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東証プライム年商100億社長が成功するために20代で捨てた7つのこと(全2記事)

電話には極力出ない、仕事のマウントはしない… 北の達人・木下勝寿氏が守り続ける“○○しない”成功法則 [2/2]

マウント合戦は意味がない

木下:そして次、「ビジネスの成果でマウントすること」。「俺、こんなんやってん。すごいやろ」というのはやめましょう。私も多少はあるかもしれませんけども、何かビジネスの経営判断をする時に、「動機善なりや、私心なかりしか」という言葉を必ず思い浮かべるようにしています。

京セラ創業者の稲盛和夫さんが提唱された言葉なんですけども、「その事業をやろうとしている動機は本当に善ですか? 私心はないですか?」ということを自分に問うんですね。

例えば私は、『売上最小化、利益最大化の法則』という本を出しています。会社の方針として、「売上は最小化しましょう。そして、利益は最大化しましょう」ということを提唱しています。なぜなのかは、ぜひ読んでほしいと思うんですけども。

多くのビジネスパーソンは、売上を最大化しようとします。悪いわけではないんですけども、時には利益を犠牲にしてまで売上を最大化する人がいるんですね。広告費とか販促費をつぎ込むと、売上だけを上げることは可能なんです。

それって、実は利益を削っていて、本来は意味がないですよねという話なんです。だけれども、なぜか世の中は売上の大小でビジネスの成果が出ている・出ていないと判断する。そこに惑わされて売上を最大化させようと、「うちは売上がこれだけあるねん。すごいやろ」みたいな。

一方で、「それって本当に意味があるか?」というところで、「利益は後からついてくる」と言う。ほんまに利益が後からついてくるか、計算できていますか? できていない人がけっこう多いんですよね。

なめられることは問題ではない

木下:僕も「自分がすごいことをした」って言いたいです。言いたいんだけども、言うことによって正しい経営判断ができなくなってしまうので、ビジネスでマウントするのは捨てましょうという感じですね。

「俺、こんなんやってん」とカッコつけることをやめて、「動機が善なのか?」「私心なく判断できているのか?」みたいなことをけっこう考えています。そうなってくると、例えば人とお会いしている時も、「俺、すごいんだぞ」と言わないようになるんですね。

言っても仕方がないし、多少はなめられます。僕はなめられること自体はぜんぜんいいと思っていて、向こうが後で僕の本当の実績を見て、「恥ずかしい」という思いをした瞬間を想像しながらニヤッとしている、けっこういやらしい人間なんですね(笑)。

Xとかでビジネスのマウント合戦、けっこうありますよね。「売上を競っているなんてバカじゃないか」とか、「俺はこれだけ調達したぜ」とか、「売上がこれだけすごいぜ」とか、「俺は上場したぜ」とか言っているんだけども、これはマウントの基準を競っている。

本当に成功している人はあまり表に出ない

木下:例えば、「売上でマウントを取るのはカッコ悪い。本来大事なのは利益だろう」「利益でマウントを取っているのはカッコ悪い。利益なんて投資をやめたらいつでも出せるんだから、本来は資金調達をどれだけしているかだろう」とか。

もしくは「資金調達でマウントを取っているのはカッコ悪い。どれだけ世の中に影響を与えた売上になっているかだろう」みたいな言葉が(SNSなどでよく)出るんだけど、マウントの基準を戦っている時点でカッコ悪いなと思っていて。

僕自身は「マウントするな」が正しいんじゃないかなと思っていますね。若気の至りでするのはぜんぜんいいと思いますけども、僕自身は「動機善なりや、私心なかりしか」という判断基準でやっていこうかなと思っています。

司会者:先ほどのお話にも通じますけど、やはり「俺はこれだけ売上ているんだぞ」というのが、世間がイメージする成功像だなって、お話をうかがいながら思いました。

木下:そうですね。逆に難しいところもあって、今って経営者にしても、「有名=成功している」と思っちゃうんですけど、本当に成功している人ってあんまり表に出ないんですよね。

僕はけっこう中途半端なアレなので出ていますけども、本当に成功していると(表に出すぎると)危険なんですよ。ただ一方で、あんまりビジネスしない人って、「有名=成功している」と思ったりするので、ある程度は演じて、表に出ないといけない部分もあったりはします。

ビジネス交流会には一切行かない

木下:6番目ですね。「二流の人に会うこと」を捨てました。失礼な言い方になると思うんですけども、自分自身が三流の人間だからなんですね。三流の人間が一流を目指している時に、一番やってはいけないのは二流の人に会うことなんですよ。なぜなら、影響を受けるから。

二流ってどういう人かというと、実は2タイプあって、「一流になる途中の二流の人」と「万年二流の人」なんですよ。三流の人からは、見分けがつかないんです。だって自分は三流なんだから。だから、自分が一流を目指している時って、二流の人に会うと影響を受けてしまいます。

万年二流の人に影響を受けてしまうと、自分は万年二流になってしまう。なので、三流の時は絶対に二流の人に会わずに、一流の人にしか会わないようにしていたんですね。起業者の会の時、ずっとこもっていました。「自分は三流だから、あそこには二流の人がめっちゃ多いから、絶対に影響を受ける」と思って、交流会みたいなのは一切行かなくて。

自分が二流になった時に、初めて二流の人に会うようになったんですよ。自分が二流になると、二流の見分けがつくんですね。「こいつ、万年二流やな」とか、「この人、一流になる途中の二流やな」とわかったので。

三流の時は、僕は二流の人に絶対会わないと決めていましたね。僕が三流時代……今も三流ですけど(笑)、僕とお会いしている人は、だいたい一流なんだと思いますよ。

司会者:やったー!(笑)。

木下:(笑)。

三流とは、何が正解かわかっていない状態

司会者:三流と二流の違いって、木下社長ってどう見分けていらっしゃいますか?

