【3行要約】・会議の時間が長すぎる、発言が少ないといった問題を抱える日本企業に、15分単位の会議という新たな効率化手法が注目されています。
・畠山千博氏は「会議は論点を明確にし、準備不足なら開催せず、質疑応答を重視する」という外資系企業の考え方を紹介しています。
・日本企業の会議を変えるには問題解決思考の浸透が必要で、人口減少とグローバル化の時代こそ企業文化を刷新するチャンスだと説きます。
前回の記事はこちら 15分単位の会議ルールを推進するポイントを紹介
佐藤匡史氏(以下、佐藤):どうもありがとうございます。非常に内容が濃い30分弱だったと思います。この後、せっかくなのでご参加いただいている方々からご質問をいただきたいなと思うんですが。私も今、視聴者としてお聞きしていてすごく興味深くて、1つだけご質問させていただきたいものがあります。
このやり方はおそらくミーティング自体をちゃんと設計されている方、あるいはそのさらに上にいて、何かうまくいかない時はサポートしてくださるような方が必須じゃないかなと思ったんです。
畠山さんが前にやられた時は、言うことを聞いてくれない人がいた時に助け船を出せるような、そういう関係性の方はいらっしゃったんですか。
畠山千博氏(以下、畠山):そうですね。みなさん忙しいので専門の助け船はできませんが、やはり会議が終わった後とかに、少しずつ言っていくぐらいかなと思います。
ちゃんとした指針がどんとあって、「みんなこれに見習え」というのはやはり難しいと思うんですね。その仕事の内容とか現場の状況とかがありますので。これを理解して、やりたい人はやったほうがいいと思います(笑)。
佐藤:なるほど。先ほどのスライドの中でもすぐに解決しなければすぐエスカレーションすると書かれていたので。
畠山:そうですね。これは言うことを聞かないというか、感情的になっちゃう人ですね。パワハラとかそういったいろんな問題は人事も含めて違う問題になっていくので、そこは逆に、話を大きくしたほうがいいと思います。
「15分単位」の会議はどう進行するのか
佐藤:なるほど。すばらしいですね。ありがとうございます。じゃあ今の私の質問のように、どんなテーマでもかまいませんので、何かご質問があればぜひお願いします。顔出しでも顔なしでも大丈夫です。「ここをもう少し詳しく聞きたい」とか、ご感想でもかまいませんが、いかがでしょうかね。
参加者1:それでは、せっかくなので質問をよろしいでしょうか。
佐藤:ぜひぜひお願いします。
参加者1:本日は非常に内容の濃いお話をありがとうございます。今いる会社はちょっと企業体質が古いところで、まさに真逆のことをやっているなと痛感したんです。お話をうかがっていて、その対策としてこんなことかなと思ったので、ちょっと今、実はチャットに入れたんですけど。
佐藤:ありがとうございます。
参加者1:いきなりこれでみんながついて来るかどうかはわからないんですけど、こんなようなことかなと感じていたんですが、チャットの内容を見ていただいて、コメントいただけませんでしょうか。
(チャットの内容が)前日までの準備不足。アジェンダと事前資料配布、時間配分付き。会議を回す人は論点整理をしておいて、例えば持ち時間を15分にするんだったら15分(全部を使って)説明させないように、「説明は5分ですよ」とやっておくとか。会議全体の最後の数分は、まとめの時間として残しておくとか。
わりとクリティカルな部署の時にはそれが当たり前だったんですけど、今のところはそれがぜんぜんできていないので、思い出しながら書いたんですが。これに対して「そうだよ」なのか「もっとこうするといい」なのか。
あと15分の持ち時間の使い方ですね。説明5分というとだいたい8分ぐらいしゃべられちゃうので、そこらへんも含めて何かコメントがあればぜひお願いしたいと思います。
ただの準備ではなく“煮詰めた準備”がカギ
畠山:ありがとうございます。まず1番の準備ですね。アジェンダ。これはいいと思います。時間配分も含めて事前に資料を配布するのが理想だと思います。
ただ、その日の夜に何か動きがあってアップデートをして次の日の朝に会議をやることもあるので、理想は前の日までにできればいいんですけど、明日何を話すというアジェンダだけは作れると思うんですね。中身はギリギリまでがんばってもいいと思うので、アジェンダは作っていただくのがいいと思います。
準備不足というのは、そのアジェンダとか会議に対する内容もそうなんですけど、中身だと思います。例えば進捗会議の場合、進捗がないと判断したら、もうしなければいいと思うんですね。
もしくは「明日の会議でしたいのはA案・B案に対しての合意です」とか、中身のプレゼンテーションとか。何が本質的な問題か、内容が煮詰められていなかったらやらないほうがいいと思うので、その準備ですね。
「AとB、どっちがいいですか。私はBがいい。なぜならうんぬんかんぬんで」「なるほど、なるほど」「これは?」「あれは?」「うん、じゃあBがいいね」というのが、一番理想的な話だと思うんですけど。
出した時点で「いや、AはこうなのになんでBはこうなの? Bのこの情報が足りないよね。なんでAはこれをやっていないの?」。これは準備不足に当てはまるので、やはり持っていく前にある程度は煮詰めるのが準備の中にも入るかなと思います。
5分説明+7分質疑をベースに調整する
畠山:2番の主催者。論点整理。確かにそうですね。5分説明して7分質疑というのが一番いいんですけど、その内容によってボリュームも変わってくるので、本当に気の知れた仲間同士だったら、もう最初から論点。何が問題で、こうしてほしいという、極論はそれですね。
もっと進むと、だんだんいろんなプロジェクトとか内容の知識がお互いに溜まってくるので、「○○の件です」「何でしょう」「こうすると、例えばいくら損してしまうから、今はこうしたほうがいいです」「そうだね。じゃあ、そうしましょう」というぐらいなので。判断する側も話を持っていく人も、できるだけ議論の一番大事な問題点を言って整理する、そのプレゼンの仕方が大事じゃないかなと思います。
その7分間、もしくは15分間で結論が出ない場合は、「じゃあちょっと持ち帰る、考える」と。考えてもう1回話すというのはあるのかなと思います。
(チャットの内容を読んで)最後の5分で結論……そうですね、それも大事だと思います。実際、5分もかからずにできるかもしれないですね。議論がこうあって、もう手書きでもエクセル上でもなんでもいいんですけど、話した時点で、じゃあこれ、これ、と決断していく。最後にちょっとラップアップを2~3分でやって次に行くかたちでいいと思います。でも、基本的にはこれ(チャットの内容)で、私もアグリーだと思います。ありがとうございます。
参加者1:ありがとうございます。アジェンダ作成の時にA・Bの準備ができなかったら、もうその時点で前日に延期を決めるという感じかなと、うかがっていて思いました。ありがとうございました。