですよ。私はいろいろな企業さまとお付き合いしております。僕は求人広告の営業をしていたんですが、(原稿の)締め切りは毎週決まっているんですよね。「急ぎの募集なので、伊庭さん、来てくださいよ」と言って、「じゃあ来月からやりましょうか」「来月は2週間後ですよ」「わかりました」。

なかなか原稿の確認のOKを部長に取れなくて、「ちょっと待ってくれ」。担当(社員)ではなく、部長が原稿の確認までするのかと。部長がやるのは何なんでしょうね。

権限委譲できる部分を探す

私が部長の時は、「何人をいついつまでに集めてね。方法論については、あまりにもNGの時は言うけれど、この予算で、こういう範囲であれば任せるからね。ただ、(どんな方法かは)教えてね。原稿も任せるよ」。

これがないと、原稿確認まで部長がすることになりますよね。私の研修でもよくあるんですよ。「研修の内容を社長まで見ていただきます」と。

「ちょっと待ってくれ。社長が研修の内容のテキストまで見るのか? そりゃ時間がかかるわ」ですよね。そこは「任せる」なんですよね。

ということもありますので、現場で迅速に決断できるならどんどん権限委譲しないと、他の会社に遅れを取ってしまいます。先ほどの求人広告の話でも研修の話でもそうなんですけども、だいたい後ろにずれる傾向がある。その間に、他の会社にチャンスを奪われていることも意識しないといけないんですね。ムダな仕事が増えております。

悪い同調圧力が働く「グループシンク」

そして最後。まだ大事なことが残っているんですよ。こういう組織がムダが増える。「上の言うことは絶対」です。

「集団浅慮」と書いてありますね。「グループシンク」とも言いますけれども、これは悪い同調圧力が働くことを言います。一人ひとりは優秀であったとしても、真面目なために、「ああ、今はこれをしないといけないよね」という同調圧力が発生する。

その決断が間違えていることがよくあるんですよね。「上司が言うことが絶対」という文化を大事にする管理職だと最適な判断ができず、ムダなことをやってしまうんですね。「上が言っているからやらないといけない」。ああ、大変ですよね。

もちろんトップダウンは絶対に必要です。やはり組織はトップダウンじゃないと動かないんです。ところが、間違えたトップダウンとか、現場に合っていないものもあるんですよね。その場合、Return on Investment、やったことに対する見返りを得られません。あと、リスクマネジメントの観点からも、不正が起こる可能性も、なきにしもあらずです。

そういったことを考えた場合、トップダウンを受けた時に、管理職は調整するために進言をする機能を持たねばなりません。これがない組織は、次々に仕事が降ってきて、現場は大慌てになる。ということは、管理職がフォロワーシップを発揮しないといかんということですね。

業務効率化につながる「WATの法則」

部長が課長に言って、現場が荒れるようであれば、課長は部長とちゃんと調整をして、「今こういう状況なので、それを実現するために、Aというやり方も確かにいいんだけど、今はAの中の、ここにフォーカスをしていいですか?」とかね。もしくは、「Aではなく、Bのやり方でいかがでしょうか?」という調整をやらないと、現場は疲弊します。

ぜひ、そのフォロワーシップを使って、課長さん、もしくは主任さん、ぜひ調整をしてみてください。フォロワーシップはめちゃくちゃ大事です。「Udemy」や私の企業研修でも、フォロワーシップは人気講座でございますので、もしよかったら概要欄を覗いてみてください。

さて、締めていきましょう。今回は「ムダなことをやりがちな職場」の話をしました。じゃあこれはどうすればいいのか? 状況を好転させるためには、いつも「WATの法則」でお伝えしています。

意志、つまり管理職の方が「こうしたい」と思うことからスタートします。それを間違えていれば、すべてがダメです。「ムダをなくしたい」。そのために、どんなことに集中していくのか? どんなことをなくしていくのか? ぜひそこを捉えていきたいですよね。

例えば、先ほど私はパン屋さんの話をしましたよね。なんで我々は週休3日で今の成果を出せないんでしょうか? そんなことを考えると、何か思うところがありませんか? 

「だって、うちの会社は週休2日だから」ということが規定されていますよね。そこに合わせて仕事を作っているような気がしません?

だとすれば、やはり管理職は、「週休3日で同じ結果を出すのであれば、どういうことができるのかな?」。

別に「週休3日にしましょう」じゃないんですよ。その分、先に向けた仕事がみんなでできるようになりますよね。ぜひそんなことも考えていければ、今のムダがなくなり、先々の準備ができるというお話でございました。

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