【3行要約】
・片付けや時間管理で悩む人は多く、年間150時間もの時間を物の整理に費やしているとの調査もあります。
・「片付けパパ」として活動する大村信夫氏は、整理収納アドバイザー1級の資格を持ち、整理整頓の徹底が主体的なキャリアにつながるという考え方を提唱します。
・効率的な片付けには「整理→収納→維持」の順序が重要で、1年使っていない物は今後使う確率が1パーセントというデータを紹介しています。
整理整頓や時間管理が上手な人の習慣を紹介
大村信夫氏(以下、大村):ここからみなさんと一緒に作り上げていく場にできればなと思っていますので、今から資料を共有していきます。30分弱ぐらいだと思いますけれども、ぜひチャットとかも使いながら進行させていただければなと思います。ということで今、平野さんが画面共有のほう……。
平野裕一氏(以下、平野):できるようになっています。
大村:ありがとうございます。では、今からみなさんに、3つの質問をさせていただきます。数字で答えられるようにしていますので、それぞれ1か2か3かをチャットに打っていただければと思います。みなさんの回答によって、今日の進行を考えたいなと思っています。
平野:(笑)。
大村:じゃあ、1つ目の質問です。「ご自宅はいつもきれいに片付けられている?」。いきなり「1番で」と言っていただいた方がいますね。あ、今日は1番の方が多めですけど、だいたい同じぐらいな感じですかね。ありがとうございます。いいですね。みなさん反応が早いです。
じゃあ、2つ目でございます。時間管理についての質問です。「時間管理は得意で、いつも時間に余裕がある」。「はい」の方は1番、「いいえ」の方は2番です。
「どちらとも言えない」という方も出てきた感じですかね。まあ、今日は8時開始なんですが全員揃っていらっしゃるので、みなさんちゃんと時間管理ができているんじゃないかなと思います。
平野:(笑)。
整理整頓のプロ「片付けパパ」として活動
大村:じゃあ、最後の質問ですね。これに今日のセミナーを気持ちよく迎えられるかどうかがかかっていると思います。1か2か3か、ぜひ答えてみてください。
はい、どうぞ。(スライドの)「これらの本を読んだことがある」という質問です。あ、いきなり1番、ありがとうございます。2の方もけっこう多いんですけれども、何でしょう。一番下に太字で書かせていただきましたが、2番の方も他の番号に変えていただいても大丈夫でございます。

2番の方が3番になったりしました。ありがとうございます。とてもうれしいです。1番か3番かばっかりになってしまいました。いや、今日は本当に、人の気持ちをおもんばかることができる素敵な方ばかりだなということがわかりました。僕も肩の力を抜いてリラックスしてお話しできます。本当にご協力ありがとうございます。
ということで、あらためまして、私の自己紹介をさせていただければと思います。私は大村信夫と申しまして、平日の日中は某家電メーカーで社員として働きながら、プライベートでは共働きで3人の子育てパパをやっております。

私の活動コンセプトが部屋から人間関係、人生、キャリアまで整えたいということで、「片付けパパ」の名前で活動をしております。
実際にお部屋とか物理的な片付けに関しては、整理収納アドバイザー1級という民間の資格があります。片付け業界では一番大きな団体の資格で、10万人を超える方々が取っています。
物を片付けるだけで年間150時間を費やす人も
大村:一方で、人間関係やキャリアを整えるという視点でキャリアコンサルタントの資格も持っております。なんとなくなんですけども、私はお部屋も人間関係もキャリアも根底でつながっているんじゃないかなと思っておりまして、そこをテーマに活動をしています。
おかげさまで、本業がある男性でありながらこういうパラレルキャリアで活動しているのは珍しいみたいで、今回も含めて、本当にいろいろと取材もしていただいております。
最後に、自己紹介で私のパーパスとミッション、パーパスを実現するための使命に触れさせていただきたいんですが。
やはり人の時間を作るというのが私のパーパスでございます。例えば今回の本のテーマである片付け1つをとっても、(人は)年間150時間を費やしているそうなんですよね。

正直、私は物を片付けたり、探し物をする時間ほど無駄なものはないと思っております。それが少しでもなくなれば、その分、人生にとって有益な、充実した時間を生み出せるんじゃないかなと。そういう意味で人の時間を作ることをパーパスとして活動しております。
そのために人と人をつなぐミツバチになる。他家受粉と言うんですけれども、ミツバチはいろんな花を回りながら、よりよい開花を促進している。

そのように、私も今日ご参加いただいているみなさんも含めて、いろんな方と出会いながら、一人ひとりに自分らしい花を咲かせてもらうための触媒になりたいなと思っています。そういう思いで平野さんからのお話を受けて、お話をさせていただいています。
片付けや時間管理がうまくなるコツを発信
大村:今回のテーマにしている書籍(『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』)は2024年11月に発売されました。おかげさまですぐに2回ほど増刷されて、けっこういい感じで販売されております。そこでは、「1日3分でできる、仕事がうまくいく片付け方」みたいなテーマで、約50のテーマ・習慣に沿ってお話をさせていただいています。