木下:三流の状態は、まだ何が正解かわかっていない状態の人ですね。二流は、一応その人なりの正解を持っている状態。正解を持っていた状態でその結果やったら、それは二流だよねという話。

正解の状態を持っていながら、「これがあって、この先があるよね」というのが、一流になる前の二流の人。一流の人は一流の正解を持っているじゃないですか。三流の人って、正解がどれかわからへん状態。

司会者:その時は、明らかに一流だという人にしかお会いされなかったんですか?

木下:成果を出している人を一流としているので、なかなか会えないじゃないですか。ほぼ人に会わなかったですね。

司会者:そうなんですね。

木下:会える機会があれば会うようにしましたけども、起業したばっかりの時って人に会わない。「いろんな人脈を持って」みたいなやり方もあると思いますけども、うちの仕事ってEコマースだからBtoBの仕事ではないので、仕事の直接の取引で人と会う必要性はそんなにないんですよね。Webの仕事なので、完全にこもって、1人でずっとやっていった感じですね。

司会者:「起業したら人に会わなきゃ」みたいな先入観もあったので、けっこう意外でした。

木下:僕はまったく会わなかったですね。「会わない」と決めていました。

“極力、電話に出ない”と決めて20年

木下:では、最後に7つ目ですね。「電話に出ること」をやめました。仕事上、電話に出るのは、この20年ぐらいで、たぶん10回もないんじゃないかなと思うんですけども。

まず、人との接点を極力少なくしているんですよね。影響を受けないようにしました。優先順位を決めながら物事を決めていく時に、基本的には自分で考えて仕事をする。

常識を捨てて、美人投票にとらわれずやっていくところもそうなんですけども、自分で全部を考えてやっていく時に、周りからの情報は、そんなに重要じゃないやり方をしているんですよ。かかってくる電話が、時間を取られるだけの場合が大半なので、電話に出ないと決めたんです。

今はLINEとかがメインになって、電話に出ない人が多くなったけど、電話が主流の時代から出なかった。かかってきても電話に出ない。だいたいメールだったりとか、メッセンジャーでもつながっているので、「本当に重要なら、別の手段でも連絡してくるだろう」と。

どうしても緊急で私に伝えないといけないことがあったとしても、僕が電話に出なかったら、「別の手段でも何とかしてくるだろう」という話だったので、一発目は出ずに、二発目に違う手段で連絡してきて、初めて対応する感じにしていました。自分の時間をものすごく大切にしていた。

創業期は社長の時間こそが重要な経営資源

木下:自分の時間を大切にすることは、プライベートという話ではなくて、特に初期の頃ってまったくお金も何もないので、経営資源として一番重要なのが、社長の時間なんですね。

特に1人でやっている時、限られた時間を有効に過ごそうとすると、何の用件なのかわからない電話に出ることは、非常にリスクが高い。たとえそれが1分でも、3分でもということですね。

電話に出ることは、1分だけぱっと時間がなくなるわけじゃなくて、そこでやっている作業を止めてしまって、元に戻ると、もう1回ゼロから考えないといけなかったりするので、電話に出ることを一切やめています。

「基本的には全部自分で考えてやっていく」がベースとしてあるので、こういう考え方になっています。

司会者:新入社員の時に、ガムテープで受話器をグルグル巻きにしていた(エピソードがある)のに、まったく取らなくなったんですね。

木下:そうですね。全体的に、世の中をうまく渡っていこうと思っているわけではなくて、まったく何もない荒野の中に、自分の好きなものを作っていくという感じです。だから、他人の影響もあんまり受けないかたちで、自分でゼロから考えて。

もしかしたら非効率な部分もあるかもしれないけども、作り上げていくことによって、結果的に無駄なものはほぼなかったかなと思います。僕はたぶん、空回りを一切していないんじゃないかなと思うんですけども、最終的にいろんなものを捨てたことによって、いけたかなと思っています。

司会者:「これって当たり前だよね」って思っていたことがけっこう入っていました。やはり「電話はすぐ取らなきゃいけない」って思っていたりとか、「『成功しているぞ』と見せないと、成功できないんじゃないか」とか、周りの人にすごく影響を受けていたなと感じました。

木下:電話をかけはしますよ。

司会者:(笑)。

木下:かけはしますし、相手が出なかったら「腹立つな」と思いますけどね(笑)。

司会者:木下社長がかける電話は、本当に緊急で重要なものだと思いますけど。

木下:今日は、私の捨てた7つの習慣をご紹介しましたけども、「私も一緒だ」と思ったりとか、もしくはそれ以外にも「捨てた習慣があるよ」というのがあれば、ぜひコメント欄に書いていただければなと思います。

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