やはり、「あなたは仕事の整理や物の整理がうまいですか? 下手な人ですか?」みたいに対比するかたちでやっています。先にお断りしておきますが、そうは言っても私は別にパーフェクトヒューマンではありません。
私ができないことをできている人の例を書いているところもありますので、少しでも整理ができるように一緒に歩んでいきたいと思います。また、何かあればみなさんからもぜひいろいろと教えていただきたいなと。
こちらの本なんですけれども、まさに片付けの物理的な基本や、職場の片付け、タイムマネジメント、目標達成、コミュニケーション、思考の整理みたいなものがあるんですけれども。すべてを語ると4時間半ぐらいになってしまうので、今日は30分ということで、この中からピックアップさせていただきました。さらに、整理ができる人かできない人を対比させながらお話をさせていただきたいなと思っております。
何かあればチャットに書いてください。なんでも大丈夫でございます。その場で反応できるものは反応しますし、ちょっと反応できなかったら、最後のほうでフォローさせていただければなと思っております。
整理が先か、収納用品を買うのが先か
大村:ここからはぜひみなさんの参加型にして、今度はAかBかで答えていただければなと思っております。その答えに対しての解説を5個ぐらいやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
じゃあ、いきなりなんですけれども、このような問題を出させていただきます。「自宅や職場を片付けます。まずやるのはAかBかどちらでしょうか?」。「物を整理する」がA、「収納用品を買う」がBでございます。

みなさん反応が早いですね。さすがでございます。Aの方もBの方も散らばりましたが、Aの方が多めかなという感じですね。ありがとうございます。
こちらは、あくまでも私がいろんな方と接している中で得た学びや経験から導き出したものなんですけれども、こちらはAとなります。けっこう多くの方にAと答えていただきまして、ありがとうございます。Aとさせていただいたのは、私の経験もありますが、それ以前に大きく片付けの定義がございます。
上手に整理をするための順番
大村:まず、ちょっと文字が小さいんですけれど、(スライドの)向かって左側に「5S」というものがあります。これは、JIS規格という日本の国家規格として推奨されているもので、そこに5Sという職場の整理の定義があります。5Sは整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)となっております。今日は一つひとつの解説は省かせていただくんですけれども、こういう順番でやりなさい、というのが5Sです。

整理、整頓、清掃、清潔、躾。ローマ字で書くとすべてSから始まるので5Sと言われていますが、JIS規格において、片付けの定義はこの順番となっております。
私が持っている片付けの(資格である)整理収納アドバイザーでも同様に、自宅の片付けの定義は整理・収納・維持となっております。これを見ていただくと、この整理がそれぞれに対応しております。国が定める基準も自宅の片付けも一緒になっておりますが、まずは整理から始めるというところでございます。
この整理というのは何かというと、物が必要か否かを判断して、不要な物は手放すことです。実はこの整理が、職場の片付けにおいて一番の肝でございます。
片付けの判断基準を作ることが重要
大村:なぜかというと、要は整理ができると、物が必要か否かを判断できる。いらない物に関しては、その後がなくなるわけなんですよね。だから物がたくさんあるとその後のプロセスもたくさん(必要)になってしまうので、いかに最小限に整理するかが重要になってきます。
その整理は、いるか・いらないかという選択基準が重要なんですけれども、いろんな考え方があると思います。例えばこのペンが使えるか・使えないか、もしくは今まさに使っている・使っていないとか。あとは1年以内に使っている・使っていないみたいな、誰もが客観的に判断できるような基準もあります。あとは参考までに、ときめくか・ときめかないか、そういう選択基準もあったりします。

まずはこういう選択基準を持つことが重要なんですけれども。我々整理収納アドバイザーとしては、この1年以内に使っているか・使っていないかという、誰もが客観的に判断できることが1つの選択基準として有用じゃないかなと思っております。
やはり誰もが客観的に判断できるのが重要で、本でも引用させていただいているんですけれども、この「1年以内」というのもポイントです。
今ある書類を1年後に使う確率は1パーセント
大村:アメリカの調査機関の結果ですね。これは文書の利用度のグラフなんですけれども、例えば今日、文書とか書類が100(パーセント)あったとします。今日100ある書類のうち、半年後に利用されているのは10パーセントなんだそうです。さらに1年後になると1パーセント。

要は、今日作ったり収集した書類が、1年後には1パーセントしか使えていないそうです。
これは書類の例ですけれども、経験的に、物もだいたい同じような法則があると思っております。1年間使われなかったら、その後に使われる可能性は1パーセントもない。そうやって、ある程度の目安ができるといいんじゃないかなと思っております。
まさに今、チャットにも書いていただきましたが、迷い箱。やはり、手放すのは勇気がいるんですよね。なぜならば何年か前に大枚をはたいて「えいや」と買った服とか。「これはいい!」と思った物を手放すのは苦労をされると聞きます。
なので書いていただいたように、迷い箱みたいな、いったん保留するような物を用意して、ある程度の期間を決めて、使わなかったら処分する。そういう考え方もあります。こういうコメントは大歓迎でございます。ありがとうございます。